薬剤師が解説!花粉症にお悩みの方におすすめの花粉症対策

春の花粉シーズンなどに悩まされることが多い花粉症。身だしなみや室内環境などでちょっとしたコツを押さえることで、花粉症予防や、つらい症状を少しでも和らげることに役立ちます。今回は、花粉症を対策する方法について詳しく解説します。


大手ドラッグストアでOTC(市販薬)を中心としたヘルスケア製品の接客販売や、メガベンチャー企業でオンライン診療事業の管理薬剤師を経験後、ウィルベース株式会社に入社。
現在は当サイト「CureBell」の運営・コラム作成、OTC・サプリメント等のリサーチ活動を務める。
※掲載している商品の選定、商品画像や価格、特徴、対応レベル目安などはCureBellの情報を基にしており、監修者によるものではありません。
花粉症とは

花粉症は、スギなどの花粉に免疫が過剰に反応し、くしゃみ・鼻水などの症状が出るアレルギー性鼻炎の一種であり、医学的には「季節性アレルギー性鼻炎」と呼ばれます。これに対して、ダニやホコリなどのハウスダストが原因となる鼻炎は1年を通して症状が生じるため、「通年性アレルギー性鼻炎」と呼ばれます。
花粉症の症状
花粉症の主な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりです。風邪などでも鼻症状は出ますが、花粉症の場合は、くしゃみは連続して複数回起こり、鼻水はサラサラとして透明という特徴があります。
また、目のかゆみ、充血、涙が出るといった症状のほか、のどや皮膚のかゆみ、熱っぽさ、下痢などの症状が現れることもあります。
花粉症が起こるメカニズム


①花粉(アレルゲン)が体内に入ると、②「IgE抗体」と呼ばれる抗体ができます。その後、➂再度体内に花粉が入ると、花粉と抗体が結合します。抗体は鼻や目の粘膜に存在するマスト細胞(肥満細胞)の表面に存在しており、④花粉と結合することで、肥満細胞からヒスタミンなどの化学物質が放出され、⑤くしゃみや鼻水といったアレルギー反応が起きるのです。
ただ、食物アレルギーと同様に、同じアレルゲン(花粉)が体内に入っても症状が出ない人もいます。花粉症になる人とならない人の差は、IgE抗体がつくられやすい体質といった遺伝的要因、花粉を吸い込んだ期間や量といった環境的な要因をはじめ、さまざまな事柄に影響されると考えられています。
原因となる花粉の種類・花粉飛散時期
花粉症と言えばスギ花粉症が代表的ですが、日本では、花粉症の原因となる植物は約50種類あるとされています。地域によって生息する植物や飛散時期が異なるため、原因となる植物や発症時期には多少の地域差があります。また、複数の花粉に対してアレルギーを持っている方もいるため、春や秋だけでなく年間を通して症状が出ることもあります。
代表的な植物と飛散時期は以下の通りです。
植物 | 飛散時期 | ピークの時期 | 地域性 |
---|---|---|---|
スギ | 1〜5月頃 | 3月頃 |
・気候が異なるため九州のほうが飛散開始が早く(1月下旬頃)、東北のほうが遅い(3月上旬以降)傾向 ・北海道、沖縄にはほとんど存在しない |
ヒノキ | 2〜6月頃 | 3~4月頃 |
・関東、東海、九州は飛散が多いが、東北、関西は少なめ ・北海道はさらに少なく、飛散時期も短い |
シラカンバ | 4〜6月頃 | 5〜6月頃 |
・北海道に多い ・東北でも多少飛散するが、その他の地域にはほぼ存在しない |
イネ科 | 3〜10月頃 | 5〜6月頃 | ・北海道では6〜9月頃に飛散 |
キク科 (ブタクサ・ヨモギなど) |
8〜10月頃 | ・関東や東北では、9月頃にブタクサの飛散が多い傾向 |
その他にも、ハンノキ、コナラ、クリ、イチョウ、ケヤキ、マツ、オリーブ(いずれも1~6月頃までに飛散する傾向)などさまざまな植物が花粉症の原因となります。
また最新の花粉飛散情報については日本気象協会のwebサイト(日本気象協会 花粉飛散情報 2025)を参考にしてください。
花粉症対策グッズにはどんなものがある?
花粉から身を守るためには対策グッズを駆使しましょう。マスク、メガネなどをつけるのはもちろんのこと、以下のようにさまざまなグッズがあります。
マスク
口や鼻から花粉を吸いこまないために、マスクの着用が大切です。マスクをしていると、していないときよりも吸い込む花粉量を6~3分の1程度に抑えることができると言われています。マスクはサイズやつけ方もとても大事なので、自分に合った大きさのものを選び、すきまができないようにつけましょう。
不織布マスク


