薬剤師が教える!湿疹、かぶれ、あせもなどの皮膚症状におすすめの市販薬

汗をかきやすい夏場などはあせもや湿疹(皮膚炎)などで悩まれる方も多いでしょう。皮膚トラブルの症状や原因も様々であり、それぞれに適した対処法があります。今回は、湿疹、かぶれ、あせもなどの皮膚症状に効く市販薬の選び方について解説します。

この記事の監修者
鈴木 伸悟
薬局に勤務する現役薬剤師。横浜市西区薬剤師会理事。大手ドラッグストアでの勤務を経験後、処方せん調剤を主体とした保険薬局にてOTC医薬品の販売に取り組む。また、薬剤師や医薬品登録販売者向けにOTC医薬品の役立つ情報をSNSで発信するほか、メディア出演、全国各地での講演会、日経DIプレミアムでは連載を持つなど多方面で活動している。著書『薬局OTC販売マニュアル 臨床知識から商品選びまで分かる(日経BP)』... 続きを読む

夏場によく起こる皮膚症状について

皮膚のポツポツやかゆみ、赤みなどの皮膚トラブルには、あせも、かぶれ、じんましんなどがあります。かゆみに耐えられず、掻いてしまうと症状が悪化してしまうこともあるため、早めに対処することがポイントです。

湿疹(皮膚炎)の主な症状

湿疹(皮膚炎)は、皮膚に炎症を起こす病気の総称です。湿疹には、赤くなったり、かさぶたのようになっていたり、小さな水ぶくれができたり、様々な症状が起こります。

かぶれの主な症状

かぶれは、湿疹の中でも「接触皮膚炎」といわれ、原因物質にふれた部位にかゆみや痛み、赤み、腫れが起きることです。食物、金属、植物、化粧品、毛染め、虫などによる外的刺激にふれることで起きる皮膚の防御反応です。

あせもの主な症状

あせもは、汗をかきやすいところにできる湿疹です。首の周りやわきの下、肘・膝の裏、ベルトや下着で締め付けのある部分など、汗をかきやすくムレやすい部位に、赤みをもった小さなポツポツができます。

じんましんの主な症状

何らかの物質が皮膚に接触することで起こるかぶれに対し、じんましんは特定の食材や医薬品など、口に入れたり皮膚接触以外の原因から皮膚に症状が起こることが多いのが特徴です。

医療機関への受診が必要な症状

「かゆみがひどい」「あせもがひどい」と外用薬を購入される方が多いですが、湿疹やかゆみの症状でも、薬疹(薬が原因で発症する発疹)や帯状疱疹など医療機関への受診を要するケースが隠れている場合があります。また皮膚の症状以外にも発熱など他の症状を伴う場合も受診しましょう。

市販薬を購入する際は、湿疹などの部位や状態、経緯などを薬剤師や医薬品登録販売者などに相談してから購入すると良いでしょう。

湿疹、かぶれ、あせもに効く市販薬の選び方

湿疹、かぶれ、あせもなどに対応した市販薬には、複数成分を配合した商品が大半を占めています。主成分は抗炎症作用があるステロイドの他に、かゆみを抑えるジフェンヒドラミンなどの抗ヒスタミン成分など様々です。

ステロイド成分

炎症を抑えることを期待して、ステロイド成分が配合されます。

非ステロイド性の抗炎症成分

代表的な成分はウフェナマートです。ステロイドではありませんが、炎症を抑える効果があります。比較的軽い湿疹や、ステロイドが使いにくい顔などの湿疹に向きます。

かゆみ止め成分

かゆみを抑えることを期待して、抗ヒスタミン成分や鎮痒成分、局所麻酔成分が配合されます。

抗ヒスタミン成分

代表的な成分はジフェンヒドラミンやクロルフェニラミンです。かゆみの原因物質となるヒスタミンなどを抑えます。 ジフェンヒドラミンはじんましんのかゆみにもよく使われる成分です。

鎮痒成分

代表的な成分はクロタミトンです。軽い灼熱感を与え、患部でかゆみを抑えます。ジフェンヒドラミン同様にじんましんのかゆみにも使われます。

局所麻酔成分

代表的な成分はリドカインです。知覚神経の伝達を抑え、かゆみを和らげます。抗炎症成分や抗ヒスタミン成分と併せて配合されています。

その他

メントールやカンフルなど患部に清涼感を与え、かゆみを緩和する目的で配合される成分などもあります。炎症を抑える作用はないですが、スーッとした使用感がかゆみを感じにくくするといったメリットがあります。

かゆみが強い、または患部が腫れている場合

湿疹、かぶれなどは、掻いてしまうとさらに症状が悪化してしまう場合もあるため、かゆみが強かったり、腫れていたりする場合などは、ステロイド配合のものを選ぶと良いでしょう。

