薬剤師が解説!妊娠・妊活中の方に葉酸などのおすすめサプリメント

更新日: 2024年12月16日

妊活中や妊娠中は、妊娠や赤ちゃんの成長のために摂りたい栄養素がいろいろあります。よく知られているのが葉酸ですが、そのほかに、鉄やカルシウムなどのミネラル、ビタミンなども、妊活・妊娠中のサポートをしてくれると言われています。

体調が不安定になりやすい妊娠中には、食事だけで摂取するのが難しい場合もあるため、そんなときは、サプリメントを活用するのも1つの手です。この記事では、妊活や妊娠中におすすめのサプリメントや、摂取する際の注意点などを紹介します。

この記事の監修者
吉田 勝栄
薬剤師
大手ドラッグストアでOTC(市販薬)を中心としたヘルスケア製品の接客販売や、メガベンチャー企業でオンライン診療事業の管理薬剤師を経験後、ウィルベース株式会社に入社。
現在は当サイト「CureBell」の運営・コラム作成、OTC・サプリメント等のリサーチ活動を務める。

妊娠中について



妊娠中の女性の体は、お腹の赤ちゃんを育てるために大きく変化します。特に、ホルモンバランスの変化などによって、つわりでつらい思いをする方は少なくありません。つわりの症状には個人差がありますが、食欲が旺盛になって体重増加に悩まされる方もいれば、気持ち悪さによって食べたり飲んだりするのが苦になる方もいます。

つわりの症状が重い場合には、食事が難しくなり、栄養不足になることもあるでしょう。どうしても食事を摂るのがつらいときには、医師に相談の上、栄養不足を補うためにサプリを飲むのも1つの方法です。

なお、つわりは、下記のようなホルモンが活発に分泌され、普段とホルモンバランスが変化することによって発生すると考えられています。

  • エストロゲン:子宮内膜を厚くし、妊娠の維持をサポートする。また、乳腺の発達を促進し、母乳分泌の準備を進める。

  • プロゲステロン:子宮収縮を抑制し、妊娠を維持する。また、妊娠初期によく見られる基礎体温の上昇にもかかわる。

  • ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG):プロゲステロンの分泌を増やすなど、妊娠の維持に重要な役割を果たす。妊娠検査薬で検出されるホルモン。

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妊娠・妊活中のサプリの選び方



妊娠中はお腹の赤ちゃんだけでなく、女性の健康のためにも栄養バランスの取れた食事が大切です。また、妊活中から摂っておきたい栄養素もあります。

しかし、食事だけでは補いきれない栄養素もあるため、不足しがちな栄養を補う上でサプリメントが役立ちます。ここからは、妊娠・妊活中のサプリを選ぶポイントをご紹介します。

GMP認証を取得している商品を選ぶ

品質や安全性が担保されている商品を選びたい場合は、GMP認証を取得している工場で製造された商品を選びましょう。

GMPとは、Good Manufacturing Practice(適正製造規範)の略で、原材料の受け入れから製造、出荷まで全ての過程において、製品が安全に作られ一定の品質が保たれるようにするための製造工程の管理基準のことです。GMP認証を取得している商品は、厚生労働省の「健康食品GMPガイドライン」に基づき第三者機関が審査・査察を行った結果、認定を受けた工場で製造されていることが明らかになっています。

また、サプリメントの分類・正しい選び方などサプリメント全般に関する詳しい説明は以下のコラムで解説していますので、興味のある方はぜひご覧ください。

サプリの正しい選び方コラムはこちら

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成分や目的で選ぶ

サプリメントを選ぶ際には、含まれる成分や量はもちろんのこと、なぜサプリを使いたいのか、目的を明確にしましょう。

例えば「貧血気味なので鉄を摂取したい」や「早産のリスクを下げるためにビタミンDを摂りたい」のように、具体的な目的を考えることで、より適したサプリメントを選べるようになります。妊娠中に積極的に摂取したい代表的な栄養素は以下の通りです。

