薬剤師が解説!日焼けによる炎症、痛みや色素沈着におすすめの市販薬

紫外線によって赤くなったり黒くなったりする「日焼け」。将来的にシミなどの原因となるため、美容面で気になる方は多いでしょう。実は日焼けは「やけど」の一種なので、美容だけでなく、肌の健康にも悪影響です。本記事では、日焼けのメカニズムや対処法などを詳しく解説します。


大手ドラッグストアでOTC(市販薬)を中心としたヘルスケア製品の接客販売や、メガベンチャー企業でオンライン診療事業の管理薬剤師を経験後、ウィルベース株式会社に入社。
現在は当サイト「CureBell」の運営・コラム作成、OTC・サプリメント等のリサーチ活動を務める。
※掲載している商品の選定、商品画像や価格、特徴、対応レベル目安などはCureBellの情報を基にしており、監修者によるものではありません。
目次
日焼けとは

日焼けとは、日光(紫外線)によって皮膚が赤くなったり黒くなったりするやけどの一種です。医学的には、紫外線で皮膚が赤くなることは「サンバーン」、黒くなることは「サンタン」と呼ばれています。
紫外線はUVA・UVB・UVCの3つに分けられ、日焼けはUVBが主な原因となります。
紫外線の違い-肌に悪影響なのはどれ?-


UVA
UVAはUVBと異なり、日焼けのように短期間で肌に影響を及ぼすことはありません。しかしUVAは肌の奥深いところ(真皮)まで浸透し、じわじわと肌に悪影響を及ぼします。
UVAは肌の奥深くにあるコラーゲンやエラスチンなどの肌のハリや弾力の維持に重要な存在を損傷させ、これが将来的なシワやたるみに繋がります。
UVB
UVBが細胞に吸収されると、遺伝子が傷つけられます。この傷そのものや、傷を修復する反応によって炎症の原因となる物質が放出されると、赤みや痛みなどの日焼け(サンバーン)の症状が現れます。
また、日焼け時の炎症によって表皮の内側にあるメラノサイト(メラニンをつくる細胞)が刺激されて、メラニンがつくられることで肌が黒くなります(サンタン)。
通常メラニンは「体内で生成されて、皮膚から押し出され排出される」というサイクルを繰り返していますが、過剰に日光を浴びたり、肌のターンオーバーが乱れてしまうと肌にメラニンが蓄積してしまい、シミやそばかすの原因となります。
UVC
UVCはオゾン層によって吸収されるため、地上まで届くことはありません。
日焼けによる症状や対処法

