管理栄養士が解説!妊娠中・妊活中の方に葉酸などのおすすめサプリメント

妊活中や妊娠中、授乳中などの出産前後には、妊娠や赤ちゃんの成長のために摂りたい栄養素がいろいろあります。よく知られているのが葉酸ですが、そのほかに、鉄やカルシウムなどのミネラル、ビタミンなども、妊活・妊娠中のサポートをしてくれるといわれています。
体調が不安定になりやすい妊娠中には、食事だけで摂取するのが難しい場合もあるため、そんなときは、サプリメントを活用するのも1つの選択肢です。この記事では、妊活や妊娠中におすすめのサプリメントや、摂取する際の注意点などを紹介します。


大学卒業後、福祉施設での栄養管理、企業向けの商品開発、特定保健指導、健康経営支援など多岐にわたる現場を経験。その後、独立し、現在は離乳食教室の運営や米粉パン事業をはじめ、健康をテーマにした複数のプロジェクトを展開中。ライフステージに寄り添った実践的な栄養支援を軸に、食の専門家として「より良い暮らしと健康」を支える活動を続けている。
※掲載している商品の選定、商品画像や特徴などはCureBellの情報を基にしており、監修者によるものではありません。
目次
妊娠中について

妊娠中の女性の体は、お腹の赤ちゃんを育てるために大きく変化します。特に、ホルモンバランスの変化などによって、つわりでつらい思いをする方は少なくありません。つわりの症状には個人差がありますが、食欲が旺盛になって体重増加に悩まされる方もいれば、気持ち悪さによって食べたり飲んだりするのが苦になる人もいます。
つわりの症状が重い場合には、食事が難しくなり、栄養不足になることもあるでしょう。どうしても食事を摂るのがつらいときには、医師に相談の上、栄養不足を補うためにサプリメントを飲むのもひとつの方法です。
なお、つわりは、下記のようなホルモンが活発に分泌され、普段とホルモンバランスが変化することによって発生すると考えられています。
- エストロゲン:子宮内膜を厚くし、妊娠の維持をサポートする。また、子宮内膜の変化や乳腺の発達をサポートするとされている。
- プロゲステロン:妊娠中に分泌が増えるとされ、子宮の環境を整える働きや、体温の変化に関与。
- ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG):妊娠初期に急激に分泌されるホルモン。妊娠の維持に関与。
妊娠・妊活中のサプリの選び方

