薬剤師が教える!疲れ目・かすみ目におすすめの目薬
目の疲れやかすみがあると仕事や運転に支障が出ることもあり、そのようなつらい目の症状は早くどうにかしたいですよね。
目薬にはさまざまな種類があり、疲れ目以外にも、充血、ドライアイ、かゆみなどのアレルギー症状、ものもらいといった感染など、効果は多様です。そのため、自分の目の状態にあった目薬を選ぶことが大事です。
この記事では、疲れ目・かすみ目の症状を緩和する市販薬について、おすすめ商品や選び方を詳しく解説します。
大手ドラッグストアでOTC(市販薬)を中心としたヘルスケア製品の接客販売や、メガベンチャー企業でオンライン診療事業の管理薬剤師を経験後、ウィルベース株式会社に入社。
現在は当サイト「CureBell」の運営・コラム作成、OTC・サプリメント等のリサーチ活動を務める。
そもそも目の疲れ・眼精疲労って何?
スマートフォンやパソコンを長時間使うなどして目を酷使したり、目が乾燥したりすると、目に疲労がたまりかすみ目などの疲れ目の症状が出ます。
目が疲れる原因を排除して少し休めばよくなるような一時的なものならあまり気にする必要はありません。しかし、目を休めたり、睡眠をとったりしてもなかなか治らなければ、「眼精疲労」と呼ばれる状態になっています。
目の痛みや充血、目やに、涙が出るといった目の症状だけでなく、肩こり、頭痛、吐き気、めまい、倦怠感、食欲不振などが生じることもあります。
なお、一時的な目の疲れはもちろん、眼精疲労も目薬で改善を目指すことができます。
目の疲れ・眼精疲労の原因
眼精疲労の主な原因は目の使い過ぎです。特にスマホやパソコンの使い過ぎは、目の疲れの大きな原因となります。
また、ドライアイや老眼、老化、睡眠不足の他、緑内障、白内障などの目の病気によって引き起こされることがあります。
市販の目薬のメリット
市販の目薬には、医療用と同じような成分が含まれているものも多く、目の疲れやかすみに対して効果がある商品が多数あります。そのため、病院に行くほどではないけれど、手軽に症状を改善したいときの心強い味方となります。
ただし、しばらく使っても変化がない場合は眼科受診を検討しましょう。
目の疲れ・かすみに対する市販の目薬の選び方
目の疲れやかすみをピンポイントで改善したいときは、ピント調節機能改善成分とビタミンB12配合の目薬がおすすめです。さまざまな症状に同時に効果が期待できるよう、複数の有効成分が入っている目薬も多いです。
ただ、目薬にも副作用のリスクはあるため、自分にとって不要な成分は入っていないもののほうがよいでしょう。
ここからは、目の疲れ・かすみに対する市販の目薬の選び方をご紹介します。
疲れやかすみに対応した成分
目の疲れやかすみには、ビタミンB12(メコバラミン、シアノコバラミン)、ネオスチグミンなどのピント調節機能改善成分が含まれている商品を選ぶとよいでしょう。
ビタミンB12やネオスチグミンは人がものを見るときに使っている筋肉(毛様体)に作用し、目のピント調節機能を改善することで、眼精疲労の症状を改善します。
また、ビタミンB12を配合している目薬はピンク色のものが多いのが特徴です。
疲れやかすみ以外の症状で選ぶ
疲れやかすみに加えて他の症状もある場合は、症状に合った成分も配合された目薬を選びましょう。
充血や赤みがある:血管収縮成分配合
目に充血や赤みがあるときは、目の栄養・酸素不足などさまざまな原因によって目の血管がふくらんでいます。充血や赤みをすぐとりたい場合は、血管を収縮する成分が配合された目薬を選びましょう。
主な成分としては、テトラヒドロゾリンやナファゾリンがあります。ただし、使いすぎるとかえって症状が悪化することもあり、注意が必要です。
商品を選ぶ際の目安として、血管収縮成分が配合されている目薬は「第2類医薬品」に指定されているので、血管収縮成分の使用は避けたい場合など目薬を探す際の参考にしてみてください。
目の乾きがある:ビタミンA・コンドロイチンなど
ビタミンA(レチノール)は角膜の修復や、涙の質を正常にすることで、目の乾きを軽減させる成分です。コンドロイチンは、眼のうるおいを保ち、角膜表面を保護します。
使い心地で選ぶ
目薬を点したときに清涼感があるほうがよいのか、刺激が少ない方がよいのかによって、清涼成分配合か無配合かを選びましょう。
清涼感のあるもの(クールなさし心地)がよい:清涼成分配合
すーっとする清涼感、爽快感がほしい場合は、清涼成分配合の目薬を選びましょう。清涼成分には、l-メントール、dl-カンフルなどの成分があります。
