薬剤師が教える!花粉によるアレルギー症状や鼻かぜなど鼻炎の症状におすすめの市販薬

2〜3月は、花粉症で悩まれる方が増える時期となります。花粉などのアレルギー性鼻炎に対しては、病院で処方されるような薬と同じ成分の市販薬が販売されるなど幅広い選択肢があります。

ここでは、アレルギーや鼻かぜによる鼻水、鼻づまり、くしゃみに効く市販の鼻炎薬の選び方についてポイントを解説します。

この記事の監修者
鈴木 伸悟
薬局に勤務する現役薬剤師。横浜市西区薬剤師会理事。大手ドラッグストアでの勤務を経験後、処方せん調剤を主体とした保険薬局にてOTC医薬品の販売に取り組む。また、薬剤師や医薬品登録販売者向けにOTC医薬品の役立つ情報をSNSで発信するほか、メディア出演、全国各地での講演会、日経DIプレミアムでは連載を持つなど多方面で活動している。著書『薬局OTC販売マニュアル 臨床知識から商品選びまで分かる(日経BP)』... 続きを読む

アレルギー専用鼻炎薬は他の症状では使用不可

アレルギー専用鼻炎薬は、アレルギー(花粉やハウスダストなど)による鼻水、鼻づまり等にしか使用できません。

アレルギー症状の見分け方

水っぽいサラサラした鼻水が続き、鼻水だけでなく目のかゆみなどの症状がある場合はアレルギー性の可能性が高いでしょう。最初は水っぽい鼻水でも粘性のある鼻水にかわり、また熱や咳などがある場合は急性鼻炎(いわゆる鼻かぜ)の可能性が高いでしょう。

アレルギーかどうかはっきりしない場合

鼻水、鼻づまりが、 アレルギーによるものなのか、急性鼻炎によるものなのか原因がはっきりしない場合は、病院で治療を受けると良いでしょう。

花粉などによるアレルギー症状の鼻水、鼻づまり等に効く市販の鼻炎薬の選び方

鼻水、鼻づまり等が比較的軽い場合は、 第2世代抗ヒスタミン成分が入った鼻炎薬またはステロイド点鼻薬を選ぶとよいでしょう。さらに内服か点鼻のいずれを好むのか、即効性を重視するのか、自動車の運転の有無、価格などから商品を選択します。

抗ヒスタミン成分が入った鼻炎薬

抗ヒスタミン成分は、体内でアレルギー症状を引き起こすヒスタミンという化学伝達物質の作用を抑えることにより、症状を改善するもので、開発された年代によって第1世代と第2世代に分類されます。

抗ヒスタミン成分のはたらき

アレルギー性鼻炎は花粉やほこり、ダニなどの異物が体内に入ると、異物を外に出そうとしてヒスタミンなどのケミカルメディエーターという物質が分泌されます。この分泌されたケミカルメディエーターが知覚神経を刺激することによりくしゃみや鼻水が出ます。また、ケミカルメディエーターが鼻粘膜の血管を刺激し、血管拡張などが起こることで鼻づまりが起きます。

抗ヒスタミン成分はこのヒスタミンの作用を抑えることでくしゃみや鼻水を緩和します。

第2世代抗ヒスタミン成分

第2世代抗ヒスタミン成分の代表的なものに、フェキソフェナジン、ロラタジン等があります。

第2世代抗ヒスタミン成分配合の鼻炎薬は、一部の例外はありますが、基本的には第1世代抗ヒスタミン成分配合の鼻炎薬と比較して眠気や口の渇きといった副作用が少ないです。

第1世代抗ヒスタミン成分

第2世代抗ヒスタミン薬の前の世代の第1世代抗ヒスタミン成分には、クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン等があります。これらの第1世代抗ヒスタミン成分が入った鼻炎薬は、くしゃみや鼻水に即効性が期待できる反面、 眠気や口の渇きが出現しやすく、車の運転は不可であること、緑内障の方や排尿困難(尿が出にくい)の方等は注意が必要です。

血管収縮にはたらく成分

第1世代抗ヒスタミン成分を配合した商品には、血管収縮にはたらく成分であるプソイドエフェドリンなどを配合したものが多いです。プソイドエフェドリンは、交感神経刺激作用により鼻づまりに効果を示す一方で、 高血圧や糖尿病、甲状腺機能障害などの方は服用できません。

急性鼻炎(鼻かぜ)にも使用できる薬は?

これら第1世代抗ヒスタミン成分に血管収縮にはたらく成分などを配合した鼻炎薬は、アレルギー性の鼻炎だけでなく、急性鼻炎(いわゆる鼻かぜ)にも効能効果があることがポイントです。一方、第2世代抗ヒスタミン成分のみを配合した鼻炎薬は、アレルギー専用となっているため注意しましょう。

成分など 効果など その他
抗ヒスタミン成分 第2世代(フェキソフェナジン、ロラタジン等) くしゃみや鼻水などを緩和 基本的に眠気や口の渇き等の副作用が少ない
第1世代(クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン等) くしゃみや鼻水を緩和、くしゃみや鼻水に即効性が期待できる 眠気や口の渇きが出現しやすく、緑内障の方等は注意する
血管収縮にはたらく成分 プソイドエフェドリン 交感神経刺激作用により鼻づまりに効果 高血圧や糖尿病、甲状腺機能障害の方等は服用不可

