薬剤師が解説!おすすめの口臭ケアサプリメント
最近では、スメハラ(スメル・ハラスメント)という言葉が定着し、体臭や口臭、香水などが周囲の人を不快にさせる原因として問題となっています。つまり、口臭対策は基本的なエチケットの一つといえます。
口臭ケア対策用のサプリもさまざまなものが販売されていますが、どれを選んでいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、口臭の原因についてわかりやすく解説し、自分に合った口臭ケアサプリの選び方を紹介します。
大手ドラッグストアでOTC(市販薬)を中心としたヘルスケア製品の接客販売や、メガベンチャー企業でオンライン診療事業の管理薬剤師を経験後、ウィルベース株式会社に入社。
現在は当サイト「CureBell」の運営・コラム作成、OTC・サプリメント等のリサーチ活動を務める。
目次
口臭の原因と種類
口臭の原因のほとんどは口の中にあると言われています。口腔内の細菌が栄養分を分解してできたメチルメルカプタンや硫化水素、ジメチルサルファイドといった揮発性硫黄化合物がニオイの元です。
メチルメルカプタンは、腐ったタマネギのようなニオイ、硫化水素は腐った卵のようなニオイ、ジメチルサルファイドは生ゴミのようなニオイを発すると言われます。この中ではメチルメルカプタンが、口臭との関係が特に大きいとされています。
口臭の原因①生理的口臭
生理的口臭は、誰にでもあります。通常、口臭は唾液によってある程度抑えられていますが、起床直後や緊張したときなど、唾液が減少する場面ではニオイの原因物質が増加し、生理的口臭を発生させます。
ニオイの原因となる揮発性硫黄化合物がもっとも多く作られるのは、舌苔(ぜったい)です。舌苔とは、食べ物の残りかすなどが舌に付着して白くなった部分を指します。特に、朝の起床直後は、夜に舌苔が増えるため、1日のうちで最も舌苔の量が多い時間帯です。なお、舌磨きをすることで舌苔が原因となる口臭予防につながります。
口臭の原因②病的口臭
病的口臭は、何らかの病気によって生じる口臭です。病的口臭の約8割は口腔由来のものですが、呼吸器や消化器の病気、糖尿病などが原因となることもあります。
代表的な病気が、歯ぐきや歯を支える骨などが細菌に感染して炎症を起こす「歯周病」です。悪化すると歯ぐきや骨が溶けてしまうこともあります。歯周病の原因菌がつくるメチルメルカプタンなどの揮発性硫黄化合物だけでなく、炎症によってできる膿もニオイの原因となるので注意が必要です。
また、腸内環境の不調によって口臭が強くなることもあります。便秘になると、腸内細菌のうち、悪玉菌が増殖。悪玉菌によってメチルメルカプタンやアンモニアなどの悪臭のもとになるガスが発生すると、血液に溶けて全身に広がり、肺にも到達して呼吸によって排出されます。
口臭の原因③外因的口臭
外因的口臭は食べ物や生活習慣によって起こる口臭です。ニンニクなどのニオイの強い食材を食べると口臭が強くなるのはご存知のとおりです。
また、飲酒や喫煙も外因的口臭の一種です。お酒は肝臓でアセトアルデヒドという物質に分解され、ニオイの原因となります。さらに飲酒や喫煙によって歯周病になるリスクが増大する、という海外での研究結果も報告されています。
口臭ケアサプリの選び方
口臭ケアサプリにはさまざまなものがあるので、成分や安全性などをふまえ、自分に合ったものを選びましょう。選び方のコツは以下の通りです。
成分で選ぶ
口臭ケアサプリを選ぶ際には、口臭の原因に基づき適切な成分を含んでいる商品を選ばなければなりません。サプリに含まれる成分を確認して目的に応じたサプリを選びましょう。ここでは、口臭ケアサプリに含まれている主な成分を解説します。
成分 | 期待できる機能 | 特徴・主成分 |
---|---|---|
シャンピニオン | 腸内環境の改善 | ・マッシュルームのエキス |
乳酸菌 | 悪玉菌の増殖を抑え、腸内環境を改善 | ・善玉菌の一種 |
柿タンニン | 揮発性硫黄化合物を抑制する | ・主成分はポリフェノール |
ローズオイル(ダマスクローズ) | 芳香作用 | ・グラニオールなどの香り成分が含まれる |
緑茶エキス | ミュータンス菌の増殖抑制 | ・主成分はカテキン(ポリフェノールの一種) |
シャンピニオン
シャンピニオンは、マッシュルームから抽出されたエキスのこと。腸内環境を改善し、体臭や口臭の抑制が期待できます。
乳酸菌
乳酸菌は善玉菌の一種で、悪玉菌の増殖を抑え、腸内の環境を良好な状態に保つ役割を担っています。腸内のバランスを整えることで、消化器由来の病的口臭を抑制すると期待されています。
柿タンニン
柿タンニンは、柿から抽出した柿渋(かきしぶ)の主成分であるポリフェノールのことです。口臭の原因物質である揮発性硫黄化合物を抑制するとの研究結果があります。