栄養素 役割 多く含む食品例
葉酸 ・赤ちゃんが神経管閉鎖障害を発症するリスクを下げる ・ほうれん草
・ブロッコリー
・いちご
・など
・妊娠中の血液量増加に伴い必要
・貧血の予防
・レバー
・赤貝
・かつお
・など
カルシウム ・赤ちゃんの骨や歯をつくる ・牛乳
・ヨーグルト
・その他乳製品
・小魚
・など
マグネシウム ・カルシウムの吸収を助ける
・子どもの多動問題を予防する可能性がある
・アーモンド
・ほうれん草
・カシューナッツ
・など
ビタミンD ・妊娠高血圧症や妊娠糖尿病などの予防につながる
・赤ちゃんの骨の成長を助ける
・鮭
・サンマ
・ブリ
・など
DHA ・早産予防
・赤ちゃんの脳や視覚の発達を助ける
・イワシ
・サバ
・マグロ
・など

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それぞれの栄養素について、さらに詳しく見ていきましょう。

葉酸

葉酸は、胎児の成長に関与し、葉酸不足による母体の貧血予防にもなる栄養素です。また、摂取することで、赤ちゃんが神経管閉鎖障害を発症するリスクを下げるとされています。神経閉鎖障害とは、無脳症や二分脊椎など脳や脊椎、脊髄に影響を受ける先天性の病気のことです。

リスク低下のために十分な量を摂取するためには、食品だけでなく、サプリメントなども活用することが勧められています。また、妊娠前する1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月の間、十分に葉酸を摂取していることが重要です。

鉄はヘモグロビンを作るのに必要な栄養素なので、不足すると貧血になることがあります。妊娠中は血液量が増加することで、特に貧血を引き起こしやすい状態にあります。

また、胎盤や赤ちゃんが成長するためにも鉄分が必要です。妊娠後期にかけては特に必要な量が増えるため、貧血予防や、胎児のスムーズな発育のためにも積極的に摂取したいものです。

カルシウム

カルシウムは、胎児の骨や歯をつくるために必要な栄養素です。「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、妊娠適齢期の女性のカルシウム摂取推奨量は650mgとされているのに対し、実際のカルシウム摂取量はかなり少ないとされています。「平成30年国民健康・栄養調査」では、1日当たりの摂取量の平均値は、20代女性が384mg、30代女性が441mgとなっています。

産後の授乳期には、多くのカルシウムが母乳に移行して赤ちゃんに届けるため、積極的な摂取が必要な栄養素です。

 

マグネシウム

マグネシウムは、カルシウムの吸収に必要な栄養素です。赤ちゃんの骨の形成にカルシウムは重要なため、カルシウムを摂取する際はマグネシウムも同時に摂るようにしましょう。

また、愛媛大学で行われた研究によると、妊娠中のマグネシウム摂取が生まれた子の多動問題を予防する可能性が示されています。「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、妊娠中は通常時よりも、1日に40gプラスしてマグネシウムを摂取することが推奨されているため、積極的に摂取しましょう。

ビタミンD

ビタミンDは、カルシウムの吸収を促進する働きがあるため、ビタミンDが不足すると、胎児の骨の成長に影響すると言われています。また、妊娠高血圧症や妊娠糖尿病などの予防にもつながるとされています。

さらに、2019年にイギリスで行われた調査によると、妊活中にビタミンDを十分に摂取していることで、着床率や妊娠率が高くなると発表されました。妊活中もビタミンDを適切に摂取することが望ましいと言えます。なお、ビタミンDは日光にあたることでも生成されるため、適度に日光を浴びるようにしましょう。

DHA

DHAは、体内で合成することができない必須脂肪酸の1つです。自ら生成できないため、食事やサプリメントなどで摂取しなければなりません。DHAを摂取することで、早産の予防効果が期待できるほか、赤ちゃんの脳や視力の発達にも影響すると言われています。

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CureBellでのサプリメントの探し方

CureBellサプリ版の特長
CureBellサプリ版の特長

CureBell(キュアベル)では目的や商品区分、1日当の価格、栄養成分、GMP・ドーピング認証有無などの項目で簡単にサプリメントの検索・比較ができます。「自分に合ったサプリメントが分からない」「安全に使用できるサプリメントを探したい」そのような方はキュアベルを使って自身にあったサプリメントを選んでみましょう。

