管理栄養士が解説!アミノ酸のおすすめサプリメント

アミノ酸は健康な体を維持するために不可欠な成分です。バランスのよい食事を心がけていれば、大幅に不足することはありませんが、場合によってはサプリで補給するのも一つの方法です。
しかし、アミノ酸サプリにはたくさんの種類があり、目的に合ったサプリを選ぶのは簡単ではありません。
そこでこの記事では、アミノ酸に関する基礎知識や、略語で表されるアミノ酸の種類をわかりやすく解説し、アミノ酸サプリの選び方や注意点とともにご紹介します。


大学卒業後、福祉施設での栄養管理、企業向けの商品開発、特定保健指導、健康経営支援など多岐にわたる現場を経験。その後、独立し、現在は離乳食教室の運営や米粉パン事業をはじめ、健康をテーマにした複数のプロジェクトを展開中。ライフステージに寄り添った実践的な栄養支援を軸に、食の専門家として「より良い暮らしと健康」を支える活動を続けている。
※掲載している商品の選定、商品画像や特徴などはCureBellの情報を基にしており、監修者によるものではありません。
目次
アミノ酸とは

アミノ酸は生物の体を構成する重要な成分です。自然界には、約500種類のアミノ酸が存在し、そのうち20種類がたんぱく質を構成するアミノ酸です。
たんぱく質を構成するアミノ酸以外にも、遊離アミノ酸として体内で重要な役割を担っているアミノ酸もあります。
アミノ酸はたんぱく質を構成する成分
たんぱく質は、20種類のアミノ酸がさまざまな順番で結合することによって異なる機能を発揮しています。ヒトの体の成分は約60%が水分、約16〜20%がたんぱく質で、ヒトの体内には10万種類以上のたんぱく質が存在するといわれています。
そして、たんぱく質には、2つの重要な役割があります。
ひとつは、筋肉や内蔵、骨、髪の毛、皮膚など、生物の組織を形作る主要な成分としての役割。
もうひとつは、体内で起こるさまざまな化学反応を司る役割です。酵素やホルモン、抗体となって、体内で必要となる化学物質を合成・分解したり、侵入した病原菌やウイルスなどから身を守ったりする機能を担っています。
必須アミノ酸と非必須アミノ酸
たんぱく質を作る20種類のアミノ酸には、体内で合成できない必須アミノ酸と、合成できる非必須アミノ酸があります。
何が必須アミノ酸となるかは生物の種類によって異なり、ヒトの場合は下表のとおりです。
必須アミノ酸(9種類) | 非必須アミノ酸(11種類) |
---|---|
・バリン ・ロイシン ・イソロイシン ・スレオニン ・リジン ・メチオニン ・フェニルアラニン ・ヒスチジン ・トリプトファン |
・チロシン ・システイン ・アスパラギン酸 ・アスパラギン ・セリン ・グルタミン酸 ・グルタミン ・プロリン ・グリシン ・アラニン ・アルギニン |
なお、“非必須”という名称がついていますが、必要ではないという意味ではありません。他のアミノ酸などから体内で合成されるので、そのアミノ酸自体を直接摂取しなくても問題ないという意味です。
一方、必須アミノ酸は、体内で合成できないので食事などで摂らなければなりません。20種類のアミノ酸が1種類でも不足するとそのアミノ酸が含まれるたんぱく質が体内で合成されなくなってしまいます。
アミノ酸のはたらき
アミノ酸は、筋肉や内臓、皮膚などを構成するたんぱく質の材料となる重要な成分です。なかでも筋肉は、水分を除くと約80%がたんぱく質で構成されているため、アミノ酸の摂取は日々のコンディション維持にも関わってきます。
また、体内に侵入するウイルスや病原菌などの異物(抗原)を攻撃して無害化する抗体も、たんぱく質です。そのアミノ酸(たんぱく質)は、身体の構成や健康維持に欠かせない栄養素です。
さらに、アミノ酸は神経伝達物質の材料としても知られており、心身の健やかなバランスを保つうえでも重要な栄養素のひとつです。ドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質は、どちらもアミノ酸から合成されています。毎日の生活を前向きに過ごすためにも、アミノ酸を含むたんぱく質をバランスよく摂取することが大切です。
他にも、アミノ酸は、基礎代謝や肌・髪の健康維持にも関わるたんぱく質の構成成分です。日々の元気や美容を支える栄養素として、バランスよく取り入れましょう。
アミノ酸サプリの選び方

