肝臓ー沈黙の臓器は突然悲鳴を上げる?食事と飲酒の改善ポイントを解説!

更新日: 2025年11月12日

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるように、症状が出る頃にはかなり疲れているケースも少なくありません。毎日の食事や飲み方で、知らず知らずのうちに負担をかけている臓器の一つ。この記事では、肝臓に良い食べ物や飲み物、サプリの選び方、そしてお酒との賢い付き合い方など、肝臓を長く健康に保つ具体的な方法をご紹介します。

「肝臓のことはあまり気にしたことがなかった」「仕事上飲み会が多い」と言う方は、必見です。

肝臓の役割とダメージの原因

肝臓の主な働きと健康への影響

肝臓は休むことなく働く「体内の化学工場」です。食べ物をエネルギーに変える代謝機能、有害物質を処理する解毒機能、免疫を支える防御機能など、多くの役割で健康を守っています。機能が低下すると全身の不調や病気のリスクが高まるため、肝臓の健康維持は日々の生活の要です。

  1. 栄養代謝
    肝臓は、胃や腸で吸収された栄養を利用しやすい形に変えて貯蔵し、必要に応じて供給する代謝機能を持っています。糖や脂肪、アルコールの過剰摂取はこの機能を損ない、脂肪肝や健康障害の原因となります。

  2. 解毒作用
    肝臓は、アルコールや薬、ニコチンなどの有害物質を分解する解毒機能を備えています。

  3.  胆汁の生成
    胆汁は脂肪の消化吸収を助け、コレステロールや老廃物を体外に排出する機能を持ちます。流れが悪くなると皮膚や白目が黄色くなる黄疸が現れます。

  4. 免疫機能
    肝臓には免疫機能も備わっており、クッパー細胞が異物や細菌を処理し、NK細胞が感染や老化した細胞を除去します。

 

お酒・食べすぎ・不摂生…肝臓が悲鳴をあげる瞬間

会社の付き合いで飲み会が多い方や、お酒が好きでよく飲む方は、飲酒が肝臓に与える影響を一度は意識したことがあるのではないでしょうか。肝臓はアルコールや有害物質の分解・解毒を担う重要な臓器であり、特にアルコールと肝臓の健康には深い関係があります。

飲酒によって体内に入ったアルコールの約90%は肝臓で処理されるため、過剰なアルコール摂取は肝臓機能に大きな負担をかけます。その結果、肝臓に中性脂肪がたまり、脂肪肝やアルコール性肝炎、さらには肝硬変へと症状が進行してしまうことがあります。

こんな症状は危険信号!肝臓のSOSサイン

肝臓が疲れてくると、体にはさまざまな変化が現れます。本来であれば肝臓が解毒するはずの老廃物が処理されず体内に残り、エネルギーとして代謝しきれなかった栄養は中性脂肪として蓄積されます。肝臓の疲れでみられる主な症状は、全身の倦怠感、食欲不振や吐き気、腹部の膨満感や足のむくみなどが挙げられます。

肝臓に良い食べ物と飲み物

肝臓がよろこぶ5つの食材&避けたい食べ物

肝臓の健康を保つにはバランスの良い食事が土台になりますが、忙しい人にとってはなかなか実現が厳しいかもしれません。
そんな時に、意識的に取り入れると良い食材5つをご紹介します。

・海藻
ビタミンやミネラルが豊富で、ぬめり成分のフコイダンが肝細胞の再生を促し、肝臓機能を高めます。

・しじみ
オルニチンやタウリンが肝臓の働きを助け、細胞膜を丈夫にします。

・牡蠣(カキ)
ビタミン・ミネラル・アミノ酸が豊富で、肝臓に蓄えられるグリコーゲンも多く含まれます。

・枝豆
良質なたんぱく質とメチオニンがアルコール分解を促進し、脂肪燃焼に関わる成分も含まれます。

・豆腐
消化吸収が良く、肝臓のたんぱく質補給に最適です。

日常生活で肝臓に特に気を配りたい方は、必須アミノ酸がバランスよく含まれる牛乳、コーヒー、しじみスープなどが良いと言われています。
簡単にコンビニでも手に入ります。

一方で、気をつけたいのが、動物性油を多く含むお肉や食事、清涼飲料水や甘いスポーツドリンクです。

肝臓を内側からサポートする栄養とサプリの力
次に、肝機能にプラスの働きを期待できる栄養素(タウリン、オルニチン、ウコン、シリマリン)の特徴と効果を見てみましょう。

