薬剤師が解説!食物繊維のおすすめサプリ

更新日: 2024年11月29日

健康や美容に不可欠なのに、不足しがちな食物繊維。特に便秘・お通じの改善には、食物繊維がとても大切ですが、十分な量を毎日食事からとるのは大変ですよね。そんなときに頼りになるのが、食物繊維配合のサプリメントです。
食物繊維サプリには青汁などに含まれているもの、普段の食事や飲み物に溶かして摂取する粉末タイプなどのものがあり、さまざまな方法で摂取することが可能です。

今回は、食物繊維サプリの選び方やおすすめのサプリ、摂取するときの注意点などについて詳しく解説します。

この記事の監修者
吉田 勝栄
薬剤師
大手ドラッグストアでOTC(市販薬)を中心としたヘルスケア製品の接客販売や、メガベンチャー企業でオンライン診療事業の管理薬剤師を経験後、ウィルベース株式会社に入社。
現在は当サイト「CureBell」の運営・コラム作成、OTC・サプリメント等のリサーチ活動を務める。

食物繊維サプリの選び方



食物繊維サプリにはさまざまなものがあり、どのように選ぶか迷ってしまう方も多いと思います。まずは、食物繊維サプリの選び方の2つのポイントをご紹介します。

トクホや機能性表示食品かどうかで選ぶ

食物繊維サプリを選ぶときは保健機能食品の表示があるかどうかを確認しましょう。

食物繊維サプリの中には保健機能食品という分類に分けられるサプリメントがあります。保健機能食品はさらに「特定保健用食品(トクホ)」「機能性表示食品」「栄養機能食品」の3つに区分されています。
「特定保健用食品(トクホ)」は食品ごとに、有効性や安全性について審査を受け、消費者庁長官の許可を得る必要があります。また「機能性表示食品」は国の定めるルールに基づき、事業者が食品の安全性と機能性に関する科学的根拠の情報などを、消費者庁長官に届出して機能性を表示することが認められている食品です。この両者は機能性に関する科学的根拠があるため、効果が期待しやすいでしょう。

また、サプリメントの分類・正しい選び方などサプリメント全般に関する詳しい説明は以下のコラムで解説していますので、興味のある方はぜひご覧ください。

サプリの正しい選び方コラムはこちら

水溶性・不溶性のバランスを考えて選ぶ

食物繊維は、水に溶ける「水溶性」と、水に溶けにくい「不溶性」の2種類に大別できます。それぞれの特徴は後述しますが、理想は、両方をバランスよく摂ること。 水溶性食物繊維:不溶性食物繊維=1:2がよいと言われることもあるため、サプリの成分をしっかりチェックして選びましょう。

なお、厚生労働省の「令和元年国民健康・栄養調査結果」によると、普段の食事では、水溶性食物繊維のほうが不足傾向にあるようです。

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水溶性食物繊維

保水性が高く、腸内の水分量を増やしてお通じをよくする効果が期待できます。また、栄養の吸収を抑える・遅らせることによって、食後の血糖値の急激な上昇を防ぐなどの効果(難消化性デキストリン)も期待できます。

水溶性食物繊維を多く含む食品 ・芋類(こんにゃく芋、里芋など)
・穀類
・果物(アボカド、いちご、キウイなど)
・海藻類・寒天など
水溶性食物繊維の成分例 ・難消化性デキストリン
・イソマルトデキストリン
・イヌリン
・グァーガム分解物
・サイリウム種皮由来食物繊維
・水溶性コーンファイバー
・低分子化アルギン酸ナトリウム
・ポリデキストロース

不溶性食物繊維

不溶性食物繊維は便をかさましすることで腸の動きを活発にし、お通じをよくする効果が期待できます。また、お腹にたまるので食べすぎ防止に役立ち、ダイエット時にも嬉しい成分です。

不溶性食物繊維を多く含む食品 ・穀類(小麦ふすまなど)
・野菜(ゴボウ、ブロッコリーなど)
・大麦若葉
・果実(アボカド、カキ、リンゴなど)
・豆類(枝豆など)
・キノコ類
・海藻類
・甲殻類の殻
不溶性食物繊維の成分例 ・キトサン
・コーンファイバー
・サイリウム種皮由来食物繊維

<食物繊維のサプリメントの選び方>

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食物繊維(難消化性デキストリン)について薬剤師が解説!



食物繊維サプリの代表的な成分が、水溶性に分類される「難消化性デキストリン」です。多くのトクホの食物繊維サプリにも配合されています。

ここからは、難消化性デキストリンがどのようなものなのか、その働きなどを詳しく解説します。

難消化性デキストリンって何?

難消化性デキストリンは、文字通り、消化しにくいデキストリン(デンプンの一種)です。トウモロコシや小麦に含まれるデンプンを加熱し、アミラーゼ(デンプンを消化する酵素)で加水分解し、難消化成分を取り出したものです。

難消化性デキストリンの働きは?