マスクの中でも、花粉を防ぐ効果が最も高いとされるのが不織布マスクです。使い捨てで衛生的な点も特徴。プリーツ状になっており、顔にフィットしながらも口を動かしやすくズレにくい「プリーツ型」、フィット感は高いものの、マスクに口紅がつきにくい「二つ折り」、口ばしのような形で呼吸がしやすい「ダイヤモンド型」など、いくつかのタイプがあります。
ウレタンマスク


ウレタンマスクは伸縮性があって肌触りがよく、小さな穴が開いており呼吸がしやすいのも特徴で、洗って繰り返し使うことができます。一方で花粉対策効果は不織布マスクには劣るとされています。
布マスク


布マスクは肌に優しく保湿効果が高いといった点が特徴で、洗って繰り返し使うことができます。一方で花粉対策効果は不織布マスクには劣るとされています。
メガネ


目は直接外界と接してる粘膜であるため花粉が入りやすく、花粉による症状が出やすいと言われています。そのため少しでも目に入る花粉を抑えるためにメガネを着用すると良いでしょう。
メガネは目に入る花粉を3~2分の1程度に抑えてくれると言われています。普段はコンタクトを使っている方も、花粉症が気になる時期はメガネにするのがよいでしょう。目に花粉などが入った場合、通常であれば涙が洗い流す役割を担っていますが、コンタクトをしていると、涙で洗い流しにくくなってしまうためです。コンタクトによって、目の中に花粉がたまってしまうことも考えられます。
花粉から身を守る服装


頭や髪の毛、首にも花粉が付着しやすいので、帽子(特につばもの広いもの)やマフラー、スカーフなどで守りましょう。帰宅後に室内に花粉を持ち込まないためにも、できれば花粉の付きにくい素材を選んでください。ウール、毛織物などではなく、綿やポリエステルといった、ツルツル、すべすべとした素材のものがおすすめです。
花粉対策スプレー


イオンなどを用いて花粉を反発・吸着するようなスプレーも市販されています。花粉が粘膜にくっつかないように、鼻の穴に塗るようなクリームもあります。また、静電気によって衣類に花粉がつくこともあるので、静電気防止スプレーで対策できる可能性があります。
保湿ティッシュ・軟膏


鼻水、くしゃみで常にティッシュが手放せなくなることもありがちです。鼻が荒れるのを防ぐために、保湿ティッシュを使うことを検討しましょう。また、鼻が荒れてしまったら、ワセリン軟膏などで保護するのもおすすめです。
<ワセリン軟膏の商品例>
ベタつきが少なく、伸びが良い高品質ワセリン
白色ワセリンをさらに精製することで不純物を極力カットしています。
やわらかくて伸びが良く、使いやすさにもこだわったワセリンです。
肌に余分な負担をかけない皮膚保護薬として、敏感なお肌にもご使用いただけます。
低刺激性 防腐剤無添加 無着色 無香料
皮膚の表面をしっかりカバー
冷やしたタオル


目のかゆみがあるときは、冷やしたタオルを目に乗せると、かゆみが緩和されることがあります。炎症が悪化することがあるため、かくのは厳禁です。
空気清浄機・加湿器


室内の花粉の飛散を防ぐために空気清浄機も活用しましょう。また、室内が乾燥していると鼻の粘膜のバリア機能が低下したり、花粉が飛散しやすくなることがあるので加湿をするのがおすすめです。
布団乾燥機・布団用掃除機