鼻づまりがひどい場合

鼻づまりがひどい場合には、ステロイド成分や血管収縮成分が入った点鼻薬が効果的でしょう。血管収縮成分が入った点鼻薬は、急性鼻炎にも効能効果があります。

ステロイド点鼻薬

ステロイド点鼻薬は、効果発現は約1〜2日で症状改善効果が強く、鼻アレルギーの3症状(鼻水、くしゃみ、鼻づまり)に等しく効果があり、全身性の副作用は少ないとされています。眠気成分も含まれていません。ステロイド点鼻薬は、即効性の面で血管収縮成分配合の点鼻薬に比べてやや劣るものの、有効性・安全性が高いです。

血管収縮成分配合の点鼻薬

鼻づまりがつらい場合の他の選択肢として、ナファゾリン等の血管収縮成分が配合された点鼻薬があります。血管収縮成分が配合された製品は、効き目がとても早く、効果が実感しやすいだけでなく商品によっては比較的安価で手に入れることができます。

血管収縮成分配合の点鼻薬の留意点

つらい鼻づまりをすぐになんとかしたいという方には、とても役立つ製品ですが、使用は最小限で連用しないようにしましょう。なぜなら、 血管収縮成分を長期間連用することで、血管収縮作用が切れると逆に鼻詰まりが強くでてしまう「薬剤性鼻炎」になってしまう恐れがあるからです。添付文書の用法用量を守り、使用しましょう。

即効性重視の場合のおすすめの組み合わせ

症状がつらい場合や即効性を重視する場合は、第2世代抗ヒスタミン成分配合の鼻炎薬+ステロイド点鼻薬といった内服薬と点鼻薬の併用を検討しましょう。

副作用が気になる方への漢方薬

鼻炎に効果がある漢方薬の例としては、麻黄(マオウ)を主剤とする小青竜湯などがあります。小青竜湯は、アレルギー性鼻炎にも急性鼻炎にも使用することができます。眠気成分は含まれていません。

<鼻炎・花粉症の薬の選び方 ①アレルギー性>

<鼻炎・花粉症の薬の選び方 ②急性鼻炎(鼻かぜ)>

【選び方別】鼻水、鼻づまりに効くおすすめの市販の鼻炎薬

第2世代抗ヒスタミン成分配合の鼻炎薬

アレグラFX
税抜価格 14錠・1,314円/28錠・1,886円/56錠・3,500円/56錠×2・0円
第2類医薬品
第2類医薬品

「しっかり効く」のに「眠くなりにくい」アレルギー専用鼻炎薬
クラリチンEX
税抜価格 14錠×2個・0円/14錠×2個・3,960円/7錠・1,380円/14錠・1,980円/28錠・3,580円/28錠×2個・6,780円/14錠×3個・0円
第2類医薬品
第2類医薬品

1日1回1錠の眠くなりにくいアレルギー専用鼻炎薬

など

第1世代抗ヒスタミン成分配合の鼻炎薬

パブロン鼻炎カプセルSα
税抜価格 24カプセル・1,200円/48カプセル・2,000円
第❷類医薬品
濫用のおそれ
第❷類医薬品

つらい鼻みず・鼻づまり・くしゃみに 持続性鼻炎治療薬
新コンタック600プラス
税抜価格 20カプセル・0円/40カプセル・0円/60カプセル・0円
第❷類医薬品
濫用のおそれ
第❷類医薬品

すぐれた効き目と持続性を両立した鼻炎薬 持続性鼻炎治療薬

など

ステロイド点鼻薬

フルナーゼ点鼻薬〈季節性アレルギー専用〉
税抜価格 8ml・1,580円
第❷類医薬品
第❷類医薬品

花粉症(季節性アレルギー)専用の点鼻薬
ナザールαAR0.1%<季節性アレルギー専用>
税抜価格 10ml・1,980円
第❷類医薬品
第❷類医薬品

花粉症による鼻水・鼻づまりに効く

など

血管収縮成分配合の点鼻薬

ナザール「スプレー」(ポンプ)
税抜価格 30ml・1,050円/30mL・1,050円/30ml・1,180円
第2類医薬品
第2類医薬品

鼻づまり、鼻水に
パブロン点鼻
税抜価格 15mL・950円/30mL・1,380円
第2類医薬品
第2類医薬品

急性・アレルギー性鼻炎などの鼻みず・鼻づまりに

など

漢方薬

クラシエの漢方 小青竜湯エキス顆粒Aクラシエ
税抜価格 10包・1,800円/90包・0円
第2類医薬品
第2類医薬品

鼻水・うすい水様のたんを伴うせきに(強い効き目) [3日分]

など

お子さん向け市販の鼻炎薬

ムヒのこども鼻炎シロップS1
税抜価格 120ml・1,200円
第❷類医薬品
濫用のおそれ
第❷類医薬品

かぜの時の急性鼻炎や花粉によるアレルギー性鼻炎などに効果のある成分を配合

など

※生後3カ月以上から服用可能なものがあります

乳幼児についてはまずは医療機関を受診するようにしましょう

小中学生の鼻炎の場合:

アレグラFXジュニア
税抜価格 16錠・1,180円/16錠×2・0円
第2類医薬品
第2類医薬品

小中学生用(7〜14才用)のアレルギー専用鼻炎薬

など

こんな症状は受診を

慢性副鼻腔炎など医療機関での治療が必要な鼻炎もあります。以下に1つでも当てはまる場合は、医療機関を受診しましょう。

  • 色の濃い鼻水が出る
  • 鼻詰まりがひどい、呼吸が苦しい
  • 鼻の奥が痛い
  • 鼻血が出やすい
  • 顔面の腫れや痛みがある
  • アレルギー性鼻炎なのか鼻かぜなのか原因がはっきりしない