血中ALT値がやや高めの方には、肝機能改善として効果が認められている(クルクミン、スルフォラファングルコシノレート)を含む機能性表示食品がおすすめです。

成分名 主な食材・摂取源 特徴・効果
タウリン イカ、タコ、牡蠣、しじみ 肝臓の働きを助け、細胞膜を丈夫にする
オルニチン しじみ、あさり、キノコ類 肝臓の疲労回復を助ける
ウコン サプリメント、ドリンク 二日酔い予防、肝機能サポート
シリマリン マリアアザミ(ミルクシスル)の種子 ポリフェノールの一種。抗酸化作用で肝細胞を保護
クルクミン
(機能性表示食品)
ウコンなど ポリフェノールの一種。抗炎症作用が期待できる
スルフォラファングルコシノレート
(機能性表示食品)
アブラナ科の野菜 解毒酵素を活性化し、肝機能を高める

お酒を楽しみつつ、肝臓を守るスマート習慣

 

一日のお酒はどのくらいが適量?~飲酒ガイドラインの推奨

厚生労働省の飲酒ガイドラインでは、適量飲酒の目安を男性40g未満、女性20g未満の純アルコール量としています。ビールや日本酒に換算し、だいたいの量を目安にすることができます。

性別 純アルコール量の目安 ビール換算量 日本酒換算量
男性 40g未満 約500mL 約1合(180mL)
女性 20g未満 約250mL 約0.5合(90mL)

※厚生労働省の飲酒ガイドラインから各飲料のアルコール度数を用いて試算

翌朝も二日酔い知らずの飲み方~外でも安心!

楽しいお酒の席でも、翌日の二日酔いやその場での悪酔いは避けたいものです。ここでは、飲酒をより安全に楽しむための、事前にできるシンプルで効果的な対策を紹介します。

・空腹で飲まない
食事や水で胃に入れておくとアルコール吸収が穏やかになり、悪酔い防止に有効。

・体調を整える
寝不足や疲労は肝臓の代謝機能を低下させるため、飲酒前は休養を取る。

・ルールを決める
飲む量や時間を決め、ビンごと置かない・少量缶を活用するなど環境を整える。

二日酔い対策サプリやドリンクを活用しよう!

もちろん、お酒を避けられない場面もあるでしょう。そんな時は、ウコン配合のドリンクや二日酔い対策サプリを事前に摂取しておくと安心です。近年は、二日酔いや悪酔いを防ぎつつ肝臓を労わるためのドリンクを選べる時代になりました。

スマドリ(Sumadori)という言葉をご存知ですか?これは、アサヒビールが提唱する「スマートドリンキング」の略で、体質や気分、シーンに合わせてお酒やノンアル飲料を楽しむ新しいスタイルです。0.00%ノンアルから低・微アル、通常アルコールまで幅広く揃います。

沈黙の臓器を守るための5つの鉄則

肝臓は「沈黙の臓器」。自覚症状が出にくいため、異常に気づくのが遅れがちです。年1回以上の健康診断や血液検査で肝機能の数値を確認し、早期発見・早期対策につなげましょう。

肝臓を守るためには、日々の生活習慣が鍵です。

①バランスの良い食事で栄養を整える
②適度な運動で脂肪肝を予防する
③十分な休養と節度ある飲酒で負担を減らす
④サプリの活用、飲酒との上手な距離感
⑤スマートドリンキング

これらの5つを意識して肝臓を健康に保っていきましょう。

まとめ

沈黙を保ち私たちを支え続ける肝臓。飲み会の頻度が多かったり食生活が乱れていたりして「あまり気にしていなかった」と感じる方は、今一度肝臓に向き合ってみませんか。今回ご紹介したおすすめの食べ物やサプリメントを是非取り入れて、肝臓を労わる一歩を踏み出してみてくださいね。

<参考文献>
肝臓の役割 – 肝臓の基礎知識 | よくわかる肝臓の病気「疾肝啓発」
肝臓 | からだのしくみ | からだとくすりのはなし | 患者さん・一般の皆さま | 中外製薬株式会社
飲酒と肝臓の病気の関係は?肝硬変・アルコール性肝疾患の症状・治療・予防方法について解説
大量飲酒による身体への影響|人とお酒のイイ関係|アサヒビール
肝機能のことを考えた食事とは?肝臓の数値が気になる方に | 健康食品・サプリメント通販のハウスダイレクト
【医師監修】肝臓・肝機能に良い食べ物とは? – フコイダンラボ
肝臓をいたわるために、やめたほうがいい飲み物は? (2ページ目):Goodayクイズ:日経Gooday(グッデイ)
クルクミン | 成分情報 | わかさの秘密
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Microsoft Word – (別添)飲酒ガイドライン_0215最終版
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二日酔いとは?お酒を飲む前・中・後の二日酔い対策10選|大正健康ナビ|大正製薬
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