疲れや目・肩・腰の症状などに効く市販薬といえばアリナミンシリーズを思い浮かべる方もいらっしゃるでしょう。アリナミンシリーズにはいくつかの種類があり、それぞれ特徴や成分、効能効果などが異なります。パッケージや商品名の雰囲気で商品を選ぶのではなく、成分の違いから自分にあった商品を選ぶようにしましょう。
アリナミンシリーズには、錠剤タイプとドリンクタイプがあります。錠剤タイプには医薬品と指定医薬部外品の商品がありますが、ドリンクタイプは指定医薬部外品のみがドラッグストアはなどで購入可能です。
錠剤タイプ
継続的に服用したい方におすすめです。主成分であるフルスルチアミンの含有量がドリンク剤よりも多いのがポイントです。
ドリンクタイプ
今日1日踏ん張りたい場合など、今対処したい疲れにおすすめです。特にカフェインを含有する商品は効果を実感しやすいでしょう。
医薬品と指定医薬部外品の違い
医薬品のアリナミンは指定医薬部外品の製品より、価格が高い傾向にあるものの、全体的に有効成分の配合量が多く、効果も期待できるでしょう。今回はアリナミンシリーズの医薬品について詳しく解説していきます。
医薬品のラインナップ
- アリナミンA50(第3類医薬品)
- アリナミンA(第3類医薬品)
- アリナミンEXプラス(第3類医薬品)
- アリナミンEXプラスα(第3類医薬品)
- アリナミンメディカルゴールド(第3類医薬品)
指定医薬部外品のラインナップ
錠剤タイプ
ドリンクタイプ
- アリナミンV(指定医薬部外品)
- アリナミンVゼロ(指定医薬部外品)
- アリナミンV&V NEW(指定医薬部外品)
- アリナミンV&Vロイヤル(指定医薬部外品)
- アリナミン7(指定医薬部外品)
- アリナミンゼロ7(指定医薬部外品)
- アリナミンナイトリカバー(指定医薬部外品)
- アリナミンRオフ(指定医薬部外品)
- アリナミンメディカルバランス(指定医薬部外品)
アリナミンシリーズ(医薬品)に含まれる主な成分
アリナミンシリーズに含まれる成分について解説します。
ビタミンB1誘導体(フルスルチアミン)
体のエネルギー源である糖質の代謝に関与し、エネルギーの産生を高める役割をしています。筋肉・神経の働きを円滑にし、眼精疲労をはじめ、身体の疲れなどに効果を発揮します。
フルスルチアミンとビタミンB1(チアミン)の違い
フルスルチアミンはビタミンB1の誘導体で、ビタミンB1に比べ、細胞内によく取り込まれるとされています※1。
※1 医療用医薬品フルスルチアミン錠25mg「トーワ」添付文書より
ビタミンB2(リボフラビン)
特に脂質の代謝とエネルギーづくりに関与しています。
ビタミンB6(ピリドキシン)
タンパク質の代謝とエネルギーづくりに関与しています。
ビタミンB12(シアノコバラミン、メコバラミン)
一部のタンパク質、脂質の代謝をサポートしています。末梢神経を構成する核酸やリン脂質を増加させる役割を持っており、神経を修復する作用もあります。メコバラミンは、医療用医薬品メチコバールで知られる成分です。
ガンマ-オリザノール
自律神経の働きをサポートします。
ビタミンE(トコフェロール)
末梢の血液循環に関与し、栄養素の運搬などをサポートします。
パントテン酸カルシウム
体内で補酵素として働き、脂質、糖質、タンパク質の代謝に関与しています。
アリナミンシリーズの違い
アリナミンシリーズの主な違いについて解説します。
1. アリナミンA50
第3類医薬品

Point 1
抗疲労成分「フルスルチアミン」に加え、エネルギー産生に重要な働きをするビタミンB群配合。疲れたカラダによく効きます。
Point 2
「フルスルチアミン」に加え、共に神経の働きに必要なビタミンB6・B12も配合しており、神経痛や関節痛、筋肉痛などを緩和します。
Point 3
便秘の緩和にも効果があります。
Point 4
1錠中に「フルスルチアミン」をアリナミンシリーズの中でも最大量の50mg配合しています。
【特徴】
- 15歳以上から服用可能
- アリナミンAより1回服用あたりの価格は安め
【こんな時におすすめ】
- 昔から知っている製品を服用したい
- 毎日のビタミンB1補給をしたい
2. アリナミンA
第3類医薬品

Point 1 抗疲労成分「フルスルチアミン」を主薬に、エネルギー産生に重要な働きをするビタミンB群やパントテン酸カルシウムを配合。カラダがだるい、重いといった疲れにすぐれた効果を発揮します。
Point 2 「フルスルチアミン」や、ビタミンB2・B6・B12が三大栄養素をエネルギーに変える働きをサポートします。
Point 3 カラダがだるい・重いと感じる疲れによく効きます。
Point 4 便秘の緩和にも効果があります。
【特徴】
- 7歳以上のお子様から服用可能
- アリナミンA50に比べ、ビタミンB6、B12などの配合量は多い
- アリナミンEXプラスより価格は安め
【こんな時におすすめ】
- 昔から知っている製品を服用したい
- 毎日のビタミンB1補給をしたい
3. アリナミンEXプラス
第3類医薬品

