薬剤師が教える！花粉による目のアレルギー症状等におすすめの市販薬
２〜３月は、花粉症で悩まれる方が増える時期です。花粉などのアレルギーで目がとてもかゆいという方も多いでしょう。アレルギーによる目のかゆみに対しては、病院で処方されるような薬と同じ成分の市販薬もあります。
ここでは、アレルギーによる痒みなどに対応した市販の目薬の選び方について解説します。
目次
アレルギー専用目薬は他の症状では使用不可
アレルギー専用目薬は、アレルギー（花粉やハウスダストなど）による目のかゆみなどがある人しか使用できませんので、アレルギー症状なのか原因がはっきりしない人は受診するようにしましょう。
アレルギー症状の見分け方
過去にも花粉などのアレルギーで治療をした経験があるかどうかや、症状が片目か両目か、目の症状以外に鼻水は出ているかなどを確認します。 花粉によるアレルギー症状であれば、両目に症状があり、鼻の症状を伴う可能性が高いです。
アレルギーかどうかはっきりしない場合
かゆみや充血が、 アレルギーによるものなのか、他の原因によるものなのかはっきりしない場合は、病院で治療を受けると良いでしょう。アレルギー以外の原因による症状に漫然と市販薬を使用すると、適切な治療が開始できないため、治療が遅れるおそれなどがあります。
アレルギーによる目のかゆみなどに効く市販の目薬の選び方
目のかゆみに対応した目薬には、クロモグリク酸やアシタザノラストといった抗アレルギー成分、クロルフェニラミンなどの抗ヒスタミン成分、プラノプロフェンなどの抗炎症成分などを配合した商品があります。 かゆみの症状やコンタクトレンズ装着の有無等から選ぶとよいでしょう。
かゆみが軽度の場合
目のかゆみの原因がアレルギーの可能性が高く、また花粉飛散の早期で症状が軽いようであれば、抗アレルギー成分のみを含んだものを選択すると良いでしょう。抗アレルギー成分はアレルギー症状の原因となるヒスタミンなどのケミカルメディエーターの遊離を抑制し、目のかゆみ、充血などを緩和します。花粉が飛び始める1～2週間前から点眼する初期療法が効果的です。
かゆみがひどい場合
特に目のかゆみなどのアレルギー症状がひどい場合は、抗アレルギー成分と抗ヒスタミン成分、抗炎症成分が配合された目薬を選択すると良いでしょう。抗ヒスタミン成分はヒスタミン受容体に働いてヒスタミンの作用を抑え、抗炎症成分は充血などの原因となる炎症を抑え、症状を緩和します。
価格は500円程度から2,000円超まで幅があるため、 配合成分や価格、清涼感、効き目などから商品を選ぶと良いでしょう。
| 成分など | 効果など | その他 |
|---|---|---|
| 抗アレルギー成分（クロモグリク酸ナトリウム等） | ヒスタミンなどのケミカルメディエーターの遊離を抑制し、目のかゆみ、充血などを緩和 | ソフトコンタクトレンス装着中の点眼不可 |
| 抗ヒスタミン成分（クロルフェニラミンマレイン酸塩等） | ヒスタミン受容体に働いてヒスタミンの作用を抑え、目のかゆみなどを緩和 | ソフトコンタクトレンズ装着中でも点眼可能なものもあり |
| 抗炎症成分（プラノプロフェン等） | 炎症を抑え、充血などの症状を緩和 |
ソフトコンタクトレンズ装着の場合
抗アレルギー成分が配合された目薬は、ソフトコンタクトレンズ装着中は、点眼ができません。
コンタクトレンズに薬剤・防腐剤が吸着し、吸着した薬剤・防腐剤が目を傷つけたり、レンズの機能性を害したりする可能性があります。
ソフトコンタクトレンズを装着している方は、レンズを外してから点眼しましょう。点眼後は5分以上経過してから、装着するようにしましょう。または、コンタクトレンズを装着中でも使用できる商品を選択しましょう。
花粉などの異物を洗い流したい場合は
花粉などの異物を洗い流すことも目のかゆみや充血をとる上で、有効です。その場合は、洗眼薬を併せて使用することもおすすめです。
＜目のかゆみに対応した目薬の選び方＞
【選び方別】アレルギーによる目のかゆみなどに効くおすすめの市販薬
抗アレルギー成分のみ配合の目薬
など
抗アレルギー成分＋抗ヒスタミン成分、＋抗炎症成分配合の目薬
など
抗ヒスタミン成分を含む目薬
など
ソフトコンタクトレンズ装着時でも使用できる目薬
など
小児の目のかゆみ・充血の場合
清涼感が少なく、クール感のないさし心地のものを選びましょう。
など
洗眼薬の商品例
目を洗いたい、花粉などの異物を洗い流したい場合は洗眼薬の併用使いがおすすめです。
など
こんな症状は受診を
以下に１つでも当てはまる場合は、医療機関を受診しましょう。
- 片眼のみ症状がある
- 目に強い痛みがある
- 目やにがひどい
- 異物感がある
- 視野狭窄、視力の低下がある