かゆみや炎症などが軽症の場合

かゆみなどが軽症であれば、抗ヒスタミン成分などの非ステロイドが配合されたものも選択肢となります。

患部をかき壊した場合

かき壊してしまった場合など化膿を伴う湿疹には、フラジオマイシンなどの抗生物質を配合した製品を選ぶと良いでしょう。

じんましんの場合

抗ヒスタミン成分(アレルギー症状を引き起こすヒスタミンの作用を抑える)を配合したものを選ぶと良いでしょう。

種類 成分 特徴
ステロイド成分 プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルなど 炎症をおさえる
非ステロイド性抗炎症成分 ウフェナマートなど 炎症をおさえる
抗ヒスタミン成分 ジフェンヒドラミンなど かゆみの原因物質となるヒスタミンなどを抑える
鎮痒成分 クロタミトンなど 軽い灼熱感を与え、患部でかゆみを抑える
局所麻酔成分 リドカインなど 知覚神経の伝達を抑え、かゆみを和らげる
その他 メントール、カンフル 患部に清涼感を与え、かゆみを緩和

ステロイドとは

ステロイドは外用皮膚薬などに配合されており、その効き目の強さは市販薬ではウィークに分類されるものからストロングに分類されるものまであります。

ステロイドの使い分け

手足などのかゆみがとてもつらいといった場合には、ストロングクラスのステロイドを選ぶと良いでしょう。

顔や首、デリケートゾーンなどの吸収が高い部位や小児に使用したいといった場合には、必要に応じてウィークかミディアム(マイルド)クラスのステロイドを配合した商品、またはウフェナマートなどの非ステロイドの抗炎症成分を配合した商品や抗ヒスタミン成分を配合した商品などステロイド無配合のものを選ぶと良いでしょう。

強さのランク 主な成分
ストロング ベタメタゾン吉草酸エステル、フルオシノロンアセトニドなど
ミディアム(マイルド) プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルなど
ウィーク プレドニゾロン、ヒドロコルチゾンなど

ステロイドの留意点

ステロイドが含まれている外用皮膚薬は、5~6日使用しても症状がよくならない場合は使用を中止しましょう。目、口唇などの粘膜の部分や目の周囲は避け、顔面は広範囲に使用しないようにしましょう。

ステロイドの副作用

ステロイド外用皮膚薬は、全身への影響を軽減し、皮膚の患部へしっかり作用するように作られています。

市販薬のステロイド外用皮膚薬を使用する場合は、使用量や使用期間を守り、正しく使えば全身に影響のある副作用が問題となることはほぼないといえるでしょう。

長期にわたって連用した場合や、皮膚が薄くデリケートな部位に強いステロイドを使用し続けることによって、塗ったところに局所性の副作用が出ることがあるため、注意が必要です。

まず弱めのステロイドで試した方が良い?

かゆみなど症状が比較的ひどい場合には、効き目が充分期待できる症状に合わせたステロイドを選択しましょう。慎重にあえて弱めのステロイドを選択する必要はありません。

効果の低いものを使い続けると、治療期間が長くなり、場合によっては症状が悪化することがあります。

ステロイドの使用を避けたい場合

かゆみを抑える成分である抗ヒスタミン成分を中心とした商品があります。ステロイドを避けたい方は、ステロイド無配合の商品を選ぶと良いでしょう。

湿疹、かぶれ、あせもなどに効く市販薬を選ぶ際の留意点

剤型の特徴

皮膚炎の塗り薬には軟膏やクリーム、液体など、いくつかの剤型(形状)の種類があります。軟膏は一般的に油性で水をはじきます。傷の保護作用があり、刺激が少ないのが特徴です。

一方、クリームは軟膏と比べてよくのび、広い範囲に使用でき、ベトつき感がありません。液剤・ローションは液状のため、より広い範囲に塗布することができ、特に頭皮などの軟膏やクリームの塗りにくい場所にも使いやすい特徴があります。

成分をたくさん配合する商品が良い?

皮膚炎の塗り薬にはステロイド成分や局所麻酔成分、殺菌成分など複数の成分を配合した商品、いわゆる配合剤が多数存在します。こうした商品は、成分を1つだけ配合した単剤よりも効き目がよくなったり、幅広い症状に対応できたりする場合があります。

一方で、配合成分が増えると、薬の成分によるかぶれなど副作用のリスクも高くなります。皮膚が弱い方やかぶれやすい方などは、ステロイド成分などを1つのみ配合した単剤など、配合がシンプルな商品の方が良い場合もあります。

塗布する適切な量は?

ステロイド外用皮膚薬や保湿剤では目安としてFTU(フィンガーチップユニット)を使います。

軟膏やクリームの場合、FTUは大人の人差し指の先から第1関節まで薬を乗せた量で、約0.5gに相当します(チューブの穴の直径が5mm程度の場合)。これを1FTUと呼び、大人の手のひら2枚分くらいの面積に塗ることができます(体表面積の約2%)。ローションの場合は、1円玉大が1FTUとなります。