疲れているときや、眠気を覚ましたいときに使うのもおすすめです。
刺激が少ないもの(マイルドなさし心地)がよい:清涼剤を避ける
清涼成分は刺激を感じるので、刺激がない方がよいときは避けましょう。
また、清涼成分は成分欄ではなく添加物の欄に記載されていることもあるので注意しましょう。
種類 | 主な成分 | 期待できる効果 |
---|---|---|
ピント調節機能改善成分 | ネオスチグミン | 目のピント調節機能を改善 |
ビタミン12 | 目の調節機能を改善し、眼精疲労の症状を改善 | |
血管収縮成分 | テトラヒドロゾリン、ナファゾリン | 血管を収縮させ、充血や赤みをとる |
ビタミンA、うるおい成分 | ビタミンA、ヒアルロン酸ナトリウム、人工涙液 | 目の乾きを軽減 |
清涼成分 | l-メントール、dl-カンフル | 清涼感、爽快感 |
コンタクトレンズへの対応有無で選ぶ
市販の目薬は、細菌が増殖しないようにベンザルコニウムなどの防腐剤を含んでいることが一般的です。防腐剤は角膜を傷つけてしまうこともあり、コンタクト用の目薬にはこのような防腐剤は配合されていません。
また、目薬の中には、血管収縮成分が配合されているものもありますが、血管が収縮すると血流が悪くなり、目の細胞に酸素が行き渡りにくくなることから、コンタクト用の目薬には血管収縮成分は配合されていないことが一般的です。
いずれにせよ、商品のパッケージや添付文書をみて、使用可否、使用可能なコンタクトの種類を確認することが大切です。
目の疲れに飲み薬?
今回は目薬を主なテーマとしてご紹介していますが、実は目の疲れに効く市販の飲み薬(ビタミン剤)も存在します。
眼精疲労に効く飲み薬には主にビタミンB12が配合されています。ビタミンB12は、神経細胞の機能を正常に保つとされており、不足すると眼精疲労につながることがあります。逆に、ビタミンB12を補えば、目の疲れの解消につながると考えることができます。
他にもビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンEなどが配合されているものも多く、それらは筋肉痛や関節痛、神経痛にも効果があります。
普段からパソコン作業(デスクワーク)などで同じ姿勢でいることが多い場合、血流が悪くなり肩こりや腰痛などの症状が出やすくなります。目の疲れだけではなく、肩こりや腰痛なども併発しているときは、飲み薬の使用も検討しましょう。
<目の疲れ・かすみに対応した目薬の選び方>
目の疲れ・かすみに対するおすすめの市販薬
ここからは、前述した選び方をもとに、目の疲れやかすみに対しておすすめしたい市販の目薬を紹介します。
ピント調節機能改善成分を配合した目薬
目の疲れやかすみがあるときは、まずピント調節機能改善成分を配合した目薬を選びましょう。以下のような目薬があります。
赤いビタミンB12配合
新サンテドウαは、遠近調節を行う目の筋肉(毛様体筋)のはたらきを活発にする赤いビタミンB12や、目の表面(角膜)を保護して労わるコンドロイチンなどの有効成分をバランス良く配合し、目の疲れや眼病予防に効果を発揮します。
疲れやすくなった目は、ビタミンなど栄養を与えてケアすることが大切です。
サンテ40プラスは、目の機能を活性化する栄養成分(ビタミン・アミノ酸)など5つの成分が疲れ目やかすみ目に効果を発揮する目薬です。
「ロート ゴールド40」は、中高年の目の悩みに着目した目薬です。6種類の有効成分を全て最大濃度配合*1し、つらい目のかすみ*2・疲れを効果的に改善します。中高年層や、パソコン操作などによって目が疲れがちな方におすすめ。疲れ目をリフレッシュ、すっきり爽快なさし心地です。
*1:一般用眼科用薬製造承認基準の最大濃度配合
*2:目やにの多いときなど
ピント調節機能改善成分と血管収縮成分配合の目薬
目の充血や赤みも気になるときは、血管収縮成分を配合した目薬を選びましょう。ピント調節機能改善成分と血管収縮成分を含む目薬には以下のようなものがあります。
※1 一般用眼科用薬製造販売承認基準の最大濃度配合(承認基準とは厚生労働省が承認事務の効率化を図るために定めた医薬品の範囲のこと) :ビタミンB12、ネオスチグミンメチル硫酸塩、コンドロイチン硫酸エステルナトリウム、クロルフェニラミンマレイン酸塩、塩酸テトラヒドロゾリン、グリチルリチン酸二カリウム
※2 毛様体筋
酷使して蓄積したつらい疲れ目を直す!