難消化性デキストリンには、以下のような作用が期待できます。

・血糖の上昇抑制作用
・血中中性脂肪の上昇抑制作用
・整腸作用

その他に、内臓脂肪低減、ミネラルの吸収促進といった作用も期待できます。ここからは、上記の3つの作用について詳しく解説します。

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血糖の上昇抑制作用

難消化性デキストリンを摂取すると、糖の吸収がゆるやかになり、食後の血糖(血中の糖分)の上昇も抑えられる効果が期待できます。

食事をすると、食べ物に含まれる糖質が吸収されるため、食後は血糖が上がるのが普通です。しかし、糖質を摂りすぎたりして血糖が上がりすぎると、血管などの負担になり、動脈硬化や糖尿病発症につながることもあります。 そのため、難消化性デキストリンで血糖の上昇を抑えることで、健康へのよい効果が期待できます。

血中中性脂肪の上昇抑制作用

難消化性デキストリンを摂取すると、食事から摂取した脂肪の吸収を抑えることで、血中の中性脂肪の上昇を抑制する効果が期待できます。

中性脂肪値やコレステロール値が高い方が難消化性デキストリンを継続的に摂取したところ、これらの数値が低下したという研究結果も出ています。

整腸作用

難消化性デキストリンは、腸内細菌のバランスをよくすると考えられています。

また、小腸ではほとんどが消化・吸収されずに大腸まで届くため、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌によって発酵し、ビタミンや短鎖脂肪酸がつくられます。これらの物質も腸内環境の改善に役立ち、便通がよくなる効果などが期待できます。
実際に、難消化性デキストリンを継続的に摂取したところ、排便の量と回数が増え、便の状態もよくなったという研究結果が出ています。

食物繊維のおすすめサプリ

特定保健用食品(トクホ)

賢者の食卓 ダブルサポート

賢者の食卓 ダブルサポートは食物繊維(難消化性デキストリン)の働きで、糖分や脂肪の吸収を抑え、食後の血糖値や血中中性脂肪の上昇をおだやかにする特定保健用食品です。お茶やお水などのどんな飲み物にも溶けやすく食事のシーンを選ばす使えます。

イージーファイバー

イージーファイバーは食物繊維(難消化性デキストリン)が配合されており、食生活で不足しがちな食物繊維を手軽に摂れ、お通じの改善に役立つ特定保健用食品です。飲み物や料理に入れることで味を変えずに食物繊維を摂取することができます。

機能性表示食品

トリプルバリア 青りんご味

トリプルバリア 青りんご味は、サイリウム種皮由来の食物繊維を機能性関与成分とする機能性表示食品です。食事中の脂肪、糖、塩分の便への排出を増やし、食後の中性脂肪や血糖値の上昇を抑え、高めの血圧を下げる機能があります。

その他

大麦若葉 粉末100% スティックタイプ

大麦若葉 粉末100%は、匂いや味にくせがなく、抹茶のような美味しい青汁です。食物繊維だけでなく、ビタミンやミネラル、アミノ酸など様々な栄養成分が摂取することができます。

オオバコファイバー

オオバコファイバーは、オオバコ(プランタゴ・オバタ/サイリウム)の種子の皮を砕いた物で、食物繊維を豊富に含んでいます。小麦粉などの代替材料として摂取することで糖質をコントロールできる、健康・ダイエット素材です。

サプリメントを使用するときの注意点



サプリメントは必ず記載されている摂取方法・摂取量を守りましょう。たとえば、水溶性食物繊維を摂りすぎると下痢や軟便につながったり、もともと便秘気味の方が不溶性食物繊維を摂りすぎると、便秘が悪化したりすることもあります。

また、食物繊維サプリを摂取し始めてから体調が悪くなったり、気になる症状が出たりした場合はサプリを摂取するのをやめ、医療機関を受診しましょう。 持病がある方や、薬を服用習慣がある方も注意が必要です。サプリと飲み合わせの悪い薬もあるため、主治医や薬剤師に相談してから摂取しましょう。

さらに、食物繊維を摂りたいときはまず食事から積極的に取り入れるようにし、サプリはあくまでサポートとして使うことをおすすめします。

まとめ

食物繊維サプリは、便秘・お通じの改善、食後の血糖値や中性脂肪値の上昇抑制(難消化性デキストリン)など、健康やダイエットに嬉しい効果が期待でき、生活習慣病予防にもよいとされています。

食物繊維サプリにはさまざまなものがありますが、トクホや機能性表示食品を選ぶことや、水溶性と不溶性をバランスよく取り入れるといったポイントを押さえて選びましょう。

なお、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、1日の食物繊維の目標摂取量は、男性が21g以上、女性が18g以上(いずれも18~64歳の場合)、理想的な目標摂取量は24g以上となっています。しかし、実際の摂取量の中央値は10~14g程度となっており、不足しているケースが大変多いため、サプリメントを上手に取り入れてみてはいかがでしょうか?


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