日焼けによる主な症状は、ほてり、赤み、ヒリヒリとした痛みや色素沈着(日焼け後に黒くなる)といったものです。日焼けはやけどの一種なので、ひどい場合は水ぶくれができることもあります。また、日焼け(紫外線)の蓄積でシミができたり、将来的には光老化と言ってシワやたるみの原因にもなりえます。
症状が軽度であれば、炎症を和らげるために患部を冷やせば落ち着くことも多いです。しかし、冷やしてもほてりや赤み、痛みなどが続く場合は塗り薬の使用も検討しましょう。
なお、色素沈着は、肌のターンオーバーとともにメラニンが排出され少しずつ改善されていくことが一般的です。しかし前述の通り、過剰に日光を浴びたり、肌のターンオーバーが乱れてしまうとシミをはじめ、将来的な肌トラブルにつながることがあるため、美白ケアなどのスキンケアは意識して行いましょう。シミ(色素沈着)予防・改善目的の場合は、ビタミンCなどを配合した飲み薬も効果が期待できます。
日焼けケアの代表的な成分は以下の通りです。
成分 | 期待できる効果 | |
---|---|---|
非ステロイド系抗炎症薬 | ウフェマナート | ・炎症を抑え、痛みなどを緩和する |
グリチルリチン酸 | ・炎症を抑え、痛みなどを緩和する | |
酸化亜鉛 |
・炎症を抑え、痛みなどを緩和する ・皮膚を保護する |
|
リドカイン | ・局所麻酔作用により、かゆみや痛みを抑える | |
クロタミトン |
・炎症を抑え、かゆみを緩和する |
|
抗ヒスタミン薬 (ジフェンヒドラミン・クロルフェニラミンなど) |
・炎症を抑え、かゆみを緩和する | |
アスコルビン酸 (ビタミンC) |
・シミの抑制(メラニンの生成抑制) ・シミの淡色化(メラニンを還元する) ・コラーゲンの生成促進 |
かゆみがあるときは要注意
日焼けによる炎症や、皮膚のバリア機能の低下によって、かゆみが生じることがあります。皮膚のバリア機能が低下すると、乾燥したり、少しの刺激にも敏感に反応することがあったりするためです。
日焼けによる症状を緩和する市販薬の中には、かゆみ止めが配合されているものもあるため、薬でかゆみが治れば過度に気にする必要はありませんが、少し日に当たっただけでもかゆみが出るようであれば、日焼けによる症状ではなく、光線過敏症の可能性もあります。
光線過敏症は日光アレルギーとも呼ばれるもので、日光などの光線に当たることで、免疫の過剰反応が引き起こされ、赤み、かゆみ、水ぶくれ、じんましんなどが生じます。通常であれば問題ない程度の日光でも過剰に反応してしまい、夏以外に症状が出ることもあります。適切な治療を受ける必要があるため、かゆみが気になる場合は早めに受診しましょう。
酸化・光老化にも注意
前述の通り、日焼けは将来的にシワ、たるみなどの原因にもなります。これは、通常の老化と紫外線の蓄積が組み合わさった「光老化」によって起こるものです。
紫外線を浴びると活性酸素が発生し、真皮(皮膚の奥)にあるコラーゲンやエラスチンが破壊されます。コラーゲンやエラスチンは肌のハリや弾力の維持に重要な存在なので、これらが破壊されることで、シワやたるみにつながるのです。そのため、UVケアと合わせて抗酸化ケアも意識しましょう。
<日焼けによる症状に効く市販薬の選び方>
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日焼けによる症状におすすめの市販薬
日焼けによる炎症、痛みに
●ウフェナマートとグリチルリチン酸二カリウムは非ステロイド性の抗炎症成分で、炎症部位に直接作用し、炎症の原因物質の生成を抑え、患部の炎症や痛みを抑えます。
●ウフェナマート、グリチルリチン酸二カリウムに、かゆみを抑えるリドカイン、クロルフェニラミンマレイン酸塩、皮膚の血行を改善するトコフェロール酢酸エステルを配合し、皮膚炎、かゆみ、湿疹などに優れた効果を発揮します。
●ステロイドを配合していません。
●お子様の皮膚や、顔・首など皮膚の薄い部位にも使用できます。
●べとつかないのびの良いクリーム基剤です。












1.伸びがよく、白残りしにくいクリームです。
2.ステロイド成分を配合していません。
3.クロタミトンとジフェンヒドラミン塩酸塩が、虫さされ等のかゆみにすぐれた効果を発揮します。
4.グリチルレチン酸が、患部の炎症を緩和します。
5.皮膚の組織修復を助けるアラントインを配合しています。
6.イソプロピルメチルフェノールが、殺菌作用を発揮します。


















ひりひり痛みかさつく肌を効果的に治療します。
しみにくい軟膏タイプ。
パンパス軟膏は、炎症を起こした日やけ、やけどを効果的に治療します。酸化亜鉛が炎症を抑え、保護し、フェノールやイソプロピルメチルフェノールが殺菌・消毒し、化膿を防ぎます。
サリチル酸が角質を軟化、ヨークレシチンが血行を良くし、治りを早めます。
クリームのように柔かく、しみにくい軟膏タイプの医薬品です。












軽度のやけどに
伸びのよい軟膏剤
●きり傷、すり傷、さし傷、かき傷、靴ずれ、軽度のやけどに
●創傷面の殺菌・消毒に
●ご家庭の常備薬として、またスポーツ時や旅行の際の携帯薬に









定番の傷ケアだけではありません。
切傷、すり傷はもちろん、日常で起こる軽度のやけど、
日やけ・雪やけによる炎症など、幅広くご使用いただけます。
特長
1.殺菌力を高めるため、 3つの殺菌有効成分を配合しています。
2.天然ハーブオイル(香料)、動物性油、鉱物油のすぐれた混合基剤を使用。
酸化亜鉛を微粉化しているので肌に白く残りません。
3.ジュクジュク、カサカサの両方の患部に使用できるので、ご家庭の常備薬としてご活用いただけます。






