薬剤師が教える!シミやそばかす・肝斑におすすめの市販薬

更新日: 2024年08月29日

シミとは、黒色メラニンが過剰に蓄積し、肌が部分的に茶色にみえる状態をいいます。シミの大きな原因としては紫外線などがあり、肌が紫外線にあたると、メラノサイト(シミを作る工場)からメラニン(シミの素)が生成されます。通常メラニンは肌のターンオーバー(代謝)によって排出されるのですが、紫外線を浴び続けて大量のメラニンが生成されたり、肌のターンオーバーが正常に働いていなかったりすると、肌のターンオーバー(代謝)が追いつかなくなりシミになります。今回はシミやそばかすなどについての薬の選び方や対策について解説します。

この記事の監修者
鈴木 伸悟
薬局に勤務する現役薬剤師。横浜市西区薬剤師会理事。大手ドラッグストアでの勤務を経験後、処方せん調剤を主体とした保険薬局にてOTC医薬品の販売に取り組む。また、薬剤師や医薬品登録販売者向けにOTC医薬品の役立つ情報をSNSで発信するほか、メディア出演、全国各地での講演会、日経DIプレミアムでは連載を持つなど多方面で活動している。著書『薬局OTC販売マニュアル 臨床知識から商品選びまで分かる(日経BP)』... 続きを読む

シミやそばかすなどの種類と対処

シミと言っても様々な種類があり、それぞれで原因や対処法も変わってきます。

シミの種類

シミの種類は大きく4種類に分けられます。

日光黒子(にっこうこくし)※老人性色素斑ともいう

紫外線が原因となる日光黒子は、特に中高年以降に多くなる一般的なシミのタイプです。顔以外にも露出の多い部位に多くみられます。対処としては、日焼け止めやスキンケアなどの紫外線に対策をすると良いでしょう。

雀卵斑(じゃくらんはん)

遺伝の原因が強く、3歳頃から思春期にかけて目立つようになる雀卵斑は、一般的に「そばかす」と言われています。鼻や頬などに多く見られるシミです。遺伝が原因とは言え、紫外線で悪化しますので、紫外線対策を行うことは大切です。

炎症色素沈着(えんしょうしきそちんちゃく)

ニキビや肌の炎症が原因となる炎症色素沈着は、年齢や性別、部位などに関係なく、肌の炎症が治った後にあらわれます。時間が経過すると、ターンオーバー(代謝)とともに徐々に薄くなることが多いです。

肝斑(かんぱん)

女性ホルモンのバランスの乱れが原因となる肝斑は、女性の顔に多く見られます。また紫外線だけではなく、妊娠や経口避妊薬などでも症状が悪化、あるいは誘発されます。市販薬の肝斑専用薬での対処がおすすめです。

シミの対処法

シミなどの対処法は紫外線対策などの予防だけではありません。シミができた後はお肌のターンオーバー(代謝)を助けることを目的に市販のビタミン剤などを利用するのも1つの選択肢となります。

代表的な成分「ビタミンC」

シミやそばかす対策に代表的な成分として、ビタミンCがあります。ビタミンCはシミなどの原因となるメラニンの色素沈着を抑える作用をもちます。

ビタミンCを配合した市販薬は豊富な種類が販売されておりますが、より効果を求める場合は、ビタミンCの1日最大量(承認基準内)である2,000mg配合したものを選ぶと良いでしょう。

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ターンオーバー(代謝)を促進する「L-システイン」

L-システインは皮膚の色素沈着をもたらすメラニン色素の生成を抑えるだけでなく、ターンオーバーを促進し、メラニンの排出を早めます。

市販薬では、単剤は販売されていないため、一緒に配合されているビタミンCの量やその他の成分を考慮して商品を選ぶと良いでしょう。

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肝斑の場合の対処法

シミが肝斑の場合はトラネキサム酸を配合した内服薬などが特に有効となります。市販薬では、肝斑専用の改善薬である「トランシーノEX」が販売されています。

トランシーノEXの主成分であるトラネキサム酸は、抗プラスミン作用や抗炎症作用があり、医療用医薬品(病院で処方されるお薬)では咽頭痛(のどの痛み)などに用いられる成分です。

肝斑は、皮膚の内外から女性ホルモンや紫外線などの刺激を受けることで、 メラノサイト活性化因子(シミを作る工場を活性化する因子)が色素細胞に作用し、メラニン(シミの素)の産生を促して発症すると考えられています。プラスミンは色素細胞を活性化する因子の1つと考えられており、抗プラスミン作用があるトラネキサム酸の服用により色素細胞の活性化を阻害し、メラニンの生成を抑えることが期待されています。

そのシミは肝斑??

