薬剤師が解説!プロテイン(たんぱく質サプリ)の選び方とおすすめ商品
プロテイン(たんぱく質サプリ)にはさまざまな種類があるため。正しい知識をもとに、適切に選択・使用して、効率よく効果を得ましょう。
本記事では、「プロテインって何?」「プロテインの選び方がわからない!」「おすすめのプロテインが知りたい!」などと思っている方に向けて、プロテインの基礎知識やおすすめのサプリ、注意点などを紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
大手ドラッグストアでOTC(市販薬)を中心としたヘルスケア製品の接客販売や、メガベンチャー企業でオンライン診療事業の管理薬剤師を経験後、ウィルベース株式会社に入社。
現在は当サイト「CureBell」の運営・コラム作成、OTC・サプリメント等のリサーチ活動を務める。
目次
プロテイン(たんぱく質)とは
プロテインは日本語でたんぱく質という意味であり、内臓や皮膚、髪の毛、筋肉、ホルモン、へモグロビンなどの材料として使われる、重要な栄養素です。筋肉の成長や修復を助けるなど、体内のさまざまな部位の形成にかかわっていたり、免疫力を保ったりするなどの働きがあります。
そのため、たんぱく質が不足すると、筋力や体力低下、免疫機能低下などによって、さまざまな不調が現れることがあります。
また、健康食品におけるプロテインと言えば、粉末状になっていて、水や牛乳などで溶かし、筋力アップなどのためにトレーニング後に飲むというイメージを持つかもしれませんが、実は健康維持や美容、ダイエットにも効果が期待できるため、女性にもおすすめです。
なお、たんぱく質は、肉や魚、大豆製品、卵、乳製品などの食品に含まれている栄養素なので、普段の食事からも摂取できます。
プロテイン(たんぱく質サプリ)の選び方
プロテインにはさまざまな種類があるため、自分の目的や体質に合った種類を選ぶとよいでしょう。ここからは、プロテインの種類や目的に応じた選び方を詳しく説明します。
配合されているプロテイン(たんぱく質)の種類で選ぶ
プロテインには、ホエイ、カゼイン、ソイといった種類があります。それぞれ特徴が異なるので、目的に合った種類を選ぶことをおすすめします。
種類 | 原材料 | 吸収速度 | シーン |
---|---|---|---|
ホエイ | 牛乳 | 速い | 筋トレ |
カゼイン | 牛乳 | 遅い | ダイエット |
ソイ | 大豆 | 中程度 | 美容・健康維持 |
ホエイプロテイン
ホエイプロテインは、牛乳を原料としたプロテインです。水に溶けやすく、吸収が速いのが特徴なので、筋肉を合成するスピードが速くなりやすいです。
ただし、吸収が早い分、多くの割合がエネルギー源として消費されるため、摂取したプロテインのすべてが筋肉に合成されない点がデメリットとしてあります。
以上のことから、ホエイプロテインは長時間にわたってたんぱく質を供給するのには向いておらず、筋トレなどの目的で短時間に効率よくプロテインを補給したい場合に適しています。
カゼインプロテイン
カゼインプロテインは、ホエイプロテインと同じく、牛乳由来のプロテインです。
カゼインプロテインは胃で固まり、吸収に6〜8時間ほど時間がかかるため、体内で長時間にわたってたんぱく質を供給でき、筋肉にも長時間かけてゆっくりと栄養が与えやすくなる特徴があります。
長時間にわたってタンパク質を供給できることで、体調管理と筋肉量の維持をしながらダイエットができるというメリットも。さらに、吸収に時間がかかると食後の満足感が持続して、食事量を減らせるようにもなります。
ソイプロテイン
ソイプロテインは、大豆から抽出されるプロテインです。消化吸収が緩やかであったり、ポリフェノールの一種である大豆イソフラボンが豊富だったりする特徴があります。
また、大豆イソフラボンには、カルシウムを蓄える効果が期待できたり、しわやたるみを改善する効果が期待できたりするため、健康維持や美容にもよいでしょう。
さらに、ソイプロテインは植物性たんぱく質なので、動物性たんぱく質を避けたい方にもおすすめです。
ただし、水に溶けにくいためダマができやすく、飲み心地が悪く感じる方もいるかもしれません。
ドーピング認証を取得している商品を選ぶ
アスリートやプロスポーツ選手など、日ごろからスポーツにおいて禁止されている成分の混入を気にされている方は「インフォームドチョイス認証」や「インフォームドスポーツ認証」・「BSCG認証」を取得している商品を選びましょう。
これらの認証を取得している商品は、スポーツにおける禁止成分が混入していないことが第三者機関各々の検査によって明らかになっています。
インフォームドチョイス認証とは
インフォームドチョイスは、スポーツ栄養サプリメント(主に一般消費者向けのサプリメント)のための世界的な品質保証プログラムです。
WADA(世界アンチドーピング機関)が定める禁止物質に汚染されていないか、その製品が生産される特定のロットにおいて毎月検査が実施されており、主に一般消費者が安全に使用できる製品を提供することが目的とされています。
インフォームドスポーツ認証とは
インフォームドスポーツは、スポーツ栄養サプリメント(主にプロアスリートや競技者向けのサプリメント)のための世界的な品質保証プログラムです。
その製品の生産されるすべてのロットにおいて、WADA(世界アンチドーピング機関)が定める禁止物質を含む250種類以上のスポーツで使用を禁止されている物質についての検査が実施されており、主にアスリートのサプリメントからの禁止物質の摂取を防ぎ、競技パフォーマンスに影響を与えないようにすることが目的とされています。
BSCG認証とは
BSCG認証はサプリメントや化粧品など、幅広いカテゴリーで提供されている品質保証プログラムです。
