薬剤師が解説!イブ(EVE)シリーズ徹底比較(頭痛、生理痛などに)

イブ(EVE)シリーズの痛み止めには、いくつかの種類があります。それぞれの特徴や成分が異なりますので、詳しく解説します。
主成分も大切ですが、解熱鎮痛成分以外のその他の配合成分にも注目すると自分にあったイブ(EVE)を見つけられます。パッケージや商品名の雰囲気などで商品を選ぶのではなく、成分の違いから自分にあった商品を選ぶと良いでしょう。


※掲載している商品の選定、商品画像や価格、特徴、対応レベル目安などはCureBellの情報を基にしており、監修者によるものではありません。
目次
イブ(EVE)に含まれる主な成分
イブシリーズに含まれている成分について解説します。


解熱鎮痛成分
熱を下げたり、痛みをとったりする働きを目的に配合される成分です。イブシリーズは、全ての商品にイブプロフェンが配合されており、イブスリーショットプレミアムにはさらにアセトアミノフェンをプラス配合しています。
胃保護成分
胃を保護する働きを目的に配合される成分です。代表的な成分として、酸化マグネシウムなどがあります。
催眠鎮静成分
痛みをしずめる効果の補助を目的に配合される成分です。代表的な成分として、アリルイソプロピルアセチル尿素などがあります。
催眠鎮静成分を配合するお薬を服用後は、眠気が起きるおそれがあるため、車などの運転は不可となります。
カフェイン
痛みをしずめる効果の補助を目的に配合される成分です。
イブ(EVE)シリーズの違い
イブシリーズの主な違いについて解説します。
1.イブA錠
- イブシリーズの定番商品、大容量(90錠入りなど)も販売
イブA錠は、痛みや発熱のもと(プロスタグランジンの生成)を抑制する鎮痛成分イブプロフェンを配合。
*腰痛・肩こり痛・咽喉痛・頭痛など
特長2 小粒で飲みやすい
小型の錠剤をフィルムコーティングすることで、喉にひっかからず飲みやすく、苦みを感じない錠剤になっています。















2.イブA錠EX
- イブプロフェンを最大量※配合(200mg /1回量)
- ※1回量中、イブ解熱鎮痛薬シリーズで最大の200mgを配合
さらにその鎮痛効果を高めるアリルイソプロピルアセチル尿素と無水カフェインを配合した製剤です。
こんな方におすすめ/こんな時におすすめ
つらい生理痛にお悩みの方
よく効く鎮痛剤をお探しの方
大きい錠剤をのむのが苦手な方















3.イブクイック頭痛薬
- 胃を保護する成分を配合
つらい頭痛に「速く効く」
イブクイック頭痛薬は、つらい頭痛に速く効果を発揮する独自処方。
特長2
「胃を守る」成分も配合
酸化マグネシウムを配合することで、胃酸を中和し鎮痛成分の吸収を促進、同時に胃粘膜を保護します。
頭痛に対して素早い効果と胃へのやさしさの両立を可能にしました。















4.イブクイック頭痛薬DX
- イブプロフェンを最大量※配合(200mg /1回量)
- 胃を保護する成分を配合
- ※1回量中、イブ解熱鎮痛薬シリーズで最大の200mgを配合
※速攻:早めに対処すること
特長1 速く効く:独自の技術が速い溶出を実現
特長2 鎮痛成分イブプロフェンを最大量200mg*1に効果を高める成分を配合
特長3 胃を守る:胃腸薬成分(制酸剤)の酸化マグネシウムを配合
鎮痛成分イブプロフェンを最大量200mg*1と酸化マグネシウムを同時配合。さらに鎮痛成分の効果を高める成分を2種類配合することで、高い効果を実現しました。















5.イブスリーショットプレミアム
- イブプロフェンをほぼ最大量※を配合(195mg /1回量)
- さらに解熱鎮痛成分アセトアミノフェン、胃を保護する成分を配合
- 催眠鎮静成分が無配合で車などの運転が可能
- ※1回量中、イブ解熱鎮痛薬シリーズでほぼ最大の195mgを配合
よく効く・速く効く。















イブシリーズ内のおすすめ
よく効く・速く効く。
イブスリーショットプレミアムはおすすめできるポイントが多い
イブスリーショットプレミアムは、主に2つの点でおすすめできる商品です。
- ① 解熱鎮痛成分を2種類配合
- ② 眠気が起きるおそれがある成分は無配合
①解熱鎮痛成分を2種類配合
イブプロフェンをほぼ最大量※①配合(195mg /1回量)しているだけでなく、作用が異なる解熱鎮痛成分であるアセトアミノフェンも配合しております。
イブプロフェンとアセトアミノフェンを歯科処置後に1回併用することで、歯科の鎮痛軽減効果が得られた海外の報告※②もあります。
※①1回量中、イブ解熱鎮痛薬シリーズでほぼ最大の195mgを配合
※②Menhinick KA, et al:The efficacy of pain control following nonsurgical root canal treatment using ibuprofen or a combination of ibuprofen and acetaminophen in a randomized, double-blind, placebo-controlled study.Int Endod J,37:531-541,2004
②眠気が起きるおそれがある成分は無配合
イブシリーズのほとんどが、催眠鎮静成分を配合しており、自動車等の運転ができない商品が多いです。一方で、イブスリーショットプレミアムは、自動車等の運転が可能です。また運転しなくても大事な試験や会議、プレゼンがあるなど、眠気を避けたい場合はおすすめです。
コスパを重視したい方はイブA錠やイブA錠E Xがおすすめ
販売価格は、店舗によって異なるものの、イブA錠は大容量が販売されており、量販店でも特売されやすく、1回服用あたりのコストは低めな傾向が多いです。
またイブEX錠も比較的価格は安めで、イブプロフェンを最大量※(200mg /1回量)服用できることから、コスパが良いと言えるでしょう。
※1回量中、イブ解熱鎮痛薬シリーズで最大の200mgを配合
<イブシリーズの選び方>