妊娠中はお腹の赤ちゃんだけでなく、女性の健康のためにも栄養バランスの取れた食事が大切です。また、妊活中から摂っておきたい栄養素もあります。
しかし、食事だけでは補いきれない栄養素もあるため、不足しがちな栄養を補う上でサプリメントが役立ちます。ここからは、妊娠・妊活中のサプリメントを選ぶポイントをご紹介します。
GMP認証を取得している商品を選ぶ
品質や安全性が担保されている商品を選びたい場合は、GMP認証を取得している工場で製造された商品を選びましょう。
GMPとは、Good Manufacturing Practice(適正製造規範)の略で、原材料の受け入れから製造、出荷まで全ての過程において、製品が安全に作られ一定の品質が保たれるようにするための製造工程の管理基準のことです。GMP認証を取得している商品は、厚生労働省の「健康食品GMPガイドライン」に基づき第三者機関が審査・査察を行った結果、認定を受けた工場で製造されていることが明らかになっています。
また、サプリメントの分類・正しい選び方などサプリメント全般に関する詳しい説明は以下のコラムで解説していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
成分や目的で選ぶ
サプリメントを選ぶ際には、含まれる成分(原料)や量に注目するのはもちろんのこと、なぜサプリメントを使いたいのか、目的を明確にしましょう。
例えば「貧血気味なので鉄を摂取したい」や「早産のリスクを下げるためにビタミンDを摂りたい」のように、具体的な目的を考えることで、より適した成分が含まれるサプリメントを選べるようになります。妊娠中に積極的に摂取したい代表的な栄養素は以下の通りです。
栄養素 | 役割 | 多く含む食品例 |
---|---|---|
葉酸 |
・妊娠初期の健康維持に重要な栄養素 ・胎児の健やかな発育をサポート |
・ほうれん草 ・ブロッコリー ・いちご など |
鉄 | 妊娠中の血液量増加に伴う摂取の推奨 |
・レバー ・赤貝 ・かつお など |
カルシウム | 赤ちゃんの骨や歯の形成に必要とされる栄養素 |
・牛乳 ・ヨーグルト ・その他乳製品 ・小魚 など |
マグネシウム |
・体内の代謝や神経伝達をサポート ・子どもの行動に影響を与える可能性 |
・アーモンド ・ほうれん草 ・カシューナッツ など |
ビタミンD |
・妊娠中の栄養バランスに重要 ・赤ちゃんの骨の成長をサポート |
・鮭 ・サンマ ・ブリ など |
DHA | 赤ちゃんの脳や視覚の発達をサポート |
・イワシ ・サバ ・マグロ など |
葉酸
葉酸は、胎児の成長に関与し、母体の健康維持にも役立つとされている栄養素です。また、摂取することで、赤ちゃんが神経管閉鎖障害と呼ばれる先天的な状態の発生リスクを下げる可能性があることが報告されています。神経閉鎖障害とは、無脳症や二分脊椎など脳や脊椎、脊髄に影響を受ける先天性の状態です。
十分な葉酸の摂取が推奨されており、食品だけでなくサプリメントを活用する場合もあります。また、妊娠する1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月の間、十分に葉酸を摂取していることがとても重要です。また妊活中は女性だけでなく、男性も葉酸の摂取を心がけることが望ましいと考えられています。
鉄
鉄はヘモグロビンの生成に関わる栄養素のひとつ。不足すると人により、貧血に関連する不調が出る場合があります。妊娠中は血液量が増加するため、特に鉄分の摂取が重要とされています。
また、胎盤や赤ちゃんが成長するためにも鉄分が必要とされており、妊娠後期には必要量が増加すると考えられています。貧血への対策や胎児のスムーズな発育のためにも積極的に鉄を含む食品やサプリメント等を摂取することが望ましいとされています。
カルシウム
カルシウムは、胎児の骨や歯をつくるために重要な栄養素のひとつです。「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、妊娠適齢期の女性のカルシウム摂取推奨量は650mgとされているのに対し、実際のカルシウム摂取量はかなり少ないとされています。「平成30年国民健康・栄養調査」では、1日当たりの摂取量の平均値は、20代女性が384mg、30代女性が441mgとなっています。
産後の授乳期には、母乳を通じて赤ちゃんにカルシウムが供給されるため、積極的にカルシウムを摂取することが望ましいとされています。
マグネシウム
マグネシウムは、カルシウムの吸収を助ける栄養素のひとつです。カルシウムが骨の形成に重要な役割を果たすため、カルシウムとあわせて摂取することが望ましいとされています。
また、愛媛大学で行われた研究によると、妊娠中のマグネシウム摂取が生まれた子の行動に影響を与える可能性が示唆されています。「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、妊娠中は通常時よりも、1日に40mgプラスしてマグネシウムを摂取することが推奨されているため、積極的に摂取することが望ましいと考えられるでしょう。
ビタミンD
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける栄養素として知られており、ビタミンDが不足すると、胎児の骨の成長に影響するとされています。また、妊娠高血圧症や妊娠糖尿病などといった状態に関連すると考えられており、これらのリスク軽減に役立つ可能性があることが報告されています。
さらに、2019年にイギリスで行われた調査によると、妊活中にビタミンDを十分に摂取していることで、着床率や妊娠率が改善する可能性が示唆されました。妊活中や妊娠中はビタミンDを適切に摂取することが望ましいと言えます。なお、ビタミンDは日光にあたることでも生成されるため、適度に日光を浴びるようにしましょう。
DHA
DHAは、体内で合成することができない必須脂肪酸の1つです。自ら生成できないため、食事やサプリメントなどで摂取しなければなりません。DHAを摂取することで、早産に関連するリスクを軽減する可能性、赤ちゃんの脳や視力の発達にも関与すると言われています。
CureBellでのサプリメントの探し方


CureBell(キュアベル)では目的や商品区分、1日当の価格、栄養成分、GMP・ドーピング認証有無などの項目で簡単にサプリメントの検索・比較ができます。「自分に合ったサプリメントが分からない」「安全に使用できるサプリメントを探したい」そのような方はキュアベルを使って自身にあったサプリメントを選んでみましょう。


妊娠中のおすすめのサプリ

葉酸×鉄・カルシウム(ディアナチュラスタイル)は、妊娠前~授乳期に必要な葉酸・鉄・カルシウムがまとめて摂れ、さらに乳酸菌、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンDもプラスされたサプリメントです。
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グミ×サプリ-鉄分&葉酸(養命酒)は、鉄分に、葉酸を組み合わせ、1日5粒食べるだけで鉄10mg(プルーン約125個分)を手軽に摂取できる栄養機能食品です。