また、ポリフェノールには、ビタミンCやビタミンEと同じく強い抗酸化作用があり、体内の有害物質である活性酸素を無害化する機能を持っているので、さまざまな生活習慣病や老化の予防にもよいとされています。
ローズオイル(ダマスクローズ)
ローズオイルは、バラの花から抽出された揮発性のオイルのことです。ローズオイルの精製に利用されるバラの種類はいくつかありますが、なかでもダマスクローズは、その質の高い香りから「バラの女王」とも呼ばれ、クレオパトラにも愛用されたそうです。
ローズオイルの香りの元として有名な成分はゲラニオールです。ローズオイルを体内に取り入れると、ゲラニオールなどの香り成分が吸収され、やがて汗や息とともに体から放出され、良い香りを放ちます。
緑茶エキス
緑茶エキスには、ポリフェノールの一種であるカテキンが含まれています。お茶の苦みの元となっている成分です。
虫歯の原因となるミュータンス菌の増殖を抑えることで、虫歯予防と口臭予防が期待できます。その他にも、抗酸化作用や、抗ウイルス作用、コレストロールを下げたり血糖値の上昇を抑えたりすることも知られています。
GMP認証を取得している商品を選ぶ
品質や安全性が担保されている商品を選びたい場合は、GMP認証を取得している工場で製造された商品を選びましょう。
GMPとは、Good Manufacturing Practice(適正製造規範)の略で、原材料の受け入れから製造、出荷まで全ての過程において、製品が安全に作られ一定の品質が保たれるようにするための製造工程の管理基準のことです。GMP認証を取得している商品は、厚生労働省の「健康食品GMPガイドライン」に基づき第三者機関が審査・査察を行った結果、認定を受けた工場で製造されていることが明らかになっています。
また、サプリメントの分類・正しい選び方などサプリメント全般に関する詳しい説明は以下のコラムで解説していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
CureBellでのサプリメントの探し方
CureBell(キュアベル)では目的や商品区分、1日当の価格、栄養成分、GMP・ドーピング認証有無などの項目で簡単にサプリメントの検索・比較ができます。「自分に合ったサプリメントが分からない」「安全に使用できるサプリメントを探したい」そのような方はキュアベルを使って自身にあったサプリメントを選んでみましょう。
おすすめの口臭ケアサプリ
ピンキーフレッシュ LS-1(湖池屋)は、歯周組織の健康が気になる健常な方に適した、乳酸菌LS1が健康な歯ぐきを維持する機能をもつ機能性表示食品の口臭ケアサプリメントです。
デオガード(ディーエイチシー)は、シャンピニオンエキス末250mgに加え、緑茶抽出物などの清爽サポート成分を配合し、さらに、スッキリを後押しする「乳酸菌+酵母」10兆個もプラスした口臭ケアサプリメントです。
アバンビーズ オーラルタブレット(わかもと)は、お口のプロバイオティクスとしてWB21乳酸菌を配合、さらに茶カテキンの中で最も活性が強いエピガロカテキンガレート配合した口臭ケアサプリメントです。
柿渋エチケット(ディーエイチシー)は、柿渋エキス末一日摂取目安量あたり300mg配合、柿渋の成分である柿タンニンが内側からさわやかな生活をサポートする口臭ケアサプリメントです。
香るブルガリアンローズカプセル(ディーエイチシー)は、最高級と名高いブルガリア産の天然ダマスクローズオイルを100%使用、1袋あたりバラの花約850本分の天然香気成分を凝縮した口臭ケアサプリメントです。
口臭ケアサプリを使用するときの注意点
口臭が気になるときは、まずサプリを試すのも一つの方法です。ただ、サプリをしばらく続けても口臭が改善されない場合は注意が必要です。
口臭の原因がニンニクなどを食べたことによる外因的なものや、胃腸の不調などによる場合、口臭ケアサプリはある程度の機能を発揮することが期待できます。ニンニクの嫌なニオイは、芳香成分によって打ち消すことが可能です。胃腸の調子が悪くて口臭がする場合は、整腸作用が期待できるサプリを摂取することで腸内環境が改善し口臭を抑えられる可能性があります。
しかし、サプリは医薬品ではありません。機能は限定的であり、口臭を引き起こしている原因によっては、医療機関の受診が必要です。特に、歯周病や虫歯が口臭の原因となっている場合は、サプリは根本的な解決方法にはならないため、治療を受ける必要があります。
まとめ
スメハラという言葉もよく耳にするようになった昨今、口臭に気を使うのは基本的なエチケットの一つだと言えます。そのため、口臭が気になるときは、口臭サプリの利用を検討しましょう。
口臭は口の中だけでなく、胃腸や生活習慣が原因となっていることもあるなど、原因はさまざまです。自分の口臭の原因を把握し、適切な成分が配合されたサプリを選んでください。ただし、サプリの機能は限定的です。サプリだけに頼るのではなく、必要に応じて生活習慣の改善や医療機関の受診も検討しましょう。