エクオールとは?更年期や女性ホルモンに関係する働き

更新日: 2025年11月26日

40代になると、女性ホルモン「エストロゲン」の分泌が徐々に変化し、肌や体調、気分の変化を感じる方が増えてきます。これに対して注目されているのが、「エクオール」です。エクオールは、大豆イソフラボンが腸内で代謝されて生成される成分で、年齢に伴うゆらぎの時期を健やかに過ごすためのサポート成分として注目されています。しかし、エクオールを体内で作り出すことができる人は日本人の半数ほどと言われており、食事だけで摂るのが難しい場合もあります。そのためサプリメントを活用することで、日々の生活に取り入れる方も増えています。本記事では、エクオールの働きやその摂取のポイントについて、わかりやすく解説します。

この記事の監修者
牧田 淑美
管理栄養士
大学卒業後、福祉施設での栄養管理、企業向けの商品開発、特定保健指導、健康経営支援など多岐にわたる現場を経験。その後、独立し、現在は離乳食教室の運営や米粉パン事業をはじめ、健康をテーマにした複数のプロジェクトを展開中。ライフステージに寄り添った実践的な栄養支援を軸に、食の専門家として「より良い暮らしと健康」を支える活動を続けている。

エクオールとは?(基礎知識)

エクオールは、大豆イソフラボンが体内で代謝されて生まれる成分で、年齢とともに変化しやすい女性のリズムを支える成分として注目されています。研究では、更年期症状の緩和や骨密度の維持、肌の健康をサポートするだけでなく、加齢に伴う体調不良や精神的な不調、腰痛、不眠など、女性の健康を全般的にサポートするといった報告も。エクオールの働きとその重要性について、さらに詳しく見てみましょう。

エクオールは「大豆イソフラボン」から作られる成分

エクオールは、大豆イソフラボンの一種である「ダイゼイン」が腸内細菌によって代謝されて作られる成分です。大豆に含まれるポリフェノールには「ダイゼイン」「グリシテイン」「ゲニステイン」の3種類があり、ダイゼインは特定の腸内細菌によってエクオールに変化し、体内に吸収されやすくなります。しかし、最近の研究では、日本人の約半数は体内でエクオールを生成しにくいことが報告されています。特に中高年女性は約5割、20代女性でも2割程度しか生成できないとの報告もあります。原因のひとつとして生活習慣や食事の変化なども影響していると考えられています。

エクオールが注目される理由

エクオールは、年齢を重ねるにつれて変化しやすい女性のすこやかな毎日をサポートする成分として注目されています。特に、女性ホルモン「エストロゲン」に似た働きを持つエクオールは、更年期症状の緩和に寄与すると言われています。また、エクオールには大豆由来ポリフェノール特有の“めぐり”や“ハリツヤ”を支える働きや健康的な生活習慣をサポートする素材として利用されています。

また、エクオールには脂質代謝やめぐりに関する研究が行われており、生活習慣や年齢にともなう身体の変化に関心を持つ方から注目されています。日々の健康的なリズムをサポートするためには大豆イソフラボンを通じてエクオールが生成されることが大切です。大豆イソフラボンを含む食品をバランスよく摂取することで、腸内でエクオールが作られやすくなり、健やかなコンディション作りに役立てることができます。

エクオールを効果的に摂取する方法として、機能性表示食品や、発酵大豆由来のサプリメントが注目されています。これらのサプリメントには、エクオールの生成をサポートする成分が含まれています。乳酸菌などの成分と組み合わせた商品もあり、腸内環境を整えながらすこやかなバランスをサポートしたい方に選ばれています。粒タイプやタブレットタイプで摂取でき、手軽に利用できるのも魅力です。

さらに、エクオールが配合された商品は、胚芽や抽出物を使用していることが多く、国内のメーカーによる品質管理のもと製造されています。多くのブランドがオンライン販売や定期購入サービスなどを提供しており、自宅から手軽に取り入れることができます。

エクオールが不足するとどうなる?