アミノ酸サプリにはさまざまな商品があるため、ここでは、どのようにして自分に合ったアミノ酸サプリを選べばよいのか解説します。
配合されているアミノ酸の種類で選ぶ
アミノ酸にはさまざまな種類や役割があるため、自分に合った種類を選ぶことが大事で。サプリによく含まれている主なアミノ酸には以下のようなものがあります。
主なアミノ酸の種類 | 説明 | 特徴 |
---|---|---|
EAA(Essential Amino Acids) | 必須アミノ酸 | ・ヒトの体内では合成できず、食事などで摂取しなければならないアミノ酸 |
BCAA(Branched-Chain Amino Acids) | 分岐鎖アミノ酸(ロイシン、イソロイシン、バリンの3種類) |
・筋肉のたんぱく質を構成するアミノ酸 ・運動時のエネルギー源 |
HMB(β-Hydroxy-β-MethylButyrate) |
3-ヒドロキシイソ吉草酸 ※厳密にはアミノ酸ではなく、アミノ酸のひとつであるロイシンから合成される物質 |
・筋肉のたんぱく質の合成促進、分解抑制が期待できる |
上記3種の成分と、その他の特徴的なアミノ酸に期待できる機能を詳しく見ていきましょう。
健康維持のためには普段の食事で不足しがちな「EAA(必須アミノ酸)」
EAA(必須アミノ酸)は体内で合成できないので、普段の食事だけでは不足しがちです。そのため、食事などからしっかりと摂ることが大切です。
日々の栄養バランスやコンディションづくりを意識したい方には、EAA(必須アミノ酸)を含むサプリメントも選択肢の一つです。
筋力アップにはBCAA・HMB・クレアチン
BCAAは、筋肉のたんぱく質の主要な成分なので、日々の健康的な生活や運動習慣をサポートする栄養素として注目されています。
また、HMBは厳密にはアミノ酸ではありませんが、アミノ酸のひとつであるロイシンから合成される物質で、筋肉の合成促進や分解の抑制といった健康的な体づくりをサポートする成分として注目されています。
そして、筋肉を動かすときには大量のエネルギー(ATP)を消費しますが、クレアチンはATPを再合成する役割を担っています。クレアチンを摂取すると運動能力の向上に影響があるという研究結果も数多く発表されています。
ダイエットにはBCAAやアルギニン・カルニチン
BCAAやアルギニン、カルニチン(L-カルニチン)はエネルギー産生や栄養代謝に関わる栄養素として知られています。
なお、L-カルニチンはアミノ酸の一種ですが、たんぱく質を構成するアミノ酸ではありません。必須アミノ酸のリジンとメチオニンを原料として肝臓で合成されます。
疲労回復にはオルニチン
オルニチンは遊離アミノ酸のひとつで、肝臓の解毒作用をサポートする働きがあります。
肝臓の機能が低下すると、全身の疲労につながることが知られています。オルニチンは、毎日の健康維持や体調管理サポートをしていきたい方に適しているでしょう。
美容・血流の健康維持などにはシトルリン
遊離アミノ酸のシトルリンは、血管の健康に関わることから、血流の維持をサポートする栄養素として知られています。身体のめぐりを意識したい方の栄養補給に適しているでしょう。
さらに、シトルリンは抗酸化作用のある「天然保湿因子」の一つでもあり、肌を紫外線から保護し、うるおいを保つことで、毎日のスキンケアに役立つ栄養素としても注目できます。
集中力・思考力アップにはチロシン・トリプトファン
脳内神経伝達物質であるドーパミンやセロトニンが不足すると集中力や思考力が低下するといわれています。ドーパミンはチロシンから、セロトニンはトリプトファンから合成されるので、これらのアミノ酸を摂取することで、集中力や思考力のアップが期待できます。
ドーピング認証を取得している商品を選ぶ
アスリートやプロスポーツ選手など、日ごろからスポーツにおいて禁止されている成分の混入を気にされている方は「インフォームドチョイス認証」や「インフォームドスポーツ認証」・「BSCG認証」を取得している商品を選びましょう。
これらの認証を取得している商品は、スポーツにおける禁止成分が混入していないことが第三者機関各々の検査によって明らかになっています。
インフォームドチョイス認証とは

インフォームドチョイスは、スポーツ栄養サプリメント(主に一般消費者向けのサプリメント)のための世界的な品質保証プログラムです。
WADA(世界アンチドーピング機関)が定める禁止物質に汚染されていないか、その製品が生産される特定のロットにおいて毎月検査が実施されており、主に一般消費者が安全に使用できる製品を提供することが目的とされています。
インフォームドスポーツ認証とは

インフォームドスポーツは、スポーツ栄養サプリメント(主にプロアスリートや競技者向けのサプリメント)のための世界的な品質保証プログラムです。
その製品の生産されるすべてのロットにおいて、WADA(世界アンチドーピング機関)が定める禁止物質を含む250種類以上のスポーツで使用を禁止されている物質についての検査が実施されており、主にアスリートのサプリメントからの禁止物質の摂取を防ぎ、競技パフォーマンスに影響を与えないようにすることが目的とされています。
BSCG認証とは