●アリナミンEXプラスは、吸収にすぐれたビタミンB1誘導体 フルスルチアミン、ビタミンB6、ビタミンB12を配合し、「目の疲れ」「肩こり」「腰の痛み」などのつらい症状にすぐれた効果をあらわします。
●補酵素(コエンザイムA)となってエネルギーの産生に重要な働きをするパントテン酸カルシウム、体のすみずみの血液循環に関与するビタミンEを配合しています。
●服用しやすい黄色の糖衣錠です。
【特徴】
- 15歳以上から服用可能
- シアノコバラミンを1,500μg(1日最大服用量)配合
【こんな時におすすめ】
- 年齢を重ねて、目・肩・腰の症状が気になるようになってきた
- 年齢を重ねて疲れやすくなってきたので、毎日の疲労対策をしたい
4. アリナミンEXプラスα
第3類医薬品

Point 1
抗疲労成分「フルスルチアミン」に加え、神経の機能維持に関わるビタミンB6・B12を配合。
目の疲れや肩こり、腰痛の症状によく効きます。
Point 2
あらゆる代謝に関与するパントテン酸カルシウム、カラダのすみずみの血液循環に関わるビタミンE、ビタミンB1・B6・B12の働きを助けるガンマーオリザノールも配合しています。
Point 3
3大栄養素(脂質、タンパク質、糖質)を効率よくエネルギーに変える際に役立つビタミンB2も配合しています。
Point 4
疲れがたまって、目、肩、腰がつらい方におすすめです。
Point 5
24錠のトライアルサイズがあります。
【特徴】
- 15歳以上から服用可能
- アリナミンEXプラスの配合成分に、さらにリボフラビンが配合
- アリナミンEXプラスより価格は高め
【こんな時におすすめ】
- 年齢を重ねて、目・肩・腰の症状が気になるようになってきた
- 年齢を重ねて疲れやすくなってきたので、毎日の疲労対策をしたい
5. アリナミンメディカルゴールド
第3類医薬品

つらい症状が痛みにまできたらおすすめ
目・肩・腰、さらに首すじにも
Point 1 抗疲労成分「フルスルチアミン」、末梢神経の修復に関与する「メコバラミン」、神経の機能維持に関与する「活性型ビタミンB6」、を配合し、「目の奥の疲れ」「肩・首すじのこり」「重い腰の痛み」などのつらい症状にすぐれた効果をあらわします。
Point 2 カラダのすみずみの血液循環に関わる天然型ビタミンEに加え、メコバラミンと一緒に働く葉酸、ビタミンB1・B6・B12の働きを助けるガンマーオリザノールも配合しています。
Point 3 目・肩・首すじ・腰など、特につらい症状が痛みにまできた時におすすめです。
Point 4 手や足のしびれを感じた時にもおすすめです。
Point 5 気軽に試せるトライアルサイズがあります。
【特徴】
- 15歳以上から服用可能
- メコバラミン1,500μg(1日最大服用量)や葉酸などを配合
- アリナミンEXプラスより価格は高め
【こんな時におすすめ】
- 年齢を重ねて、目・肩・腰の症状がつらい
- 年齢を重ねて疲れやすくなってきたので、毎日の疲労対策をしたい
アリナミンEXプラスとアリナミンメディカルゴールドの違い
アリナミンEXプラスとアリナミンメディカルゴールドは、どちらもビタミンB12を配合していますが、その種類は異なります。アリナミンEXプラスにはシアノコバラミン(ビタミンB12)が配合され、アリナミンメディカルゴールドにはメコバラミン(ビタミンB12)が配合されています。
シアノコバラミンは、体内で速やかに活性型のメコバラミンなどに変換されます。生体内補酵素型ビタミンB12であるメコバラミンは、シアノコバラミンと比較し、動物実験において、神経細胞内の小器官への移行がよいとされています※2。
※2 医療用医薬品メチコバール錠添付文書より
アリナミンシリーズ商品選択のポイント
疲れがだるい・重いと感じる疲れなのか、特に目・肩・腰の症状がつらい疲れなのかを判断して商品を選択すると良いでしょう。
体がだるい・重いと感じる疲れ
目・肩・腰は気にならないという場合には、アリナミンAやアリナミンA50を選ぶことで価格を抑えることができます。
特に「目・肩・腰の症状」がつらい疲れ
アリナミンEXプラスやアリナミンメディカルゴールドなどが候補となり、より効き目を求める場合には、アリナミンメディカルゴールドを選ぶと良いでしょう。
ただし、アリナミンEXプラスは特に人気商品のため、量販店で特売されている時などがあり、比較的コスパが良いといえます。
<アリナミンシリーズの選び方と一覧>
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妊娠中、授乳中にアリナミンシリーズは、服用できる?
効能効果に「妊娠・授乳期の栄養補給」と記載がある商品は、基本的に服用できます。ただしドリンク剤には、カフェインが含まれる商品があるため、用法用量を守り、カフェインの摂りすぎには注意してください。
医薬品のアリナミンシリーズは、毎日飲み続けても問題ない?
効果を感じられる場合や肉体疲労時などビタミン補給が目的の場合は、用法・用量を守って服用することは問題ありません。
なお、1か月程度服用しても症状がよくならない場合は、服用を中止し、医療機関に受診するようにしましょう。
こんな症状は受診を
以下に1つでも当てはまる場合は、医療機関を受診しましょう。
- 疲れや倦怠感が長く続いており、顔色が悪い
- 疲れ以外に頭痛、めまい、吐き気などの症状がある
- 十分に休養しても疲れが回復しない
- 肩こりが経験したことがないほどひどい場合や痛みが強い場合
- 手足のしびれが続く、症状がひどい