薬剤師が教える!発熱・頭痛・生理痛におすすめの解熱鎮痛薬
解熱鎮痛薬とは、いわゆる「痛み止め」のことで、頭痛、生理痛や、風邪などによる発熱に使用される薬を指し多種多様なものがドラッグストアやネットで販売されています。
ここでは、発熱・頭痛・生理痛に効く市販の解熱鎮痛薬の選び方のポイントについて解説します。
どのようなときに解熱鎮痛薬を使うべき?
発熱・頭痛・生理痛などに
解熱鎮痛薬は、発熱や頭痛、生理痛等に対して効果が期待できるもので、もしものときに備えて普段から市販薬を常備している方も多いでしょう。しかし 多種多様なものがあり、選び方に迷うことも少なくありません。
新型コロナウイルス感染症に
最近では新型コロナウイルス感染症の対策、ワクチン接種の副反応対策として、解熱鎮痛薬を常備している方もいます。
解熱鎮痛薬は、熱を下げる効果と痛みをとる効果の両方があります。
発熱・頭痛・生理痛に効く市販の解熱鎮痛薬の選び方
様々な解熱鎮痛薬を選ぶポイントとして、効き目や胃腸に対する影響などで選ぶ方法があります。それぞれについてみていきましょう。
主要な成分で選ぶ
解熱鎮痛薬で代表的な成分は3つあります。
炎症と痛みを取り除く「ロキソプロフェン」または「イブプロフェン」、炎症を抑える作用はほとんどないとされていますが、胃に優しく15歳以下でも服用できる商品がある「アセトアミノフェン」のいずれかが配合されていることが多いでしょう。
アセトアミノフェンは、医療用医薬品のカロナールでお馴染みの成分です。
ロキソプロフェン、イブプロフェン
ロキソニンSなどに配合される「ロキソプロフェン」やイブA錠などに配合される「イブプロフェン」は炎症と痛みを取り除きます。
頭痛や生理痛などのときは、比較的しっかり痛みや炎症を抑えてくれるこれらの成分が入った解熱鎮痛薬がお薦めです。 使用可能な方は15歳以上となるため、使用する際は注意が必要です。
ロキソプロフェンとイブプロフェンどちらが効く?
どちらも痛み止めとして効き目が良い成分ですが、明確な比較データがなく、効き目には個人差があります。
アセトアミノフェン
15歳未満の方や高齢者、喘息がある、胃が弱い、腎機能が低下している、インフルエンザの疑いがあるなどの場合は、アセトアミノフェンを選ぶと良いでしょう。
アセトアミノフェンには炎症を抑える作用はほとんどなく、 鎮痛効果はイブプロフェン、ロキソプロフェンと比べてやさしめです。
種類 | 効果・特徴 | その他 |
---|---|---|
ロキソプロフェン、イブプロフェン | 解熱鎮痛効果は強め | 市販薬では15歳未満は服用不可 |
アセトアミノフェン | 鎮痛効果はやさしめ、炎症を抑える作用はほとんどない | 胃に優しい |
アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロモバレリル尿素 | 鎮痛の補助、イライラや緊張を鎮める | 眠気がでるおそれがある |
胃への負担で選ぶ
解熱鎮痛薬の服用により胃が荒れてしまう方もおります。そのような方は、ロキソプロフェンやイブプロフェンが入ったものではなく、 胃にやさしいアセトアミノフェンが入ったものを選ぶといいでしょう。
あるいは、 酸化マグネシウム等の胃を保護する制酸成分がはいったものが候補となります。
服用における注意点
眠気がでるおそれがある成分
鎮痛の補助を目的として 「アリルイソプロピルアセチル尿素」「ブロモバレリル尿素」などの催眠鎮静成分の入った薬は、眠気が出るおそれがあります。
「痛みを取って早く寝たい」「痛みでイライラする、つらい」という方には選択肢となりますが、知らずに飲んで、痛みが緩和されたとしても大事な仕事や試験でボーっとしてパフォーマンスが落ちてしまったら大変です。
催眠鎮静成分が配合されると、
自動車や機械類の運転もできません。また、長く服用すると依存が生じることもあり、使用上の注意をしっかり読んで正しく服用しましょう。
眠気の副作用が気になる場合などは、痛みをとる成分が単独で入っているシンプルな解熱鎮痛薬(単剤)を選ぶと良いでしょう。
正しい服用タイミング
痛みの症状が出始めたと思った時に早めに服用しましょう。痛みを我慢している間に、痛みの原因物質が大量に分泌されてしまった後では、薬の効果を感じるのに時間がかかりますし、効果を実感しづらくなります。
ただし、 痛みがない時に予防で服用することや痛みを我慢することはおすすめできません。
生活の質をあげるために、適切なタイミングで解熱鎮痛薬を上手に利用することが大切です。
使いすぎのリスク
解熱鎮痛薬の使いすぎが原因で起きてしまう頭痛(薬物乱用頭痛)があります。目安として 月に10日以上、自己判断で解熱鎮痛薬を服用している人は、医療機関を受診し、頭痛の原因や対処法を診てもらったほうがいいでしょう。
かぜ薬との併用はしないように
一般的に販売されている多くのかぜ薬には、イブプロフェン、アセトアミノフェンなどの解熱鎮痛薬に配合される成分が含まれています。
そのため、 かぜ薬と解熱鎮痛薬を併用してしまうと通常よりも多くの成分を摂ってしまうことになりますので注意してください。
頭痛、発熱以外に咳や鼻水などのかぜ症状がある場合は、総合かぜ薬の服用を検討しましょう。以下のコラムでおすすめのかぜ薬をご紹介しているので、ぜひご覧ください。
<解熱鎮痛薬の選び方:基本パターン>
<解熱鎮痛薬の選び方:注意が必要な方>
※商品によって使用できる年齢が異なるため注意してください
※妊娠中やアレルギー、持病がある方などは、必ず医師や薬剤師、登録販売者などに相談しましょう
【選び方別】発熱・頭痛・生理痛に効くおすすめの市販薬
ロキソプロフェンが入った解熱鎮痛薬(単剤)
イブプロフェンが入った解熱鎮痛薬(単剤)
アセトアミノフェンが入った解熱鎮痛薬(単剤)
子ども向けの解熱鎮痛薬
アセトアミノフェンのみを配合した解熱鎮痛薬を選ぶとよいでしょう。 商品によって使用できる年齢が異なるため注意しましょう。
その他の解熱鎮痛薬
催眠鎮静成分を配合するものは「眠気」に注意をしましょう。
子宮・腸管の過度な収縮を抑える成分が入っている生理痛専用の鎮痛薬:
こんな症状は受診を
以下に1つでも当てはまる場合は、医療機関を受診しましょう。
発熱の場合
- 急激な高熱
- 微熱などが長く続く、繰り返している
- 発熱に加えて下痢・発疹・胸痛・腰痛・動機などがある
頭痛の場合
- 最近頭部外傷を経験した
- 突然発症した頭痛
- 今まで経験したことのない頭痛
- 仕事などが継続できないほどの頭痛
- 小児、または50歳以上で初めて頭痛を経験
- 吐き気やめまいを伴う
- 足が動かしにくい
生理痛の場合
- 鎮痛薬を服用しても効果がない
- 月経周期でないときも下腹部痛や腰痛がある
- 下腹部痛以外の症状(頭痛や吐き気、めまいなど)を伴う
- 下腹部痛以外の症状(頭痛や吐き気、めまいなど)を伴う
- 普段と違う不規則な出血や多量の出血がある、血の塊が見られる