※ロート製薬の目薬として最多有効成分配合
◆国内最多12有効成分配合
現代人の疲れ目を科学し、その原因に多角的にアプローチ
◆角膜保護成分 高分子コンドロイチン配合
角膜を覆って保護し、疲れを改善します。
サンテFX Vプラスは、ビタミン・アミノ酸などの栄養成分をはじめ、7種の有効成分を充実配合。
目に栄養を与え、組織代謝を促進し、目の疲れ・充血を効果的に改善します。
さらに、突き抜ける爽快感が瞳に冴えわたり、瞳をリフレッシュ!!
栄養爽快系目薬サンテFX Vプラスが、働き続けるあなたの瞳をサポートします。
目の渇きも気になるときの目薬
目の乾きも気になるときは、ピント調節機能改善成分に加えてビタミンAなどの目の渇きを潤してくれる成分が配合されている目薬を選びましょう。以下のような目薬があります。
目に大切な4つの栄養素を直接与え、目の疲れ・目のかすみ等を効果的に改善する目薬です。
「天然型ビタミンE」が血行を促し、目の疲れを緩和。「ビタミンB6」が目の細胞の代謝を促し、疲れ目を改善します。
また、「コンドロイチン硫酸エステルナトリウム」が目の角膜表面を保護し眼病を予防。
さらに「L-アスパラギン酸カリウム」が、目に酸素を取り込んで目の疲れを癒します。
清涼成分が配合されていない目薬
ピント調節機能改善成分配合で清涼成分が配合されていない目薬には以下のようなものがあります。
コンタクトに使える目薬
ピント調節機能改善成分配合で、コンタクトにも使える目薬には以下のようなものがあります。
疲れた目の組織代謝を促進するビタミンB6も最大濃度配合*2し、使い続けた目の疲れを改善します。
*1 ネオスチグミンメチル硫酸塩・ビタミンB12
*2 一般用眼科用薬製造販売承認基準の最大濃度(承認基準とは厚生労働省が承認事務の効率化を図るために定めた医薬品の範囲のこと)
すっきり爽快なさし心地。
目の疲れに効く3つの有効成分最大濃度※配合。
ビタミンB6、ビタミンB12、ネオスチグミンメチル硫酸塩の3つの有効成分が酷使した目の疲労を改善します。
※一般用眼科用薬製造販売承認基準内
飲み薬
ナボリンSには、筋肉疲労に効果のあるビタミンB1、血行不良を改善するビタミンE、末梢神経のダメージを修復する活性型ビタミンB12(メコバラミン)を配合。
メコバラミンは4種類あるビタミンB12の中でも、体内で利用されやすく、末梢神経に直接作用する活性型のビタミンB12です。
また、メコバラミンの働きを強化する葉酸も配合し、神経修復力を高め、“もんでも楽にならないコリ”として感じるつらい肩こり、腰痛や目の奥がジンジンする眼精疲労によく効きます。
市販の目薬を使う時の注意点
最後に、市販の目薬を使う時の注意点、病院受診が必要なケースなどについて解説します。
目薬を他の人と共有しない
目薬を他の人と共有すると、ウイルスや細菌の感染を広げてしまう恐れがあります。目薬を点すときに容器が目の周辺に触れたり、容器の中に涙などを吸い込むことは、気づかないうちに起きています。
特に感染の症状がなくても、不衛生であることは間違いないので共有は絶対にやめましょう。
点したらまばたきではなく目を閉じる
目薬を点したらまばたきをする人が多いと思いますが、実はこれは成分が流れてしまうためNG。目薬を点したら、目薬の成分が行きわたるように、目頭を押さえて目を閉じましょう。
なお、まばたきをすると、目薬の成分はのどのほうに流れていくことが多いです。こうなると、目に対する十分な効果が期待できないだけでなく、体に悪影響を及ぼすこともあるため注意してください。
中には妊娠中・授乳中使用できないものがある
妊娠中や授乳中でも使用に問題ない目薬が多いですが、使用できないものもありますので注意しましょう。使用前には必ず注意書きをよく読み、不安なときは担当医や薬剤師に相談しましょう。
病院受診が必要なケースもある
目の異常の中には、失明のリスクがある病気にかかっていたり、脳に異常が生じていることがあったりします。そのため、以下のような症状がある場合は早めに眼科を受診しましょう。
- 強い痛み、かゆみ、違和感がある
- 数分以上片目の視野が狭くなった・見えなくなった(網膜中心動脈閉塞症の恐れあり)
- 上記が両目で起こった(脳梗塞、脳腫瘍などの恐れあり)
- ケガや目にゴミ(異物)が入ってしまったなどの物理的なきっかけで目に異常が生じた
- 緑内障の治療中など目の病気で病院の目薬を使っている
- 糖尿病、シェーグレン症候群と診断されている