布団の外干しは、布団に花粉がつく原因になるので控えましょう。布団乾燥機を使うのがおすすめです。外干しした場合は取り込む際に花粉を払い、布団用掃除機などで表面についている花粉を吸いましょう。
医薬品


花粉症によるアレルギー症状は薬で抑えることも選択肢の1つです。
<おすすめの鼻炎薬>
医療用と同成分・同量※のアレルギー専用鼻炎薬
※フェキソフェナジン塩酸塩1錠あたり60mg配合
アレグラFXは「しっかり効く」のに「眠くなりにくい」アレルギー専用鼻炎薬です。
鼻炎症状を鎮めるだけでなく、悪化させない第2世代の抗ヒスタミン薬だからしっかり効く!
鼻にはしっかり効いて脳には入りにくいから眠くなりにくい!









●1日1回1錠で、ずっと効くのに眠くなりにくい
●口が乾きにくい アレルギー専用鼻炎薬
●第2世代抗ヒスタミン成分 ロラタジン配合









●パブロン鼻炎カプセルSαは、急性鼻炎やアレルギー性鼻炎などの諸症状の緩和に効果的な持続性鼻炎治療薬で、すぐに症状を止めたい方におすすめします。
●カプセル中の白い顆粒は速く溶ける顆粒、オレンジの顆粒はゆっくり溶ける顆粒で、効果が持続します。1日2回、1回2カプセルの服用ですみます。
●鼻粘膜の充血やはれを抑える塩酸プソイドエフェドリンの他、抗ヒスタミン薬、分泌抑制薬などを配合。くしゃみ、鼻みず、鼻づまりなどをスッキリと軽快させます。









花粉症(季節性アレルギー)専用の点鼻薬。
鼻みず、鼻づまり、くしゃみに、フルチカゾンプロピオン酸エステル(ステロイド)配合の
鼻スプレーが、シュっと鼻に直接効く。
たった1プッシュ※で6つの炎症物質をブロック
※各鼻腔に1噴射、1日1回









<おすすめの目薬>
「ロート アルガード クリアブロックZ」は、花粉などによるつらい目のかゆみ・充血に効く眼科用薬です。
アレルギー抑制成分※1、かゆみを止める成分※2、炎症を鎮める成分※3、外的刺激などによりダメージを受けた角膜を保護する成分※4など、全有効成分最大濃度配合※5。
アルガード史上、最強の処方設計!
花粉症などのアレルギー症状が続き、かつ、炎症を伴う方へ。従来の一般用アレルギー用点眼剤を2日間位使用し、十分な効果が得られなかった方におすすめします。
すっきり爽快なさし心地。
※1:クロモグリク酸ナトリウム
※2:クロルフェニラミンマレイン酸塩
※3:プラノプロフェン
※4:コンドロイチン硫酸エステルナトリウム
※5:既承認一般用眼科用薬中(平成28年7月現在)












1.抗アレルギー剤「クロモグリク酸ナトリウム」が、アレルギー誘発物質の放出を抑え、つらいアレルギー症状を緩和します。
2.「クロルフェニラミンマレイン酸塩」が、アレルギー症状を起こすヒスタミンの受容体結合をブロックし、目のかゆみを抑えます。
3.「グリチルリチン酸二カリウム」が、アレルギー反応による目の炎症をしずめます。
4.「コンドロイチン硫酸エステルナトリウム」が、目のうるおいを保持し、角膜表面をいたわります。
5.とろみのある薬液です。












詳細は以下のコラムで解説しているので、興味がある方はぜひご覧ください。
医療機関を受診
最近では、原因となる花粉のエキスを含む薬を服用することで徐々に体を慣らし、花粉症によるアレルギー反応を弱める「アレルゲン免疫療法(減感作療法、舌下免疫療法)」も登場しているため、医療機関を受診し相談・治療をするのも一つの方法です。
対策グッズだけじゃない!外出時や家の中でもできる花粉症対策

