薬剤師が解説!DHA・EPAのおすすめサプリメント
健康維持のために欠かせない栄養素として注目されているDHA(エイコサペンタエン酸)とEPA(ドコサヘキサエン酸)。さまざまなメーカーからサプリが発売されていますが「どんな効果があるの?」「どれを選べばよいのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、DHA・EPAのおすすめサプリを紹介します。選び方や注意点なども解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
大手ドラッグストアでOTC(市販薬)を中心としたヘルスケア製品の接客販売や、メガベンチャー企業でオンライン診療事業の管理薬剤師を経験後、ウィルベース株式会社に入社。
現在は当サイト「CureBell」の運営・コラム作成、OTC・サプリメント等のリサーチ活動を務める。
目次
DHA・EPAとは
DHA(エイコサペンタエン酸)とEPA(ドコサヘキサエン酸)は、DHA・EPAはn-3系脂肪酸(オメガ3系脂肪酸)の一種で、主に魚の油に含まれています。いずれも体内ではほとんど作ることができないため、健康を維持するために重要な栄養素である必須脂肪酸に位置付けられています。
DHA・EPAは血液中の中性脂肪やコレステロールを低下させる効果が期待できます。その結果、脂質異常症を予防し、心筋梗塞・脳梗塞などの生活習慣病を予防する効果があるとされています。また最近では、DHA・EPAと炎症やアレルギーの関係についての研究も活発です。ここからは、DHA・EPAのそれぞれに期待できる効果をさらに詳しく見ていきましょう。
DHAは脳の機能をサポートする
DHAは、からだと脳の健康に欠かせない成分です。体の防御機能を整え、脂肪の燃焼を高めるなどさまざまな働きがありますが、特に脳機能の健康に重要な役割を果たしています。DHAには脳の神経細胞の情報伝達をスムーズにし、脳内の情報の流れをよくする働きが期待できるのです。その結果、記憶力や言語力などの認知機能や行動能力を向上させ、認知症予防が期待できる可能性も報告されています。
EPAは血流を改善する
EPAは主に血流を改善する効果が期待できます。EPAは、HDL(いわゆる善玉)コレステロールを増やし、LDL(いわゆる悪玉)コレステロールや中性脂肪を減らす作用があるためです。血流が悪くなると、体の細胞への栄養補給や老廃物の除去がうまくできなくなります。血圧が上昇したり、血管が詰まったりするリスクも高まり、体の機能低下にもつながるため、注意が必要です。
DHAは妊娠中・授乳中の方にもおすすめ
DHAは体と脳の健康に欠かせない成分ですが、特に妊娠中や授乳中のママに積極的に摂ってほしい栄養素です。DHAが赤ちゃんの発育や、脳の形成にも影響を与えるためです。ここで、日本人の食事摂取基準(2025年版)1日のDHA・EPAなどを含むオメガ3脂肪酸の摂取量の目安を見ていきましょう。
年齢 (歳) | 男性 (g) | 女性 (g) |
---|---|---|
18~29 | 2.2 | 1.7 |
30~49 | 2.2 | 1.7 |
50~64 | 2.3 | 1.9 |
65~74 | 2.3 | 2.0 |
妊婦・授乳婦 | ― | 1.7 |
妊婦・授乳婦は1.7gとされていますが、妊娠可能年齢に該当する女性※の摂取量の中央値は1.61gとなっており、足りていません。また、日本人の1日当たりの魚介類の消費量は年々減少しています。そのため、サプリなどを活用して意識的にDHA・EPAを摂取し補うことが大切です。
※妊娠・授乳をしていない女性の数値
DHA・EPAサプリの選び方
さまざまなDHA・EPAサプリが発売されているため、以下のようなポイントを押さえて、自分に合ったDHA・EPAサプリを選びましょう。
機能性表示食品を選ぶ
DHA・EPAサプリを選ぶときは機能性表示食品の表示があるかどうかを確認しましょう。
DHA・EPAサプリの中には保健機能食品という分類に分けられるサプリメントがあります。保健機能食品はさらに「特定保健用食品(トクホ)」「機能性表示食品」「栄養機能食品」の3つに区分されています。
そのなかで「機能性表示食品」は国の定めるルールに基づき、事業者が食品の安全性と機能性に関する科学的根拠の情報などを、消費者庁長官に届出して機能性を表示することが認められている食品です。機能性に関する科学的根拠があるため、効果が期待しやすいでしょう。
また、サプリメントの分類・正しい選び方などサプリメント全般に関する詳しい説明は以下のコラムで解説していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
含有量で選ぶ
DHAとEPAの配合量をチェックし、それぞれがバランスよく含まれているサプリメントを選ぶのがおすすめです。また、サプリはあくまで日々の食事で不足する栄養分をカバーする目的で摂るものです。前述した目安量をふまえ、自分にとって適切な量のサプリをとりましょう。
なお、DHAやEPAは魚に多く含まれるため、普段から魚を食べる習慣がある方はサプリは少なめにするなど、自分の食生活もふまえて選択・摂取することをおすすめします。
酸化防止成分が入ったものを選ぶ