エクオール不足は、さまざまな不調を引き起こす可能性があります。特に、年齢を重ねるにつれて起こる、月経期間の不安定や精神的な不安を伴い、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。エクオールは、女性ホルモンに似た効果を持つといわれています。そのため体内で生成できるかどうかが健康維持において非常に重要です。

年齢とともに変化する女性の身体

年齢を重ねると女性の身体はゆっくりと変化していきます。40代以降は若いときと比べて女性特有のリズムが乱れやすくなり、気分のゆらぎや身体のこわばり、眠りの質の変化などを感じる方も多いでしょう。こうした時期の健康づくりを支える成分として注目されているのが「エクオール」です。大豆由来のエクオールは、こうした時期の女性がいきいきと過ごすためのサポート成分として多くの研究が行われています。

エクオール不足で感じやすい変化

エクオールが不足していると、からだや心のリズムが乱れやすくなることがあります。年齢とともに「なんとなく調子が整わない」「いつもより疲れやすい」など、小さなサインを感じる方も少なくありません。

  • 顔がほてるように感じる
  • 汗をかきやすい
  • 肩や首がこりやすい
  • 手足が冷えやすい
  • 気分の浮き沈みを感じやすい

自分がエクオールを作れているかチェック

エクオールを作れる腸内細菌のタイプは、個人差があり、食生活や体調、精神的な状態によっても大きく変化します。自律神経の乱れや加齢、ストレス、不安なども腸内環境に影響を与える要因です。エクオールを作れる体質かどうかは、専用の検査キットで調べることができます。検査は尿検査のみで、約2週間ほどで結果がわかります。婦人科や医療機関、調剤薬局、オンラインショップなどでも購入可能で、必要に応じて医師の受診や漢方薬などを併用することで、より的確な健康管理が期待できます。機能性表示食品や大豆イソフラボンを使ったサプリメント、発酵サプリなども健康維持に役立ちます。気になる方は、検査キットを利用して自分の体質を確認し、サプリメントや食事を通じて健康を維持しましょう。

エクオールの1日の摂取目安量

エクオールの1日の摂取目安量は、エクオールのサプリを製造販売する大塚製薬のサイトに10mg前後が目安とされていますこれは、身体の中でエクオールを安定的に保つために、多くの研究で参考値として用いられている量です。例えば、産生菌を持つ人で10mg摂取すると、顔がほてるように感じるなどの軽減が観察されています。

※参照元:大塚製薬 更年期ラボ

エクオール約10mgの食品目安

  • 木綿豆腐2/3丁
  • 納豆1パック

ただし、同じ大豆製品を食べても、エクオールをつくる腸内環境には個人差があるので、食事からの摂取に加えて、サプリメントを活用することもできます。年齢や腸内環境によって生成量が変化するため、食事やサプリの両方で摂取するなど、ご自身に合ったバランスを見つけることが大切です。

LINEバナーSP

エクオールがおすすめの人は?

エクオールは、年齢による変化を感じやすい方や美容やアンチエイジングを意識している方、食生活の乱れが気になる方に注目されている成分です。大豆イソフラボンを含むサプリメントや機能性表示食品は、エクオールの生成をサポートし、これらの問題に対処するために役立ちます。特に、発酵成分や乳酸菌が含まれている製品は、腸内環境を整えてエクオール生成を促進する効果が期待できます。

特におすすめな人

エクオールは、40代〜50代の女性など年齢による変化を感じやすい方や、ホルモンバランスの乱れが気になる方に、からだと心のバランスを整えるサポート成分です。エクオールは骨の健康を維持したい方、皮膚のハリを維持したい方などにも適しています。最近では、婦人科や医療機関でもエクオールを活用した療法やサプリメントが増え、より多くの人々に利用されています。

エクオールの摂取を特におすすめしたいのは次のような方です:

  • 年齢とともにからだの変化を感じている方
  • 食生活の乱れやストレスが気になる方
  • 美容やエイジングケアに関心のある方
  • 健やかな毎日を過ごしたい方
  • エクオールは、日々の健康維持やリズムの安定にも役立つ成分です。食事とサプリメントを上手に組み合わせて続けましょう。

男性にも効果が期待されるケース

エクオールは、女性だけではなく、男性の健康意識や美容面においても注目されています。サプリメントや機能性表示食品を通じて、男女問わず健康や美容のサポートが期待できます。

おすすめの摂取方法(食品・生活習慣・サプリ)

エクオールを体内で増やすためには、大豆製品を食事に取り入れること、腸内環境を整える生活を意識すること、そしてサプリメントで補うことが大切です。

食品から摂取する(大豆食品)