ここからは、外出時や家の中で気をつけたい花粉症対策についてご紹介します。
花粉の飛散が多いタイミングでの外出を避ける
13~15時頃と、雨の日の翌日は花粉の飛散が多い傾向があります。風が強い日も注意が必要です。天気予報で花粉情報などもチェックし、花粉の飛散が多いタイミングでの外出は最低限にしましょう。
外の花粉を家の中に入れない
ドアや窓は閉めておき、花粉が外から入ってこないようにしましょう。帰宅時は玄関でコートなどの衣服を払って花粉を落としてからから家に入るのもポイントです。徹底したい場合は、部屋着に着替えるのがおすすめです。
帰宅したらうがいや洗顔をする
外出時に体や粘膜についた花粉を洗い流すために、帰宅したらうがい、鼻うがい、洗顔、目を洗うといったことを心がけましょう。目は市販の人工涙液で、鼻は生理食塩水や専用の鼻うがい液を使うとよりよいとされています。また、少なくとも寝る前には必ずお風呂に入って、花粉を洗い流しましょう。
こまめに掃除をする
ドアや窓を閉めていても、どこかから花粉は侵入しています。毎日床拭きを行うなど、こまめな掃除を心がけてください。寝具にも花粉がたまっていることがあるため、水で濡らしたタオルなどで寝具を軽く拭きとりましょう。
花粉症の時期には食べ物も要チェック

花粉症のセルフケアとして、食事も大事です。「これを食べれば花粉症がよくなる」といった明確に科学的な効果が証明されている食べ物はないので、まずは栄養バランスのよい食事を心がけましょう。ただ、一般的に、花粉症によい、悪いと言われる食べ物はいくつかあるため、それぞれご紹介します。
花粉症の症状緩和が期待できる成分・食べ物
ポリフェノールは、くしゃみや鼻水といったアレルギー反応の原因となるヒスタミンなどの放出を抑制するとされています。ポリフェノールは緑茶・紅茶・コーヒー・ココアなどの飲み物、大豆・玉ねぎ・そば・レンコンなどの食べ物に多く含まれます。
また、腸内環境を整えることで、花粉症などのアレルギー症状の緩和につながると言われています。腸は体の免疫細胞の約7割近くが集まっており、腸内環境を整えることで体の免疫機能が正常に働きやすくなる(=アレルギー症状の緩和につながる)とされています。
腸内環境を整えるには、悪玉菌の増殖を抑えてくれる乳酸菌などの善玉菌を摂取することが1つの選択肢です。善玉菌(乳酸菌)はヨーグルトをはじめとする発酵食品に含まれています。その他に、食物繊維も腸内環境を整えるとされています。
また、腸内環境を整える取り組み(腸活)については、以下のコラムにて解説しているので興味がある方は是非ご覧ください。
花粉症の症状を悪化させる恐れがある食べ物
たんぱく質や脂質が多い食べ物は、免疫力が低下し、花粉症によくないとされています。お酒も血管を広げ、目の充血や鼻づまりにつながるため避けましょう。
なお、シラカンバ、イネ科、スギ、ハンノキなどの花粉症の方は、特定の野菜や果物を食べると「口腔アレルギー症候群(果実野菜過敏症)」と言って、口の中のかゆみや腫れなどの症状が現れることがあります。特にリンゴやサクランボで多いとされているため、症状が出たら食べるのをやめましょう。
まとめ
花粉症は、花粉に対するアレルギー反応によって鼻や目の症状が生じるものです。体内に入る花粉の量を少なくすることが花粉症予防や症状緩和につながるため、花粉が飛び始めたらしっかりと花粉対策を行うことが重要です。
マスクやメガネ、衣服などで花粉から身を守ったり、空気清浄機、加湿器、布団乾燥機などの家電を活用したりするのがおすすめです。また花粉症対策グッズ以外にも、帰宅後は花粉を払ったり、うがいや洗顔をしたり、日ごろから室内をこまめに掃除することで花粉の除去を心がけましょう。