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妊娠中のおすすめのサプリ

葉酸×鉄・カルシウム(ディアナチュラスタイル)

葉酸×鉄・カルシウム(ディアナチュラスタイル)は、妊娠前~授乳期に必要な葉酸・鉄・カルシウムがまとめて摂れ、さらに乳酸菌、ビタミンC、B1、B6、B12、Dもプラスされたサプリメントです。

Mama Lula 葉酸&鉄プラス(ファンケル)

Mama Lula 葉酸&鉄プラス(ファンケル)は、女性の大切な時期の体だけでなく、赤ちゃんを想う気持ちが活かされた、ファンケル独自のママ向けサプリメントです。葉酸はもちろん、鉄や9種のビタミン・ミネラルに2種の乳酸菌をプラスされています。

持続型葉酸(ディーエイチシー)

持続型葉酸(ディーエイチシー)は、ゆっくり溶けるタイムリリース処方のサプリメントです。水溶性という性質上、1度にたくさん摂っても余分な分は排出されてしまう葉酸を、じっくりと補うことができます。

ビタミンD(ディアナチュラ)

ビタミンD(ディアナチュラ)は、1粒にビタミンD3を30μg配合したサプリメントです。

カルシウム・マグネシウム(ディアナチュラ)

カルシウム・マグネシウム(ディアナチュラ)は、カルシウムとマグネシウムを2:1のバランスで配合、さらにビタミンDも配合されたサプリメントです。

DHA(ディーエイチシー)

DHA(ディーエイチシー)は、機能性関与成分DHAを510mg、EPAを110mg(一日摂取目安量あたり)配合した機能性表示食品です。1日あたり4粒で、業界トップクラス620mgものDHA・EPAを摂ることができます。

妊娠中にサプリメントを使用するときの注意点



妊娠中には、薬など飲んではいけないものもあるため「サプリメントは飲んでいいの?」と悩む方もいらっしゃるでしょう。結論から言うと、妊娠中のサプリメントは、医師に相談した上で摂取するか検討するのが望ましいです。また、サプリメントを選ぶ際には、いくつか注意点があります。以下より1つずつ解説します。

産婦人科医や薬剤師に確認する

妊娠中は体調や体質が変化しやすく、摂取する栄養素によって体にさまざまな影響を及ぼします。体の状態によって、必要な成分が異なることはありますし、逆に、摂らないほうがよい成分が存在するケースもあります。

また、薬を飲んでいる場合は、サプリメントとの飲み合わせにも気をつけなければなりません。そのため、サプリメントを始める際は、必ず担当の産婦人科医や薬剤師に確認しましょう。

過剰摂取しないようにする

サプリメントは、不足しがちな栄養素を補ってくれる便利なものですが、使い方を誤ると体に悪影響を及ぼす場合もあります。例えばビタミンAは、妊娠中に必要な栄養素の1つであるものの、過剰摂取によって赤ちゃんに耳の異常が現れることがあると言われています。葉酸についても、過剰摂取による健康被でし。告されていることから、推奨量を守るように注意しましょう。

また、サプリメントだけでなく、食事から摂取した栄養量も考慮することが大切です。どのような種類のサプリメントでも、過剰摂取にならないよう、記載された摂取量を守りましょう。

まとめ

妊娠中は、ホルモンバランスが変化することによって、体調も大きく変化します。つわりなどで食事が難しい場合は、十分な栄養が摂取できなくなることもあるでしょう。しかし、栄養不足は赤ちゃんの成長だけでなく、母体である女性の体調にも影響を及ぼすことがあります。そんなときには、サプリの使用を検討しましょう。

妊活・妊娠中のサプリを選ぶ際は、「GMP認証がされているか」や「目的に合った成分かどうか」などをポイントにしましょう。もちろん、サプリだけに頼るのではなく、食事の栄養バランスも考えながら不足分を補うように使うのがおすすめです。担当医に成分や摂取量を確認しながらサプリメントを摂取しましょう。

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