イブシリーズ以外がおすすめの方

ここまでイブシリーズについて解説してきましたが、他の商品を選択したほうが良い方もいます。イブシリーズ以外の商品をおすすめする方について解説します。年齢や体質、その時のお身体の状態などで自身にあったお薬を選択できると良いでしょう。
カフェインが苦手な人や避けたい方
イブシリーズは、無水カフェインを配合しているものがほとんどです。カフェインが苦手な方や避けたい方、また食品などでカフェインを多く摂取している場合はカフェイン無配合の商品を選ぶと良いでしょう。
※一部店舗では、イブ錠(カフェイン無配合)が販売されています。
15歳未満の方
イブシリーズに配合される解熱鎮痛成分のイブプロフェンは、15歳以上から使用できる成分です。15歳未満の方が服用する場合は、アセトアミノフェンなどが配合された商品を選ぶと良いでしょう。解熱鎮痛成分のアセトアミノフェンは、医療用で「カロナール」の名で知られる商品です。
妊娠中の方
イブシリーズに配合される解熱鎮痛成分のイブプロフェンは、出産予定日12週以内の妊婦への服用はできません。妊娠中の場合は、まずは主治医に相談するようにしましょう。
イブシリーズと他商品の違い
イブシリーズに配合されるイブプロフェンとよく比較される成分について解説します。
イブプロフェンとロキソプロフェン
イブシリーズに配合される解熱鎮痛成分「イブプロフェン」とロキソニンシリーズに配合される「ロキソプロフェン」は、どちらも熱を下げたり、痛みをとったりする働きとしては、効き目が良い成分です。
よく比較されますが、実は明確な比較データはなく、効き目には個人差があります。
イブプロフェンとアスピリン(アセチルサリチル酸)
バファリンAに配合される解熱鎮痛成分「アスピリン(アセチルサリチル酸)」も熱を下げたり、痛みをとったりする働きとしては、効き目が良い成分ですが、動物実験においては、イブプロフェンの方が強力な抗炎症作用、鎮痛作用を発揮することが認められています※。ただし解熱鎮痛薬のバファリンシリーズの配合成分は、アスピリンやイブプロフェン、アセトアミノフェンなど様々な商品があるため、注意してください。
※ブルフェン 医薬品インタビューフォームより
解熱鎮痛薬の正しい使い方
発熱や頭痛、生理痛などで普段から利用している方が多い解熱鎮痛薬ですが、誤った使い方により十分な効果を得られなかったり、副作用などのリスクが高まったりします。正しい使い方を理解し、不快な症状に対する安全で有効な手段として、上手に活用しましょう。
服用タイミング
痛みの症状が出始めたと思った時に早めに服用しましょう。痛みを我慢している間に、痛みの原因物質が大量に分泌されてしまいます。その後に薬を服用しても、薬の効果を感じるのに時間がかかったり、効果を実感しづらくなったりします。
ただし、痛みがない時に予防で服用することや痛みを我慢することはおすすめできません。生活の質をあげるために、適切なタイミングで解熱鎮痛薬を上手に利用することが大切です。
使いすぎはリスクに
解熱鎮痛薬の使いすぎが原因で起きてしまう頭痛(薬物乱用頭痛)があります。目安として、月に10日以上、自己判断で解熱鎮痛薬を服用している人は、医療機関を受診し、頭痛の原因や対処法について相談したほうが良いでしょう。
こんな症状は受診を

以下に1つでも当てはまる場合は、医療機関を受診しましょう。
発熱の場合
- 急激な高熱
- 発熱に加えて下痢・発疹・胸痛・腰痛・動機などがある
- 微熱などが長く続く、繰り返している
頭痛の場合
- 最近頭部外傷を経験した
- 突然発症した頭痛
- 仕事などが継続できないほどの頭痛
- 今まで経験したことのない頭痛
- 吐き気やめまいを伴う
- 足が動かしにくい
- 小児、または50歳以上で初めて頭痛を経験
生理痛の場合
- 生活に支障が生じるほどの強い痛み、あるいは徐々に悪化している
- 普段と違う不規則な出血や多量の出血がある、血の塊が見られる
- 鎮痛薬を服用しても効果がない
- 下腹部売痛以外の症状(頭痛や吐き気、めまいなど)を伴う
- 月経周期でないときも下腹部痛や腰痛がある