シミ・色素沈着に
●L-システインがビタミンCと協力して、しみやそばかすの原因となるメラニンの生成を抑制。さらに肌の新陳代謝を促し、メラニンの排出を促進することにより、しみ、そばかすや日やけによる色素沈着を緩和します。
●ビタミンCが出来てしまった黒色メラニンを無色化していきます。
●肌をすこやかに導く5種のビタミン(E、B2、B6、B3、パントテン酸カルシウム)配合









*全身倦怠(疲れ・だるさ)のことをさします。
こんな方におすすめ/こんな時におすすめ
●シミだけでなく、疲れ※も改善したい方
※全身倦怠(疲れ・だるさ)のことをさします。
●錠剤の飲みやすさを重視する方
●便利な大容量サイズを求める方









POINT1 高純度アスコルビン酸(ビタミンC)2000mg配合
※純度99%以上
POINT2 シナール史上最大量
充実の有効成分
POINT3 のみやすいゆず風味









●6錠(15歳以上の1日最大服用量)中にビタミンC2,000mg、カルシウム68mgを含みます。
●ナトリウムを含まない、服用しやすい黄色の小型錠です。









日焼けをした後のアフターケア

赤くなる日焼けはやけどの一種であり皮膚にとってよくありません。また、黒くなる日焼けは美容的に気になる方も多いでしょう。日焼けによるダメージを軽減し、症状を和らげるためには、以下のようなアフターケアを行うことをおすすめします。
早めに冷やす
日焼けの症状を和らげるためには、まずは「日焼けした」と感じた時点で早めに冷やすことが大事です。濡らしたタオルに保冷剤や氷を包んで、日焼けが気になる部分に当ててください。
前述の通り、冷やしても赤みや痛みが治まらない場合は、薬を使うのも一つの方法です。それでも改善しない場合や、水ぶくれができるほどの重度の日焼け(やけど)の場合、皮膚以外にも症状がある場合などは、早めに皮膚科などを受診しましょう。
保湿・スキンケアをする
紫外線によるダメージで肌のバリア機能が低下するため、刺激に弱くなったり乾燥しやすくなったりします。肌を保護し、うるおいを与えるために、十分な保湿を行いましょう。
化粧水は、日焼けによって失われた水分を補給するように、たっぷりと使いましょう。肌が敏感になっていることが多いので、強くパッティングするのではなく、やさしくなじませるのがポイントです。普段使っているアイテムで刺激を感じる場合は、敏感肌用や、低刺激のものを選んでください。
<保湿におすすめの市販薬>
のびが良く、部分的にも広範囲にも塗り広げられる油中水型(w/o型)クリームタイプです。
●使いやすいワンタッチキャップ採用
●ステロイド無配合
●無着色






水分・栄養を補給する
日焼け後は体から水分が失われる傾向があるので、十分な水分補給も大事です。肌を修復するために栄養も消費されていくので、健やかな肌づくりに貢献するビタミンCやEは特に意識して摂取しましょう。
ビタミンCはシミの抑制や淡色化、コラーゲンの生成促進など、ビタミンEはターンオーバー促進が期待できます。多く含まれる食材の例は以下の通りです。
- ビタミンC:キウイ、レモン、ピーマン、ブロッコリー、ケール青汁など
- ビタミンE:アーモンド(ナッツ類)など
こんなときは受診を

日焼けはやけどの一種なので侮れません。薬を使っても改善しない場合や、悪化してしまった場合、症状の範囲が広い場合、水ぶくれができるほどの重度の日焼け(やけど)の場合は早めに皮膚科を受診しましょう。
また、重症のケースでは、発熱、悪寒、頭痛、嘔吐、倦怠感、脱力などの全身症状が現れることもあります。稀ではありますが、失神や重度の低血圧といったショック状態に陥ることもあるため、皮膚以外に症状がある場合も早めの受診が必要です。
まとめ
日焼けをすると、炎症によってほてり、赤み、ヒリヒリとした痛みなどの症状が現れます。ひどいと水ぶくれになったり、頭痛や吐き気などの症状が出ることもあるため、薬では対処しきれないような症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。
また、黒くなったり、将来的なシミにつながったりするなど、美容面でもさまざまなデメリットがあります。そのため、日焼けをしたら、冷やす、保湿をはじめとするスキンケアをするといった心がけも大事です。もちろん、日焼けをしないために、事前に日焼け止めを塗るなどのUVケアをしておくこともポイントです。