Mama Lula 葉酸&鉄プラス(ファンケル)は、女性の大切な時期の体だけでなく、赤ちゃんを想う気持ちが活かされた、ファンケル独自のママ向けサプリメントです。もちろん葉酸以外に、ビタミンB2やビタミンB6などのビタミン・鉄や亜鉛などのミネラルに2種の乳酸菌をプラスされています。

持続型葉酸(ディーエイチシー)は、ゆっくり溶けるタイムリリース処方のサプリメントです。水溶性という性質上、1度にたくさん摂っても余分な分は排出されてしまう葉酸を、じっくりと補うことができます。

ビタミンD(ディアナチュラ)は、1粒の内にビタミンD3を30μg配合したサプリメントです。

カルシウム・マグネシウム(ディアナチュラ)は、カルシウムとマグネシウムを2:1のバランスで配合、さらにビタミンDも配合されたサプリメントです。

DHA(ディーエイチシー)は、機能性関与成分DHAを510mg、EPAを110mg(一日摂取目安量あたり)配合した機能性表示食品です。1日あたり4粒で、含有量が業界トップクラスの620mgものDHA・EPAを摂ることができ、ビタミンEも含有されています。
妊娠中にサプリメントを使用するときの注意点

妊娠中には、薬など飲んではいけないものもあるため「サプリメントは飲んでいいの?」と悩む方もいらっしゃるでしょう。安心してサプリメントを摂取するために、妊婦の方は、医師に相談した上で摂取するか検討するのが望ましいです。また、サプリメントを選ぶ際には、いくつか注意点があります。以下より1つずつ解説します。
産婦人科や薬剤師に確認する
妊娠中は体調や体質が変化しやすく、摂取する栄養素によって体にさまざまな影響を及ぼします。体の状態によって、必要な成分が異なることはありますし、逆に、摂らないほうがよい成分が存在するケースもあります。
また、病気の治療で薬を服用している場合は、サプリメントとの飲み合わせにも気をつけなければなりません。そのため、サプリメントを始める際は、必ず担当の産婦人科医や薬剤師に摂取可能か確認してから購入しましょう。
過剰摂取しないようにする
サプリメントは、不足しがちな栄養素を補う手段の一つとして活用されていますが、摂取量や使用方法には注意が必要です。
例えばビタミンAは、妊活中にも妊娠中にも大切な栄養素とされていますが、過剰に摂取すると胎児への影響が指摘されているため、摂取量には十分な配慮が必要です。葉酸についても、過剰摂取による健康被害が報告されていることから、推奨量を守るようにしましょう。
また、サプリメントだけでなく、食事から摂取した栄養量も考慮することが大切です。どのような種類のサプリメントでも、過剰摂取にならないよう、記載された摂取量を守りましょう。
まとめ
妊娠中は、ホルモンバランスが変化することによって、体調も大きく変化することがあります。つわりなどで食事が難しい場合は、十分な栄養が摂取できなくなる場合もあるでしょう。栄養が不足すると、母体や胎児の健康維持に影響を及ぼす可能性があるため、必要に応じて栄養補助食品(サプリメント)の活用を検討することも選択肢のひとつです。
妊活中・妊娠中のサプリメントを選ぶ際は、「GMP認証がされているか」や「目的に合った成分かどうか」などをポイントにしましょう。なお、サプリメントはあくまで食事を補うものであり、基本的には日々の食事から栄養をとることが大切です。担当医に成分や摂取量を確認しながらサプリメントを摂取しましょう。
<参考文献>
- ejiM マグネシウム
- 厚生労働省 平成30年 国民健康・栄養調査結果の概要
- e-ヘルスネット 葉酸とサプリメント‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果
- 農林水産省 みんなの食育
- 愛知県薬剤師会 薬に関するQ&A
- 公益財団法人 難病医学研究財団/難病情報センター 奇形症候群分野|二分脊椎
- MSDマニュアル 葉酸欠乏症
- 愛媛大学 プレスリリース
- 富山大学 エコチル調査富山ユニットセンター つわりは朗報? つわりの程度と早産の関係
- 葉酸×鉄・カルシウム(アサヒ) 公式サイト
- グミ×サプリ 鉄分&葉酸(養命酒製造) 公式サイト
- Mama Lula 葉酸&鉄プラス(ファンケル) 公式サイト
- 持続型葉酸(DHC) 公式サイト
- ビタミンD(アサヒ) 公式サイト
- カルシウム・マグネシウム(アサヒ) 公式サイト
- DHA(DHC)公式サイト