豆腐、納豆、豆乳、味噌などの大豆食品には、エクオールともととなるイソフラボンが豊富に含まれています。エクオールを摂取するには、大豆イソフラボンは、豆腐やおから、油揚げ、納豆、豆乳など、大豆を原材料とする成分に含まれています。まずは、3食の一つでも良いので大豆食品から始めてみましょう。

エクオール摂取を習慣化するレシピ

朝食:豆乳を使ったスムージーや味噌汁

昼食:納豆ご飯と豆腐の味噌汁

夕食:味噌汁に加えて豆腐や大豆の副菜をプラス

日々の食卓に納豆や豆腐を一品追加する習慣は、健康的な食生活づくりの第一歩です。

腸内環境を整える

エクオールの腸内環境を作れる人の特徴として、短期的な食習慣では、緑黄色野菜や淡色野菜、海藻類、根菜、きのこ、納豆、穀物をしっかり摂っていることが挙げられます。これらの食品は腸内環境を整えるために重要です。

さらに、長期的な食習慣に目を向けると、根菜、きのこ、野菜類はもちろん、油ののった魚(青魚)、赤身の肉、大豆製品など、バラエティ豊かな食品をバランス良く摂取していることが確認されています。このような多様な食生活を送ることで、腸内細菌が豊かになり、エクオールを作り出しやすい腸内環境が整うと考えられています。偏りのない食事を心がけることが、結果的にエクオールをつくりやすい身体づくりにつながります。

おすすめのエクオールサプリメント

機能性表示食品ではありませんが、エクオールを含有するサプリメントを紹介します。

発酵大豆イソフラボン エクオール(小林製薬)

発酵大豆イソフラボン エクオール(小林製薬)は、エクオールのほかに、GABA(アミノ酸の一種)、ヘスペリジン(ポリフェノールの一種)、テアニン(アミノ酸の一種)の3成分を配合した女性の健康をサポートするイソフラボン・エクオールサプリです。

発酵大豆イソフラボン エクオールα +美容サポート(小林製薬))

発酵大豆イソフラボン エクオールα +美容サポート(小林製薬)は、エクオールの他にGABA、亜鉛、燕の巣、アスタキサンチン配合した女性の健康と美容をサポートするイソフラボン・エクオールサプリです。

大豆イソフラボン エクオール(ディーエイチシー)

大豆イソフラボン エクオール(ディーエイチシー)は、イキイキ・キレイ・ハツラツを支えるパワーをもった、女性にうれしい成分S-エクオールを一日摂取目安量あたり10mg配合したイソフラボン・エクオールサプリです。

エクオールを効率よく活かす生活習慣

腸内環境を整え、エクオールを作り続けるためには、日々の生活習慣が大きく関係します。適度な運動やストレスを溜めない生活、質の良い睡眠を心がけることが大切です。運動は血流を促進し、自律神経のバランスを整え、腸の蠕動を活発にしてエクオールの生成を促す効果が期待できます。特に有酸素運動は血行を良くし、体をすっきりリセットするのに役立ちます。無理のない範囲で継続することがポイントです。また、十分な睡眠はホルモンバランスや精神面の安定に不可欠です。7時間前後の睡眠を目安に、眠りの質を意識することで、翌日のコンディションを整えやすくなります。

ストレスを溜めすぎないことも、健やかな腸内環境づくりに役立ちます。ぬるめのお風呂にゆっくり浸かったり、ヨガやアロマなどを取り入れてリラックスするのもおすすめです。

セルフメディケーションで自身の健康管理を!

もっと手軽に健康情報を受け取りたい方は、キュアベルの公式LINEを友だち追加!週1回の健康ネタ配信・市販薬やサプリメントの検索/比較がLINEでできて便利。今すぐQRを読み取って登録!!

LINEバナーSP

LINEお友達登録でできること

  • 毎週届く「季節の健康ネタ」や「今すぐ使えるお薬Q&A」
  • みんなが見ている注目コラムから、いま必要な健康情報を入手
  • 自分の症状や悩みに合った市販薬やサプリメントの検索・比較・選定をサポート

まとめ

エクオールは年齢とともに変化する女性の身体を内側からサポートする成分として注目されています。体内でエクオールを作る力には個人差がありますが、大豆食品を取り入れた食事や腸内環境を意識することで、身体づくりのサポートにつながります。食事や運動、睡眠など、生活習慣を見直すことが、将来の健康維持につながります。

<参考文献>