肝斑の特徴は顔に左右対称、同じ大きさで生じる色素斑(シミ)で、30~40代の女性に好発するのが特徴です。特に頬骨辺りの比較的広範囲に、輪郭が不明瞭な形で広がるとされます。目の周囲にはできず、皮膚の色素が抜けたように見えることもあると報告されています。

トランシーノEX購入時に確認すべき主なポイント

トランシーノEXは第一類医薬品の為、購入および服用時に注意すべき事項が他の薬よりも多いです。心配な方は医師、または薬剤師に相談して購入することをおすすめします。

服用できない人

  • 透析療法を受けている

  • トラネキサム酸を含有する内服薬を服用している

服用に注意が必要な人

  • 妊娠中、授乳中の人

  • 55歳以上の人

  • 血栓症のある人、または起こす恐れのある人

  • 腎臓病の人

  • 患部の色が黒ずんでおり、色調が不均一で表面が隆起したようなしみ状である

  • 肝斑かどうかの識別が難しい人

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症状によっては受診を

トランシーノEXはあくまで肝斑に限った治療薬です。肝斑以外のシミの場合にはビタミンC含有の市販薬が選択肢になる他、シミの形がいびつであったり、色むらがあるなど、市販薬で対応可能なシミ以外の疾患が疑われる場合には、専門家への相談、皮膚科を受診するようにしましょう。またこれら以外にも皮膚科を受診したほうがいいケースがあるので、確認しておくと良いでしょう。

このような症状は医療機関を受診しましょう

どのくらい飲めば効果がある?

トランシーノEXは用法用量を守ることを前提に、効果がわかる目安である1カ月程度は少なくとも服用しましょう。製薬会社のウェブサイトには、臨床試験の結果が公開されていますので、参考にしてください。

  • 1か月服用した場合の改善率:約63%

  • 2か月服用した場合の改善率:約85%

  • ※2か月間の服用がおすすめ
    ※ただし、2か月を超えて続けて服用できませんので、服用前に用法用量を必ず確認ください

※参考:第一三共ヘルスケア

また効果を実感しやすいように服用開始前と後で定期的に写真を撮って比較すると良いでしょう。効果を実感し、服用継続を希望される方もいらっしゃいますが、2か月以上続けて服用した場合の有効性・安全性については、十分なデータが確認できていないため、2か月以上は続けて服用することができません。

なお服用を途中でやめた後に、再び服用を開始する場合は最低2か月間、間隔を空ける必要があります。トランシーノEX服用後に強い頭痛や舌のもつれ、長く続く胸痛、ふくらはぎの痛みなど、血栓症の初期症状が疑われる症状が表れた場合には直ちに服用を中止してすぐに医療機関を受診するようにしましょう。

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【選び方別】シミやそばかすなどに効くおすすめの市販薬

ビタミンC 2,000mg配合(承認基準内1日最大量)

シナールEX pro 顆粒
税抜価格 1.3g×52包・2,780円
第3類医薬品
第3類医薬品

しみ、そばかす、疲労時に
ネオビタC錠「クニヒロ」
税抜価格 300錠・3,400円/300錠・3,400円
第3類医薬品
第3類医薬品

ビタミンC2000mg、ナトリウムフリーのビタミンB2配合製品
ハイシー1000
税抜価格 2g×24包・1,280円/2g×48包・2,300円/2g×84包・3,680円
第3類医薬品
第3類医薬品