ビタミンEやアスタキサンチン、セサミンなどの酸化防止成分が入ったDHA・EPAサプリを選びましょう。DHA・EPAはイワシ・サバ・アジなどの青魚を原料としており、とくに酸化しやすい成分だからです。酸化によってサプリが劣化してしまうと、本来の効果が弱まってしまうことがあります。また、酸化によって魚臭いにおいが気になることも。「ニオイが気になる……」という方は、糖衣錠やカプセルのものを選ぶと、においが気にならないケースもあります。
使用目的で選ぶ
あなたの悩みや目的に合わせて、DHA・EPAサプリを選んでください。DHAにもEPAにもコレステロールや中性脂肪を減らす作用が期待できるため、 たとえば、「コレステロールや中性脂肪を減らしたい」場合は、どちらを選んでもよいでしょう。
一方で、「認知機能を維持したい」なら、記憶力や言語力などの認知機能や行動能力を向上させることが期待されるDHAが豊富なサプリメントがよいです。このように、使用目的を明確にしてサプリメントを選べば、期待する効果がより得やすいでしょう。
コストパフォーマンスで選ぶ
DHA・EPAサプリは、続けることで効果が実感できる可能性が高まります。そのため、続けやすい価格と効果的な配合量のバランスが大切です。まず自分にとって必要なDHA・EPAの配合量を確認し、その中でコストパフォーマンスのよいものを選びましょう。
CureBellでのサプリメントの探し方
CureBell(キュアベル)では目的や商品区分、1日当の価格、栄養成分、GMP・ドーピング認証有無などの項目で簡単にサプリメントの検索・比較ができます。「自分に合ったサプリメントが分からない」「安全に使用できるサプリメントを探したい」そのような方はキュアベルを使って自身にあったサプリメントを選んでみましょう。
DHA・EPAのおすすめのサプリ
機能性表示食品
DHA(ディーエイチシー)は、機能性関与成分DHAを510mg、EPAを110mg(一日摂取目安量あたり)配合した機能性表示食品です。血中の中性脂肪値を低下させる機能や加齢に伴い低下する、記憶力を維持することが報告されています。
EPA&DHA(ディアナチュラゴールド)は、中性脂肪を減らす作用のあるEPA、中性脂肪が高めの方の健康に役立つDHAが配合された機能性表示食品です。
スーパーフィッシュオイル(ネイチャーメイド)は、EPA・DHAが血中中性脂肪の上昇抑制をサポートする機能性表示食品です。
その他
EPA×DHA+ナットウキナーゼ(ディアナチュラ)は、現代人の不足しがちな必須脂肪酸であるEPAを簡単補給。積極的に摂りたいEPA、DHAにナットウキナーゼとビタミンEも一緒に摂れるサプリメントです。
DHA&EPA(ファンケル)は、DHAとEPAを合計で500mg配合。さらに酸化しやすいDHAを「オリーブ葉エキス」により守る独自の配合で、4.2倍の吸収量を実現したサプリメントです。
DHA・EPAサプリメントを使用するときの注意点
DHA・EPAは血液中の中性脂肪やコレステロールを低下させる効果などが期待できますが、適切に摂取しないとかえって健康に悪影響を与えることもあります。そのため、すDHA・EPAサプリを使用するときは、以下のようなポイントに注意しましょう。
摂取量を守る
DHA・EPAサプリは、適切な摂取量を守りましょう。DHA・EPAを含む魚油やサプリメントを過剰に摂取すると、血が止まりにくくなったり、下痢ぎみになったり、血液中のLDL(悪玉)コレステロール量が増える恐れがあるからです。
DHA・EPAの1日あたりの安全な上限量は、今のところ決められていません。しかし、FDA(アメリカの厚生労働省のような公的機関)によると、サプリによるDHA・EPAの摂取量は、1日合計2gを超えないようにすることが推奨されています。そのため、記載された摂取量を守り、あくまで普段の食事の不足分を補うという意識で活用しましょう。
持病や常用薬がある方は医師に相談する
持病がある方やほかの薬を内服している方は、DHA・EPAサプリを使用する前に医師に相談しましょう。DHA・EPAは血流に影響を及ぼすことがあるため、血液をサラサラにする薬を内服している方などは適さない場合があります。また、出血のリスクが高まる恐れがあるため、手術を控えている方も注意が必要です。
食後に摂取する
DHA・EPAサプリはいつ摂取してもよいですが、食後に摂取した方が効果的だと考えられています。EPAは脂に溶けやすい成分(脂溶性)なので、食事中や食後に、とくに脂質が多い食べ物と一緒に摂ると、体に吸収されやすくなります。ただ、継続することが何より大切なので、自身の生活リズムに合わせて飲みやすい時間に摂取することを意識しましょう。
まとめ
DHA・EPAは血液中の中性脂肪やコレステロールを低下させ、生活習慣病予防にもつながるとされているなど、健康において嬉しい効果が期待できるものです。DHA・EPAは体内ではほとんど作ることができない必須脂肪酸なので、サプリメントを活用し、効果的に摂取しましょう。
また、DHA・EPAサプリを選ぶなら、DHAとEPAの配合量をチェックし、自分にとって必要な量を摂取できるようにしましょう。続けやすい価格かつ効果的な配合量の、コストパフォーマンスがよいものがおすすめです。そして、ご自身の生活習慣に合わせて、サプリメントを上手に取り入れましょう。