小児が使用できる薬

基本的に生後6ヵ月以上であれば、子供用でなくとも、多くのものが使用できますが、注意が必要なものもあります。子供用の外用皮膚薬を中心に選ぶのがよいでしょう。

またメントールやカンフルが配合されたものは清涼感があるため、デリケートな子供の肌にはあわないこともあります。

<湿疹、かぶれ、あせもに効く薬の選び方>

【選び方別】湿疹、かぶれ、あせもに効くおすすめの市販薬

ストロングステロイドの単剤

リンデロンVs軟膏
税抜価格 5g・1,080円/10g・1,980円
第❷類医薬品
第❷類医薬品

かき壊す、化膿する前に。湿疹、皮膚炎治療薬 保湿力が高い軟膏タイプ

頭皮湿疹などの場合

リンデロンVsローション
税抜価格 10g・1,980円
第❷類医薬品
第❷類医薬品

かき壊す、化膿する前に。有毛部などの湿疹、皮膚炎治療薬 乳液タイプ

ミディアムステロイドの単剤

セロナ軟膏
税抜価格 14g・1,340円/20g・1,748円
第❷類医薬品
第❷類医薬品

しっしん、皮ふ炎、かゆみに

非ステロイド性の抗炎症成分などの配合剤(ステロイド無配合)

キュアレアa
税抜価格 8g・1,000円
第2類医薬品
第2類医薬品

顔などのかゆみ・かぶれに 目のまわりにも使える皮ふ炎治療薬
トレンタムGクリーム
税抜価格 10g・1,380円/15g・1,900円/15g・ー 円
第2類医薬品
第2類医薬品

顔やお子様にも使える かゆみ・皮膚炎・しっしんに

ステロイド成分+抗ヒスタミン成分などの配合剤

オイラックスA
税抜価格 10g・800円/20g・1,400円/30g・1,900円
第❷類医薬品
第❷類医薬品

家族みんなのかゆみに 皮膚の修復成分配合

頭皮湿疹などの場合

ムヒHD
税抜価格 30ml・1,200円
第❷類医薬品
第❷類医薬品

頭皮などのかゆみ・湿疹に かゆい頭皮を正常な状態に改善!

抗ヒスタミン成分の単剤(ステロイド無配合)

じんましんなどの症状に

新レスタミンコーワ軟膏
税抜価格 30g・660円
第3類医薬品
第3類医薬品

外用湿疹・皮膚炎用薬 のびやすく、ぬりやすい乳剤性軟膏

抗ヒスタミン成分+かゆみ止め成分などの配合剤

デリケートゾーンのかゆみなどに

フェミニーナ軟膏S
税抜価格 30g・1,470円/15g・924円
第2類医薬品
第2類医薬品

デリケートゾーンのかゆみ・かぶれに べたつかないクリームタイプ

かさつく肌のかゆみなどに

メンソレータムADクリームm
税抜価格 90g・1,180円/145g・ー 円
第2類医薬品
第2類医薬品

カサつく肌のかゆみ治療薬 かゆみに効く!

ステロイド+抗生物質の配合剤

フルコートf
税抜価格 10g・1,800円/5g・980円
第❷類医薬品
第❷類医薬品

皮膚炎、かぶれ、皮膚トラブルの原因に 優れた効き目のステロイド成分配合
クロマイ-P軟膏AS
税抜価格 6g・950円/12g・1,650円/12g・ー 円
第❷類医薬品
第❷類医薬品

化膿を伴う湿疹、皮膚炎に ステロイド <化膿性皮膚疾患の治療薬>
ドルマイコーチ軟膏
税抜価格 6g・850円/6g・ー 円/12g・1,400円/12g・ー 円
第❷類医薬品
第❷類医薬品

化膿を伴うしっしん・皮膚炎に

湿疹、かぶれ、あせもなどにおすすめのセルフケア

お肌のバリア機能を保つためのセルフケアも重要です。

スキンケアによるバリア機能の維持を

肌を清潔にし、潤いを保つことはバリア機能を維持するうえで、大切なことです。普段使うボディソープなどの洗浄料は低刺激のものを使ったり、医薬部外品などの肌あれ防止効果のあるものを使ったりするとよいでしょう。また洗った後などは肌が乾燥しないように保湿をすることでバリア機能を高めることも大切です。

規則正しい生活によるバリア機能の維持を

スキンケアと同時に規則正しい生活も大切です。偏った食生活や睡眠不足、ストレスなどで肌あれが起こったり、バリア機能が低下することもあります。

夏場は特に肌のケアを

夏場は汗をかくことが多くなり、湿疹やあせも、かぶれなどの症状が多くなります。日頃から以下のようなケアを心がけておくことも大切です。

  • 汗をこまめにふきとる
  • 汗をかいた後はシャワーなどを浴びて、肌を清潔に保つ
  • 通気性や吸水性の良い服を選ぶ
  • エアコンなどを活用し、汗をかく量や頻度を抑える
  • 紫外線対策を行う(特に肌が弱い方は皮膚の露出も少なめにする)

こんな場合は受診を

以下に1つでも当てはまる場合は、医療機関を受診しましょう。

  • 皮膚症状以外に発熱などの全身症状などがある
  • 水ぶくれ(水泡)、腫れ、ほてり、痛みが強いとき
  • 神経に沿った湿疹
  • 薬剤服用後の湿疹
  • かきこわし、ただれが強い
  • ステロイドが含まれている外用皮膚薬を5~6日使用しても症状が良くならない