しみ・そばかすに 疲れたときのビタミンC補給に
ビタミンC「2000」
税抜価格 100錠・1,600円/300錠・3,700円
第3類医薬品
第3類医薬品

ビタミンCとビタミンB2を配合したビタミンC製剤

ビタミンC+L-システインを配合

ビタミンC 500mg

ハイチオールCプラス2
税抜価格 60錠・1,500円/180錠・4,200円/270錠・5,500円
第3類医薬品
第3類医薬品

シミと疲れを代謝の力で改善する
ハイチオールCホワイティア
税抜価格 40錠・1,650円/120錠・4,500円
第3類医薬品
第3類医薬品

一点のシミも許したくない人に

ビタミンC 1,000mg

トランシーノ ホワイトCクリア
税抜価格 60錠・1,600円/120錠・2,600円/240錠・4,200円
第3類医薬品
第3類医薬品

体の内側からしみ・そばかすを薄く

ビタミンC 2,000mg

トランシーノ ホワイトCプレミアム
税抜価格 90錠・2,100円/180錠・3,200円
第3類医薬品
第3類医薬品

ワンランク上のしみ・そばかす対策薬

唯一の肝斑改善薬

トランシーノEX
税抜価格 60錠・1,900円/120錠・3,600円/240錠・6,600円
第1類医薬品
第1類医薬品

8週間の服用で、肝斑を改善へ。肝斑改善薬

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シミのときのセルフケアも重要!

シミ・そばかすなどができてからの対処も大切ですが、シミを作らせないように予防することも重要です。

日焼け止めや日中用乳液などの使用

シミの主な原因は紫外線です。紫外線の影響でシミができたり、シミの症状が悪化したりします。その為、まずは紫外線を防ぐ対策を行うと良いでしょう。

紫外線は春から夏に強く感じる方が多いと思いますが、1年中降り注いでいます。紫外線を強く感じるときは日焼け止めや日傘、サングラスなどで対策をしている方も多いことでしょう。一方、秋や冬はケアをしていない方がいらっしゃるようです。日焼け止めや日中用乳液などは年間通して、使用すると良いでしょう。

SPFとは

日焼け止めや日中用乳液にはSPAやPAなどの表記があります。SPAはUVB(紫外線B波)を防ぐ効果の指数です。UVB波は短時間でお肌に赤みや炎症を起こし、シミの原因となる紫外線です。

またSPFの1~50+までの数値はUVB波を防止する時間の長さをあらわしており、数値が大きい方が長時間防ぐことができます。一方で肌への負担も大きくなりますので、適度な強さのものを選ぶと良いでしょう。

PAとは

PAはUVA(紫外線A波)を防ぐ効果の指数です。UVA波は長時間かけて肌の弾力を奪う紫外線です。しわやたるみの原因となります。

「+」から「++++」の4段階で、防ぐ効果をあらわしており、+の数が多い方が防御効果が高いです。

なお日焼け止めなどは汗や水、タオルなどの摩擦等で効果が落ちていきます。その為、適度な強さのものを数時間おきなどこまめに塗りなおすと良いでしょう。

<UV効果の目安>

  • 屋外でのスポーツやレジャー、通勤・通学など:SPA50+、PA++++など数値が高いもの

  • 日常生活(散歩や買い物、屋内):SPA20などの数値が低いもの

毎日のスキンケア

外出前や帰宅時、お風呂の後など日常的なスキンケアも大切です。肌が乾燥していると紫外線の影響を受けやすくなります。外出前は十分な保湿ケアと紫外線対策を、外出後、お風呂の後などは十分な保湿と紫外線ケアを行うと良いでしょう。

規則正しい生活

ストレスや睡眠不足、食生活などがシミの発生や悪化などにも関係しますので、規則正しい生活を心がけましょう。また食事はビタミンCやビタミンEを含んだものを摂ると良いでしょう。ビタミンCやビタミンEはシミ予防に効果的な栄養素です。

こんな場合は受診を

以下に1つでも当てはまる場合は、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。シミ以外の他の病気の場合があります。

  • 痛みやかゆみがある

  • シミがある場所がただれる

  • 日光の当たらない部位にシミができた(お腹や背中など)

  • シミが短期間で大きく目立つようになった