その製品の生産されるすべてのロットにおいて、500種類以上の禁止物質や医薬品、違法薬物などの検査の実施に加え、GMP(適正製造規範)に基づく品質管理検査や、原料審査、成分審査、サプライヤー審査、一般毒物アセスメントも行われています。
BSCG認証は禁止物質の検査だけではなく、製品の全体的な安全性や品質を保証することを目的としています。
CureBellでのサプリメントの探し方
CureBell(キュアベル)では目的や商品区分、1日当の価格、栄養成分、GMP・ドーピング認証有無などの項目で簡単にサプリメントの検索・比較ができます。「自分に合ったサプリメントが分からない」「安全に使用できるサプリメントを探したい」そのような方はキュアベルを使って自身にあったサプリメントを選んでみましょう。
プロテイン(たんぱく質)のおすすめのサプリ
ホエイプロテイン
アクア ホエイプロテイン100(ザバス)は、たんぱく原料として、高精製された純度の高い「ホエイプロテインアイソレート」を100%使用のプロテインです。
WPC プロテイン(アルプロン)は、乳酸菌配合によりたんぱく質の吸収をよくすることが期待できるプロテインです。
WPCプロテイン(ビーレジェンド)は、1食あたりたんぱく質を20g配合、アミノ酸スコア100の原料を使用したプロテインです。
ソイプロテイン
スリムアップスリムシェイク(アサヒ)は、1食(60g)当たり約195kcal、糖質は約15g。美容系成分もプラスしたダイエットや美容のための食事代替プロテインです。
DHCプロティンダイエット(ディーエイチシー)は、ダイエットおきかえ食として大人気『プロティンダイエットシリーズ』の定番ドリンクタイプのプロテインです。食物繊維やヒアルロン酸、コエンザイムQ16をプラスし、ダイエット中のキレイと健康をサポートします。
ホエイ+カゼインプロテイン
マッスルフィットプロテイン(森永製菓)は、「ホエイ+カゼイン」2種類のプロテインで時間差吸収が期待でき、効率的なカラダづくりのためにEルチンを配合したプロテインです。
プロテイン(たんぱく質)を使用するときの注意点やコツ
プロテインを摂取する際は、以下の注意点やコツをふまえ、安全かつ効果的に取り入れましょう。
乳糖不耐症に気をつける
ホエイプロテインやカゼインプロテインは牛乳由来のため、乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)の方は注意が必要です。乳糖不耐症とは、牛乳に含まれている乳糖を分解しづらい体質の方が乳製品を摂取したときに、消化不良や腹痛、下痢などの症状が出るものです。
そのため、乳糖不耐症の疑いのある方は、植物性のソイプロテインや、WPIタイプ(ホエイプロテインから乳糖を除去したもの)などを選ぶとよいでしょう。
添加物を確認する
プロテインには、香料、甘味料、保存料などの添加物が含まれている場合があり、過剰摂取によって体に影響を及ぼすことも考えられます。また、添加物によって、アレルギーのような過敏症を引き起こす方もいるため、化学物質などに敏感な方やアレルギーがある方は特に注意が必要です。
そのため、気になる方は、成分表示をよく確認し、無添加のものなどを選ぶとよいでしょう。
適切な量を摂取する
1日に必要なたんぱく質は、年齢や性別によって異なっており、厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準2025年版」では、18〜64歳の男性で1日65g、18歳以上の女性で1日50gが推奨量とされています。
そのため、現状の食事でたんぱく質が不足していると感じている方は、サプリメントで必要な量を補いましょう。
一方で、過剰摂取による腎機能への影響にも注意が必要です。食事摂取基準ではたんぱく質の上限量は定められていませんが、それぞれのサプリメントに記載されている摂取方法・摂取量を守りましょう。
摂取のタイミングを工夫する
せっかくプロテインを摂取するのであれば、より効果が期待できる取り入れ方をしたいものです。適切なタイミングでプロテインを飲むことで、より効果が期待できるため、詳しく解説します。
就寝前
多くの成長ホルモンが分泌される就寝前にプロテインを摂取することで、たんぱく質の吸収を高められるとされています。特に、就寝の30分〜1時間前くらいを目安に摂取すると、効率よくたんぱく質が吸収でき、筋肉量アップも期待できるでしょう。
起床後
睡眠中は食事を取らないため、たんぱく質の補給ができず、筋肉の分解が進みやすくなります。起床後は体内のたんぱく質のもととなるアミノ酸も枯渇しているので、プロテインを摂取するタイミングとして最適です。
積極的にプロテインを摂りたい場合は、朝食の一部をプロテインに置き換えるのも一つの方法です。
トレーニング後
トレーニング後は、筋肉のたんぱく質合成が活発になるため、プロテインを摂取するタイミングとしておすすめです。
特にトレーニング後45分以内は、筋肉を合成するゴールデンタイムであり、プロテインの摂取に最適な時間帯と言えます。このタイミングでプロテインを摂取すると、運動で受けた筋肉のダメージを効率よく修復し、筋肉の成長促進が期待できます。
まとめ
プロテインは、筋肉の成長や健康維持に役立つ重要な栄養素です。しかし、プロテインを過剰摂取しすぎると、摂取カロリーが増えて肥満になったり、腸内の悪玉菌が増えすぎて腸内環境が乱れたりするなどのリスクがあります。
そのため、プロテインを摂取するときは、体質に合った製品を選び、適量を摂取するとともに、食事の栄養バランスにも気を付けるとよいでしょう。栄養を取り入れられます。
本記事で紹介したプロテインの基礎知識、選び方、摂取タイミング、注意点を理解し、自分の目的や体質に合ったプロテインを選んで活用しましょう。