BSCG認証はサプリメントや化粧品など、幅広いカテゴリーで提供されている品質保証プログラムです。
その製品の生産されるすべてのロットにおいて、500種類以上の禁止物質や医薬品、違法薬物などの検査の実施に加え、GMP(適正製造規範)に基づく品質管理検査や、原料審査、成分審査、サプライヤー審査、一般毒物アセスメントも行われています。
BSCG認証は禁止物質の検査だけではなく、製品の全体的な安全性や品質を保証することを目的としています。
CureBellでのサプリメントの探し方


CureBell(キュアベル)では目的や商品区分、1日当の価格、栄養成分、GMP・ドーピング認証有無などの項目で簡単にサプリメントの検索・比較ができます。「自分に合ったサプリメントが分からない」「安全に使用できるサプリメントを探したい」そのような方はキュアベルを使って自身にあったサプリメントを選んでみましょう。


アミノ酸のおすすめのサプリ
BCAA配合の商品

パウダー8000(アミノバリュー)は、日本初のBCAAを関与成分とする機能性表示食品のアミノ酸サプリです。

DNS BCAA(DNS)は、水に溶けにくいBCAAの改良を重ね溶解性を向上。無駄なものを極力排除し、1回あたりに摂取できるBCAAの量を増やしたアミノ酸サプリです。
EAA配合の商品
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EAA(アルプロン)は、BCAAを含む、9種類(ロイシン・バリン・フェニルアラニン・トリプトファン・イソロイシン・ヒスチジン・リジン・トレオニン・メチオニン)の必須アミノ酸がすべて摂取できるアミノ酸サプリです。

EAA PRO(DNS)は、たった5gで、身体作りを強力にサポートすることができ、身体作りをしたい人はもちろんのこと、プロテインと比べてエネルギーが少ないため、減量のある競技のアスリートにもおすすめのアミノ酸サプリです。
HMB配合の商品

DNS HMB タブレット(DNS)は、筋タンパクの合成促進、筋タンパクの分解抑制、筋細胞の細胞膜の安定化が期待できる効率の良い身体作りをしたい方へおすすめのアミノ酸サプリです。
その他の商品

ヴァームスマートフィット顆粒(明治)運動による体脂肪低減効果のあるアラニン・アルギニン・フェニルアラニン混合物1500mgを配合した機能性表示食品です。
ドーピング認証を取得している商品

Impact EAA(マイプロテイン)は、ゼロカロリーかつ糖類ゼロで9種類の必須アミノ酸を配合したアミノ酸サプリです。吸収が速く1、BCAA(ロイシン、イソロイシン、バリン)を4:1:1の割合で配合しています。

BCAA SUPER AMINO FLOWSION(ビーレジェンド)は、ビーレジェンド独自の製法でBCAA特有の苦味や匂いを抑え、ジュースのようなフレーバーに仕上げたアミノ酸サプリです。
アミノ酸サプリメントを使用するときの注意点

アミノ酸サプリメントを摂取する際には以下のような点に注意が必要です。
過剰摂取に注意
アミノ酸は体内に存在する物質なので、一般的に適切な量であれば安全に摂取できるとされています。ただし、特定の種類のアミノ酸を偏って摂取したり、必要以上に多くの量を摂取したりすると、内臓に過度な負担がかかる可能性があるため、バランスよく摂る必要があります。
また、BCAAを過剰摂取すると、消化不良や頭痛などの症状が現れるケースもあるので注意が必要です。
その他、髪や爪に含まれるL-システインは、皮膚の新陳代謝を促進し、肝臓の解毒作用にも関与していると知られているアミノ酸ですが、過剰摂取するとインスリン(血糖値のコントロールにかかわるホルモン)の働きに影響を受ける可能性があるため、過剰摂取には気を付けるようにしましょう。
以上のことから、アミノ酸サプリメントを利用する際は、サプリの説明書に記載されている摂取方法・摂取量を守るように心がけてください。
目的によって飲むタイミングを変える
せっかくサプリを摂取するのであれば、サプリを飲むタイミングにも注意しましょう。筋肉のたんぱく質の主成分であり、筋力アップが期待できるBCAAは、トレーニングの30分ほど前に摂取するのがおすすめです。運動中もエネルギーとして消費されるので、運動前に摂ることによって疲労を軽減する作用も期待できます。
また、スポーツや運動直後の30分〜1時間ほどの間は、「筋肉のゴールデンタイム」と呼ばれています。筋力アップを考えている方は、この時間にアミノ酸やプロテイン(たんぱく質)を補給すると効率よく筋肉のたんぱく質が合成されるでしょう。
まとめ
アミノ酸はたんぱく質を構成する成分であるとともに、体内でさまざまな役割を担っている重要な物質です。そのため、アミノ酸が不足すると体にさまざまな弊害が現れてしまうことがあります。
通常、バランスの取れた食事をしっかりとっていれば、アミノ酸が不足することはありません。しかし、食事を十分にとれなかったり、激しい運動をしたりする場合はアミノ酸サプリで不足しがちなアミノ酸を補うとよいでしょう。
この記事を参考に、目的にあったアミノ酸サプリを見つけてください。
<参考文献>